FIGHT!! 番外編 (もしものお話)

連載を進めればいいのに何を遊んでるんだか(^_^;)

連載を心待ちにしている方には申し訳ありません

ほんの出来心です。

ふに***様からいただいたコメント

> この携帯に、司君がでていたらどうなっていたでしょうね?

このお言葉からうんうんとうなずく私。

コメントをお借りしての番外編(短編)が登場です。

*

携帯を耳に当てた途端に伸びてきた腕は無理やりそれを奪って私の手から離れていく。

「えっ!」「あっ・・・っ」

振り返った時には遅かった。

「てめぇ…、いい度胸してるな。金輪際、俺様の許可無しに連絡するんじゃねえ!!」

口を開いて司から飛び出したドスの利いた乱暴すぎる声。

「ちょっっ!!」

取り返そうと伸ばした手は私が飛びはねても届かない天井近くに伸びている。

頭一つ以上の身長差が恨めしい。

司を知らない人が聞いたらきっとこの携帯に二度と連絡を取ろうとは思わないだろう。

「お――――ッ」

頭の上でプチンと切られた携帯。

私の目の前に降りてきた携帯。

ストラップを指でつまんだ司がユラユラと揺らしてる。

「勝手に出て、勝手に切らないでよね」

急ぎの仕事の連絡ならどうしてくれるのッ!

まあ・・・

仕事の連絡をするとしたら甲斐さんか玲子さん。

2人とも司の機嫌が悪くなるのは知ってるからなぁ・・・。

甲斐さんは一度司に怒鳴られて、それ以来、二度と夜に私の携帯を鳴らす無謀はやらないはずだ。

つーか、人の携帯に勝手に出るのはマナー違反だぞ。

そのうちメールまで覗くようになる?

見られて困るものがあるわけじゃない。

花沢類のメールでも機嫌が悪くなるかな?

「元気?」

「なにしてる?」

位の近況報告のメールのやり取りは花沢類だけじゃなく西門さん美作さんからもたまにあり。

「あいつらも暇だな」

こんな軽い感じの司の反応を期待したい。

「返してよ」

「あっ!」

抱き着かれた状態で突然割り込んだ無粋な邪魔に司の不機嫌さは表情に残ったままだ。

今さらそこまで機嫌を悪くしなくても・・・。

久しぶりに会った恋人同士のわけじゃない、子供も3人いる夫婦だぞ!

邪魔された時間を取り戻す時間は十分過ぎるほどある。

子どもに邪魔されなければという条件は付いてるけどね。

双子の次の授乳時間まではあと3時間くらいはあるはずで・・・

指を折って確かめる私も司に抱きしめられるのは嫌いじゃない。

考えればこんな甘ったるい感じって久しぶりのような気がした。

「誰からかかってきたのか確かめたいのッ」

うだそうにベッドの上に投げられた携帯。

ソファーから歩いてわざわざそっちに携帯を持っていくなんて・・・

何を考えてるかなんて分かり過ぎだ。

ベッドまで私も行くしかなくなってる。

誘導するな つーの!

急いで拾い上げた携帯を開いてキーを操作する。

画面に映し出された着信歴。

阿賀野さん・・・」

連絡を取るようなことがなにかあったっけ?

それも夜に?

わざわざ?

幼稚園の連絡が直接回ってくるはずはないし・・・。

用事があるとしたら司のことがばれたってことぐらいか?

