秘書西田の坊ちゃん観察日記 40(ソラノカナタ番外編)

仕事にならない司を修正できるのはこの人しかいないでしょうね。

馬の鼻先につったはずのニンジンをゴール手前に延ばす手法?

それとも鼻先でぶらぶらさせて口には届かないジレンマ作戦?

どっちかなぁ~。

ソラノカナタ 47の番外編となります。

本日15時までにPW申請をされた方には返信終了してます。

ぼみ様メールがエラーで送れませんでした。

アドレスが間違ってなくてもyahooのアドレスだと時々あるんです。

ご連絡をお願いします。

*

「西田さん! 助けてください!」

「この、バカ! 私を会議に連れて行くつもりなんですから」

バカという単語をこの場合に使うのは、代表の威厳を床に投げ落とすのと一緒です。

私の部下も代表とつくし様のやり取りに慣れてきてるとはいっても絶句気味で私に視線を送ってます。

ギャーとかヤダとか、私を殺す気?

そしてその次がバカ!

手が出なかっただけでもましとする。

代表に向かって誰も発せない暴言。

つくし様にかかれば代表の冷やかな態度、冷静さ、威厳のあるはずの支配力は簡単に崩れ去る。

「凄いですね」

「あんな言葉を言われても代表が不機嫌にならない」

会社につくし様が現れるたび目撃する二人の関係。

目にする者は感嘆の声を上げる。

つくし様が秘書課で一目置かれる誘因の一つ。

代表の機嫌が悪そうな時の部下から私への確認事項

「つくし様は今日はお見えにならないんですか?」

第1項目に追加されている気がする今日この頃だ。

会議室で代表の右隣につくし様を座らせて気も漫ろな代表が目に浮かぶ。

誰だ?って視線を年上の男性陣から向けれて、つくし様が緊張しないはずはない。

この取り合わせは会議の話題を別なものにすり替えそうだ。

「俺の婚約者だ」

代表が満足そうに紹介するという予定のない行動をしそうな流れは根底にある。

来年の結婚の代表の予定は重役たちは知ってるが今は箝口令が引かれてる。

一大イベント公開までのセッティングは効果!収益!状況!を見極めてが大事なんです。

それでなくても現代のシンデレラという代表の結婚のスト―リー性は騒がれるには絶好のポイントなのです。

万人受けがいいに決まってる。

だからこそ売るポイントは大事なのですよ。

それよりも・・・

いつもより力の入った表情は見た目には完璧なクールさを漂わせてる。

ちょつとしたことを投入すれば目元から崩れることは明らかだ。

緩めのキャラに変貌の代表を会議であらわにするのはいささかなものかと・・・。

部下の報告を聞いて素早く検討、矛盾点にリスクを指摘する!

数字と根拠に裏付けされた事業の展望。

徹底的に、明確に場内一致の結論をスピーディに出す代表。

尊大な若き経営者!

ずば抜けた行動力!判断力!統率力 !

