ソラノカナタ 42
さて今日のお話は・・・
つくし秘書の誕生のお話。
するのか?
これ以上お話が長くなる設定にはしません!
*西田に促されて別室に消えた牧野。
10分後には地味なスーツに着替えた牧野が現れた。
長い髪はアップに銀縁の眼鏡。
いつの時代の秘書のイメージだッ!
「これなら、目立たないでしょ」
わざとらしく牧野は眼鏡の縁を持って位置を直す仕草を見せる。
逆に目立つ気がする。
「それはないわ」
声を上げたのはプリンセス。
「えっ・・・」
「地味にしていた方がいいんじゃないですか?」
エイミ王女に押され気味の牧野は遠慮がちに口を開く。
「折角のかわいさが台無しじゃない」
可愛く着飾る必要はない、いつもの牧野で十分だ。
俺は牧野の本質に惚れている。
見た目で惚れたわけじゃない。
それを口にすると「私のことブスって思っているでしょ」と、すぐに牧野はふくれる。
見た目に惚れたって言っても睨まれる気はするんだよなぁ。
「秘書って見栄えもよくなくちゃ」
エイミ王女に無理やり引っ張られて牧野が部屋を出ていく。
さっきの数倍の時間を要して現れた牧野。
自然な仕上がりのメイク。
黒髪はつややかに流れ、毛先はゆるやかなカーブを描く
オレンジに光るルージュ。
牧野の表情を清楚に引き出している。
淡い色合いのジャケットはデコルテラインを美しく見せるノーカラー。
胸元には牧野が土星のネックレスが光ってる。
ネックレスをつけてる牧野にほっとしてる。
あのネックレスを牧野がつけてる意味の重要さを感じてる。
NYでの出来事はかなり重症だ。
膝上丈のタイト スカートから伸びたほっそりとした足。
履き慣れていない8㎝のヒールを気にしてる風に牧野は時々視線を下に落とす。
意外に似合う。
西田が準備したスーツにしては上出来じゃねェか。
選んだのは別な奴だと思うけど。
スーツを選んだのは男じゃねぇよな?
秘書にしては幼く見えるが新米の初々しさを見せる牧野を俺が気に入らないわけがない。
このまま秘書にしたら俺の仕事は絶対はかどる。
さっきの野暮ったさより断然こっちがいいに決まっている。
「牧野、似合っている」
類に先を越された。
彼氏より先に褒めるやつがいるかッ!
俺にもっと遠慮しろッ!
「司もそう思うだろ」
不機嫌ににらんだ俺に類は笑って声をかける。
「着飾る必要はねえだろう」
「牧野は何を着ても牧野だしな」
類の後で俺が素直に牧野を褒めることができるわけがない。
類の前で照れくさそうにしていた表情に少しは褒めろとでも言いたげな不満の色をにじませる。
怒って、機嫌を損ねて「もういい」とか抵抗されそうな気配。
逃がすかっ。
「かわいいけどなぁ」
「この可愛さが分かんないなんて彼氏失格だ」
その声に牧野のそばに歩きかけた足が止まる。
その俺の前を通ってツカツカと微笑みを浮かべて牧野の前に立つアル王子。
俺より近い位置を取られた。
「俺の秘書ってことにする?」
「えっ・・・それは・・・」
王子の何気ない言葉に気にするように牧野から俺に向けられた視線。
あいつは本気じゃねぇだろうなッ!
玄関の前に待ち構える報道陣が牧野を見て王子の秘書だと思うわけがない。
噂は本当だったと書かれた号外が数時間後には配られるのがオチだ。
牧野!
即答で嫌だと言え!
王子が催促するように牧野の肩に手を付いた。
牧野に触んな色ボケ王子!
「俺のだ」
「気安く触るんじゃねぇよ」
速攻で牧野を奪って肩を抱く。
「代表・・・」
ダメですと諭す様な視線で西田が見つめる。
知ったこっちゃないつーの。
契約も無事に終わった今、王子に愛嬌を振りまく感情は持ち合わせていない。
「行くぞ」
離さないって感情のまま握りしめた牧野の手のひら。
嫌がる様にスポッと牧野が手を俺から抜き取った。
「ついて行くけど、手をつないで歩けるわけないでしょうッ」
「俺としてはお前を抱き上げてドアを出ても不満なんだけどな」
牧野の目の前に近づけた口元から押し殺すように出た声。
「代表!!」
静かな重低音の西田の声が響いた。
「類様の秘書ってことにしますか?」
これ以上我儘を言うと分かりますねの締め付け。
重石をつけられた。
ア―――ッ。
おとなしくしてやるよ。
今はなッ。
SPによって開かれたドア。
不満を響かせるように大きくひびく靴音。
俺たちは玄関へと向かって歩き出した。
拍手コメント返礼
なおピン様
そうそうかわいいつくしの方が何か起きそうな気が・・・
いえいえ、これ以上の事件は起こしません!
早く最終話に持っていきたいんですもの♪
つくしが秘書って設定がおいしい野は司だけではありませんから~~~(笑)
iPhoneなどになると携帯アドレスだけじゃなくもう一つメールアドレスが増えますもんね。
DVDコピーがうまくいくか私もドキドキしてきました。
ゆげ様
秘書のコスプレ・・・。
この場に総ちゃんとあきらがいたら・・・。
「俺はもっと色っぽい秘書がいい」
「牧野なら上出来じゃねェ?」
「これ以上やると司の奴仕事を放り投げそうだしな」
このくらいの会話やってるだろうなぁ。
いよいよ今夜ですか♪
いい夜になりそうですね。(笑)
『ぼく君』は原作の方が映画よりいいと思いますよ。
なんであそこで真央ちゃんにウエディングドレスを着せたのかの意味が私にはいまだにわからない。
脚本家変えろと叫んでおりました。
23日過ぎにはゼクシィとのコラボの作品もネタバレできればUPしたいと思っています。