FIGHT!! 番外編 (もしものお話 2)

すいません(^_^;)

本編を脱線したままです。

ふに***様のコメントをお借りして続きが出来上がりました

阿賀野さんの相談事よりカン違いの方が断然面白くなってきました。

そう思ってるのはわたしだけだといいんですけどね(笑)

*

結局・・・

なんだったのだろう・・・

阿賀野さんの用事って・・・。

そのことを四六時中考えるには忙しすぎる時間が私を謀殺してた。

司がヤクザに間違えられたのも、そんなに大したことじゃないはずだ。

司の不愉快さは別としてだけど。

自分がヤクザと思われたなんて考えが司にあるとは思えないしね。

それでも阿賀野さんと顔を合わせる機会が近くなると気になってきた。

すっきりしないまま出かけた英徳。

まあ、今日、阿賀野さんに会えばわかるかと楽天的な考えで門をくぐった。

カン違いが訂正されていればいいんだけど・・・。

天井を抜けるエントランス。

相変わらずの豪華な造り。

高級ホテルと言っても見劣りしない。

真正面には理事長じゃなくてF4の等身大の写真が見下ろす。

それもまだ10代の頃の奴。

理事長より権限アリか?

この写真の出迎えは身内としては恥ずかしい。

駿は「パパだッ」って喜んで「ママはいないの?」と子供らしい疑問。

「ママはこの時はいなかった」

今はまだ駿も納得する小さい嘘。

エントランスを抜ける一歩手前で数名のお母様方。

あっ・・・阿賀野さんもいた。

「道明寺様のご結婚相手はねぇ…」

私の事か?

懇親会で場を取り仕切っていた女性。

私に対する印象は最悪なはずだ。

「道明寺さんのお相手がどうかしました?」

率先して阿賀野さんが相槌を打つ。

釣竿に食いついた魚を逃がさないようにまるで周囲から手が伸びてきた感じに阿賀野さんは取り囲まれた。

噂話をするには絶好の相手だと思っているに違いない。

「あら、ご存じありませんの? 」

「道明寺様のお相手は、庶民というのもはばかられるほど貧しかったそうですのよ」

相変わらずの上から目線の物言い。

生れが自慢なだけの我儘なお嬢様に非難される筋合いはない。

貧乏でも幸せな家族愛だけは無限大だ。

「ええっ!道明寺さんのお相手ってそうなんですか!?」

「だからヤクザみたいに怖いのかしら?」

えっ・・・

ヤクザって・・・

阿賀野さんが思っている道明寺は司のこと?

他の奥さま連中の話題は間違いなく私なんだけど・・・。

かみ合っていないようでなんとなくかみ合ってないか?

「確かに手だけは早かったわね」

「あの二人は高校で知り合ったんですけどね。反抗的だったのは確か」

「道明寺様は生徒の前で殴られたこともありますもの」

「殴られたって・・・」

阿賀野さん!殴ったのは私で、私が殴られたわけじゃないから!

身体を割り込んで止めたい気分なのに足が動かない。

「それにお相手の親御さんもねぇ…」

「言ってはなんですけれど、お金目当てで道明寺様に自分の子を近づけさせたみたいで…」

「まあ…、お家が貧しいうえに親御さんがそれじゃ、グレるのも無理ないですね」

貧乏でもグレてないからッ!

どちらかといえばグレていたのは司の方で・・・。

この阿賀野さんの分析はカン違いながら当たっているのか?

「でも・・・もそれじゃ、道明寺さんの結婚ってボランティアみたいですね…」

「ボランティア…? フフッピッタリですわね」

阿賀野さんのボランティア発言には気をよくした笑みを漏らす奥様方。

「なかなかすごいことになっているね」

聞き覚えのある声に身体ごと向きを変えた。

花沢類・・・。

思わず目を覆いたくなる光景。

完璧に不機嫌なきつく眉を吊り上げた司。

その横で今にも突進しそうな司を両脇から「まあ、まあ」と抑え込んでいる西門さんと美作さん。

「なんでいるの!」

「駿の参観日だろうがぁ」

「こいつらも来るって金魚のフンみたいに付いてきたらこれだ」

別に・・・私はまだ何もやってないと・・・。

言いかけた私をキツメの視線が睨む。

「いつからいたの?」

「結婚云々のあたりからかな」

にっこりとほほ笑んだ花沢類が司の代わりに答えてくれた。

「あの女だろ、この前の携帯」

低めの冷たい声は耳もとに刺すように響く。

「威嚇しないでよね!!」

それでなくてもまだ誤解が解けてないみたいなんだから!