その部下の評価が崩れます。

今回はずいぶんつくし様には心痛な思いをさせましたからとそこは私も反省。

つくし様がそばにいるという距離感。

同じ建物にいるだけで十分だと思う私と、そばでの触れ合いが望みの代表。

今回はつくし様の希望も入れて接触は最低限が代表の能力を最大限に引き出すことができると結論。

「アル王子も会議に参加!つくし様にちょっかいを出す可能性あり」

このことを匂わせて代表はつくし様を置いて会議室と向かわれた。

「あっーいいです」

「やめてください」

戸惑いの声を発した部下がおろおろとした態度で私の視線を気にしてる。

何やらごそごそとデスクの上を片付けだしてる。

ごみ箱の口から溢れそうになったごみに気が付いたつくし様が、腰をかがめてそのごみ箱を持ちあげた。

「このゴミどこに捨てればいいんですか?」

「ブッ」

口にふくんでいたコーヒーカップの縁を噛みそうになった。

ごみの処理を尋ねられたのは努めてから初めてです。

「何かしてないと身が持たないんです」

うっすらと染まる目元が遠慮がちに小さく笑う。

「それに私ができることは掃除くらいしかないし・・・」

そう言って私を見つめる視線。

あなたにしかできないことがあるということにはいまだに自覚なし。

「大事な仕事はとってありますから」

重く閉じている自分の唇が軽く動くのもつくし様と一緒だと意外じゃない。

「こちらへ」

つくし様を空いているデスクの前に座らせた。

PCの電源を入れ立ちあげる。

「このIDをうち込めば、代表にメールを送れますよ」

「あっ!道明寺だ」

画面左上に会議の様子が小さく映し出されてる。

「思ったより真面目な顔してる」

私に言わせればふて腐れてるだけです。

「少し代表を和ませてくださいますか?」

「和ませてって?」

PC画面と私をきょとんとした表情が見比べてる。

「軽く短文のメールでも送ってもらえればいいのです。代表が気分が良くなる内容でお願いします」

「いいんですか?」

「どうぞ」

「それじゃッ」

カタカタとキーを打つ指先。

『さっきはごめん。

道明寺が終わるのをおとなしく待ってるから。

頑張ってね

牧野 つくし』

ENTERキーがカチャッと音をたてた。

見慣れないID、『さっきはごめん』の件名。

件名の一文でちらりとメールに落とした代表の視線が左右を気にするように動く。

斜めからのカメラのアングルは代表の横顔と指先がカタッとキーを1つ叩いたのが分かった。

代表の何気ない表情が一瞬で輝く。

この程度の文章でもつくし様からなら代表のテンションが上がることが証明できた。

『スキとか、愛しているとか 早く帰ってきて、会いたいとか書け』

ものの一分も待たずして返されてきた代表からのメール。

率直過ぎるというか、ひねりが・・・華がない。

つくし様に書けと言って素直に書けるタイプじゃないということは司様が一番知ってるはずです。

「見ないでください」

PCの画面を覆うつくし様の両手。

代表の直な言葉を素直に受け入れて嬉しがってる感情がつくし様の表情に読み取れた。

「申し訳ありません、見てしまいました」

「もうッ」

その声は私を責めてるのではなくて恥ずかしがってる声。

その初々しさが微笑ましい。

『そんなこと書けない。私用で使うわけにはいかないでしょう』

カタカタとカーソルが動いてアルファベットは日本語に変わる。

私用のメール以外は送る必要はないはずです。

『俺が許す』

『許さなくていい』

『普段言えないこともメールで書いてもいいぞ』

『書くことない』

『嘘つけッ』

『私は正直だもん』

メールより話した方が楽そうな短文。

誰も傍にいなくてもこの二人のメールの内容は今と大差ないだろう。

どう読んでも結婚まじかの恋人同士の甘さが足りない気がした。

少し手助けしたい気が小さく芽生える。

今の代表は会議の内容は上の空だろう。

道明寺とキーを打ってつくし様の指が止まった。

「あの・・・道明寺が怒ってもいいようなこと書いていいですか?」

それは困る。

「会議中なのに何してんだろ」

あのバカッって小さく声が漏れる。

「それでは私が」

「えっ?」

つくし様の肩越しに腕を伸ばしてカーソルを数面先に下げた。

ピンクの色文字で打つ 『好き』

「西田さん・・・それって、ダメッ!」

マウスをつくし様に奪われる前にカチャリと音をたてて送信。

「好きって・・・」

「愛してるの方が良かったですか?」

「それはもっとダメ」

真面目にそうつぶやくつくし様が私は好きです。

『俺の方が愛している』

フォントサイズが倍の文字。

緩みそうな顔を必死で崩さないように保ってる表情を映し出すライブカメラ

私以外には不機嫌に見えるその表情がクールに見えるのは整ってる顔立ちのおかげだ。

ここまで気分を持ち上げたら後は大丈夫でしょ。

猫とマタタビ

会議が終われば好物が待ってます。

ある程度は気分を落ち着けて仕事に戻っていただきたい。

カチャカチャと数字を打ち込んで拒否するのボタンをクリックした。

「あの・・・・拒否って・・・」

「あんまり坊ちゃんを喜ばすと仕事になりませんから」

「あの好きってメールを打ったのが、私じゃないって分かったらどうなります?」

つくし様は楽しげで悪戯っぽく目を細める。

「私も坊ちゃんは好きですから嘘じゃないですよ」

「西田さんって案外おちゃめなんですね」

クスッと笑みを浮かべたつくし様があのメールは私からだと言い出すことはないと思います。

数分の空白を置いて私のIDで代表にメールを送る。

『いい加減、会議に集中していただきたい。

代表からのIDはブロックさせていただきました』

数秒後、代表の目の前のペットボトルがデスクの上で跳ね上がったのが見えた。

拍手コメント返礼

なおピン様

おはようございます。

最後の言葉はどっち?

なんてふつう考えませんよね(笑)

西田さんだったら?

話が暴走してしまいました。

某所はそうなんですね。

中傷が多いということはそれだけ注目されてるってことでもありますからね。

興味がなかったら中傷もおきませんよ。

宮崎での嵐にしやがれ北島康介選手でしたよ。

いったい何週遅れだッ!

松潤まだ髪が長い・・・

短めの松潤が好きな私です。

ゆげ様

ご褒美の微調整に励む西田さん♪

見えてくる気がしませんか?(笑)

好きってメールが西田さんとつくしのちゃんの共同作業ってしったら・・・

ぶちきれる司?気が抜ける司?

どっちだろう♪

誰に怒りを向けることやら~。

案外陰で坊ちゃんにちょっかい出すのが西田さんの楽しみの一つになってたりして・・・。