私でも確かめるために連絡を取りたくなると思うもの。

道明寺があの道明寺だと知ったインパクトはかなりあると思う。

「なに、おとなしく固まってるんだ?」

ベッドの上に座り込んだ私に覆いかぶるように背中から腕を回された。

「見えないッ、もう少し待って」

「たくッ、俺を待たせるのはお前好きだよな」

私の胸の前で交差していた司の腕が解かれるように緩められた。

「別に待たせてるわけじゃないでしょう。あとちょっとくらい、いいじゃない」

「また邪魔されたら嫌でしょッ」

舌打する司を無視して携帯をかける。

「1分だ」

相変わらずの命令口調。

ムッとする気持は置いておく。

数回の呼び出し音で聞こえた「もしもし」の声

「あの・・・道明寺です・・・」

「この携帯やっぱり道明寺さんよね」

確かめる声は不安な色合い。

「さっきは主人が出て・・・ごめんなさい」

「・・・」

「・・・・・・」

阿賀野さんから返事がないまま10秒以上の重い沈黙。

これをどうとらえればいいのか・・・。

道明寺はあの道明寺ですと素直に認めて謝ろう。

「黙っていてごめんなさい」

携帯を耳に当てたままお辞儀をする私。

イラッとした司の顔が頭を上げた私の前に迫る。

「道明寺さんの旦那さんってヤクザなの!?」

「・・・へ?」

目の前の威圧的な負のオーラーはヤクザ以上の迫力がある。

それプラス整い過ぎた顔は冷たい表情も似合いすぎる。

「さっきの携帯から聞こえた声は脅されてるようで怖かったから、心臓が今でもバクバクしてるの」

「機嫌が悪かっただけで、ヤクザじゃありませんから!!」

「そう?」

「違いますから、本当ですよ」

「そうよね・・・」

「また明日連絡します」

言い訳も中途半端に焦ったまま携帯を切る。

英徳にヤクザの息子が通うって誰が考えるのよッ。

名門の御子息、ご令嬢が通う名門校がうたい文句だぞ。

「ヤクザって聞こえたぞ」

脅されてるのかってぶつぶつ言ってる。

司に脅されたって阿賀野さんは思ってるのッ!

「てめぇ…、いい度胸してるな。金輪際、俺様の許可無しに連絡するんじゃねえ!!」

あれは誰が聞いても立派な脅しだ。

金銭の要求はなくても生命の危険は感じる。

「何でもない」

司がヤクザって思われたなんて言えるわけがない。

火に油を注ぐのは目に見える。

これ以上司を不機嫌にさせる必要はない。

阿賀野さん・・・本当に納得してくれたのだろうか。

私に疲労感を感じさせる相手は司一人で十分過ぎる。

阿賀野さんって天然?

黙っていてごめんなさいって私は謝ったはずだ。

何を黙ってたって追求されたらどう答える。

そこはやっぱり素直に道明寺フォールディングス代表がヤクザに間違えた相手だと告白するべきか。

英徳に子どもが通ってれば、ばれるのは時間の問題だしね。

あっーーーー!!

どうするのよッ!

このまま布団を頭からかぶって寝たい心境。

ふて寝は・・・無理だよなぁ・・・。

「寝る!」

そのままベッドの上にダイブする様にうつぶせに身体を投げる。

その上に司が乗っかってきたのは言うまでもない。

つ・・つつ・・疲れる。

英徳で道明寺さんはヤクザ?みたいな質問を阿賀野さんがやったら・・・

どうなるのかなぁ~~~~~~

拍手コメント返礼

なおピン様

昨日はいい天気でしたが今日は雨です。

無事に試合は済みました。

お肌が心配(笑)

>しも司が電話に出たら・・・・・

本編とは違う着眼点ですが面白いですよね。

このコメントいただいたときにこっちの方が楽しそうとおもちゃいましたよ。

阿賀野さんのキャラがこれで決まりそうです。

>確かに、道明寺と聞いてもあの道明寺と思ってなかったら・・・・・

司の口調から想像するのは・・・・・

まさしくあっち系の方でしょう!

チンピラ?みたいに思われたら・・・。

ますますお話が広がってます。

どうしようーーーーーーーー。

ゆげ様

ヤクザの方がジェントルマンだって言われたら~。

でも確かに(爆)

>阿賀野さんや花沢類のように天然さんか、司のように俺様か、つくしちゃんの周りには、この2種類のカテゴリの人たちがたくさんいますね(笑)。

そしてつくしは治験医巻き込まれるのだ!

「主人」確かに最初は照れますよね。

私もなかなか言えないくて「旦那」って言っていた新婚の頃♪

つくしちゃんはどうなんでしょう~。

司は喜んでいそうですけどね。