それに今日の会話で私と道明寺が入れ替わっちゃっているし・・・。

私がお金持ちで司が貧乏。

英徳でそう思われているなんてありえないつーの!!!

動揺する私を尻目にざわつきだすエントランス。

建物内の熱は数度上昇。

遠目から眺める視線は熱い。

軽く手をあげた西門さんに悲鳴に近い声が上がった。

人妻を魅了してどうするのッ!

F4登場の騒ぎに乗じて 貧乏を連発していた奥様方はそそくさと姿を消していた。

「道明寺さん」

私に気が付いて足早に阿賀野さんが駆け寄る。

阿賀野さん、この間は電話で失礼しました」

「道明寺さん、ごめんなさい!」

私にぺこりと頭を下げた阿賀野さんの真剣な瞳。

「へ・・・?」

謝られるようなことって何よ?

ギュッと肩を掴むように置かれた手のひら。

「旦那さんのこと、私誤解していて・・・」

「あ、いえ、わかってくれたならいいです」

あの奥さま連中の説明でヤクザじゃないって分かってくれたのだろうか?

それはどうゆう流れだ?

「今はもう更生しているのに、ヤクザなんて言っちゃって…」

「は?」

更生って・・・

司は今でもヤクザって思われているって・・・ことか・・・?

「でも道明寺さん、ご立派だわ! 身を呈して立ち直らせるなんて」

「いくら弁護士でもそうそうできることじゃありませんわ」

「あの・・・」

この前の夜より誤解が激しくなっている気がする・・・。

ドラマチックな感激な表情で阿賀野さんに見つめられた。

「いいんです。たとえ結婚の最初の動機がボランティアでも、貫けば本物になりますわ!」

わぁぁぁぁぁっ。

きっと今、阿賀野さんの頭の中では「愛と誠」「嵐が丘」的な物語が繰り広げられている様相だ。

「ボランティアって・・・」

阿賀野さんより今はまだ一言も発してない司が気になってしょうがない。

これを笑って聞き流す余裕はあると信じている。

それでも嵐の前の静けさだ。

「てめぇ…、誰がボランティアだ! 俺とつくしは相思相愛の大恋愛だ!!」

阿賀野さんから取り戻すように伸びてきた長い腕。

ぐるっと首を絞めて引き寄せられた。

相変わらずの乱暴さ。

息ができるほどの手加減はあり。

相思相愛って・・・。

ここで大を出して宣言するなッ!

それを振りほどく余裕は今はない。

「プックックックッ…」

小さく口をついた花沢類の笑い声はだんだんと大きくなる。

「ボランティア…。確かに…。」

西門さんは笑いを含みながらつぶやく。

「ああ…。牧野がいないと、多方面に支障がでるよな。司の破壊力は半端じゃねェし」

美作さんはそう言ってこらえていた笑い声を上げた。

「牧野・・・? 道明寺?司?」

目の前の4人をじっと見つめる阿賀野さん。

そしてその視線を壁にかかったF4の等身大写真に移す。

その下には英徳では当たり前の4人のプロフィール。

道明寺フォールディングス代表、花沢物産重役、美作産業社長、西門千家家元

華々しい履歴。

英徳に過大な貢献云々。

最初は小さくお声に出していた阿賀野さんも無言になった。

数度写真と、目の前の4人を見比べて浮かぶ驚愕の顔。

そっくりさんて・・・はずは、ないですよね・・・」

「そうです」と、ボケられたらこんな気まずい思いはしない

「道明寺さんて・・・」

「ごめんなさい!!!!」

叫び声に似た声を上げた阿賀野さんが両手で顔を覆って座り込んだ。

拍手コメント返礼

匿名様

このお話が落ち着かないと本編が進めないんですよね(^_^;)

なおピン様

ここでやっとです♪

ふつうありえないですよね。

ここまで気が付かないの(笑)

もっと面白い勘違いないかなぁ~

F4とつくしの関係を見てとか・・・。

ひつじ様

新しいキャラが確立された感じになりました♪

相談事は本編で♪

ri☆**様

今回はF4まで登場。

派手になってきました。

他の連載も頑張ります♪

ゆげ様

ボランティアって言われたら司じゃなくてもキレそうですが・・・。

普通は思っても言えませんよね(笑)

何でもありの登場人物を投入できるのは楽しくて♪

キャラが出来上がるまでは結構楽しめるんです。

子供はしっかりしてる?

案外駿君がほっとけないって思って仲良くなるってパターンもあり。

駿君は長男ですしね。

どっちで行きましょ?