ソラノカナタ 47

あと2,3話の50話程度で終わらせるつもりだったんです。

諦めました。

最終話まじかの発言は撤回しま~す♪ 

西田さん日記もUP中

*

「西田さん! 助けてください!」

「この、バカ! 私を会議に連れて行くつもりなんですから」

つかまれた手首を俺の手の中から抜き去ろうとグリグリと手首を回す抵抗を牧野は見せる。

俺をバカ呼ばわりするのは俺の婚約者。

品のいいやわらかいい色合いのスーツを着こんでいる華奢な姿には似合わない乱暴な言葉。

西田の部下が驚いた顔で牧野を凝視。

驚いた表情は牧野と俺を交互に見つめ続けている。

珍獣発見!

息をのむ目撃者達!

つーか、息をするのも忘れている表情が並んでいる

人間は驚愕過ぎると空気の流れも遮断するらしい。

今ここにいる連中は俺と牧野の関係を熟知している。

部下の前で「バカッ!」て、言われたのは初めてだ。

流石にあり得ないって、西田の表情を盗み見る秘書もいる。

西田の代わり映えしない表情を見ても何の感情も読み取ることはできないだろうけどな。

牧野は西田に懇願の表情を向けて俺にはきつめの視線を投げる。

ムッとする気分のままに牧野の掴んだ手首を自分の身体に引き寄せた。

「ずいぶんな扱いだな」

「ずいぶんな扱いしているのはそっちでしょ」

一歩も引かない強気な瞳。

「他のやつの前であんまり俺に抵抗するなよな」

「待っているって言った私を無理やり連れて行こうってするからで・・・しょ・・・う・・・ッ」

自分に集まる視線に気が付いた牧野の唇の動きは小さくなって静かになった。

「つくし様はこちらへ」

書類でも預かるような口調の西田。

牧野の味方みたいな余計な登場。

その西田にうるっとした視線を向ける牧野。

今にも西田の前に片膝ついて祈りだすんじゃねェかとおもえそうな牧野の表情。

頼るんなら俺だろうッ!

「会議を見せるのもいい経験になる」

負けずに強気で攻める。

「会議を早々に終わらせるには一緒にいる事より私とこちらでつくし様は待っている方が能率がいいかと思えます」

重役一同が集まるプロジェクト会議。

今回はアル王子の国の観光開発事業の参加決定の報告が一番の重要事項だ。

道明寺ホールディングスの代表の立場と能力と威厳すべてが発揮できる場所。

いつもとは違う俺を見て牧野が惚れ直すとか、あるんじゃねェ?

「すごい!さすが!かっこいい!」

「俺を誰だと思っている」

このくらいは言って抱きあうパターンがあってもいいと思う。

「そばに牧野がいる方が仕事が進むって言ったのは、西田!お前だ!」

「緩んだ表情のままの代表が現れたら重役たちの方が落ち着きませんよ」

「それにアル王子も会議にでられる予定ですから、つくし様に言い寄られるとか、変な条件を付けられないとは言い切れませんよ」

「アル?変な条件?」

「つくし様にご自分の国に招待したいとか言ってらっしゃいましたからね」

ピクリと思わずつり上げた眉。

「牧野、俺が戻ってくるまでこの部屋から一歩も出るな」

牧野の左右の上腕を両手でガシッと握りしめて吐き出す命令口調。

コクコクと牧野の顎が上下する。

西田に牧野を預けて俺はそのまま会議室へ向かった。

アル王子・・・・

来てねぇじゃねぇーかッ

「急きょ都合が悪いと連絡がありました」なんて何でもなかったように西田は報告するんだろうッ。

「代表も時々ありますよね」との嫌みも付け足してッ。

何気に眺めている会議デスクの上のPC画面。

いつもの習慣で動かした指はメールソフトを立ち上げた。

直通で送られてくる仕事がらみのメールがほとんどだ。

英語の綴りの件名の中に『さっきはごめん』の文字。

見慣れないID。

俺に直通のメールの相手からこんな件名のメールが送られてくることはゼロに近い。

もしかして?

牧野?

西田が俺へのメールアドレスを教えたとか?

まあ・・・待っているあいつは暇だろうし俺に謝るメールを送るなんてかわいいところがある。

西田にしては気が利いている♪

ルンとした感情はポンと受信のメールを開く。

『さっきはごめん。

道明寺が終わるのをおとなしく待ってるから。

頑張ってね

牧野 つくし』

これだけ?

最後にハートマークとか・・・

スキとか

すきとか

好きとか

ねーの?

つまんねェやつ。

『スキとか、愛しているとか 早く帰ってきて、会いたいとか書け』

身体をデスクと平行にしたまま左手でつく頬杖。

会議の流れを確認しながら右手の指はカタカタと動く。

『そんなこと書けない。私用で使うわけにはいかないでしょう』

一行のそっけない返信。

はじめからがちがちの私用じゃねェかッ。

『俺が許す』

『許さなくていい』

『普段言えないこともメールで書いてもいいぞ』

『書くことない』

「嘘つけッ』

「私は正直だもん』

だんだんと指の動きは早くなる。

長ったらしい説明と専門用語が飛びかう正面スクリーン。

PCの中は幼稚的な雑文。

『道明寺・・・・

                                                好き

カーソルを数面分スクロールして右の隅っこに書かれた文字。

ピンクの文字色

ニンマリと緩みそうになる唇を指の平で抑えている。

『俺の方が愛している』

フォントサイズを倍にして送信ボタンをクリック。

どんな返事が来るか楽しみでしょうがねェ。

・・・?

・・・・・・?

さっきまで数秒おきに来ていたメール。

返事が来ない。

牧野の奴どう返していいか悩んでいるとか?

照れる表情を西田に見られないように必死すぎてメールが送れないってこともあるかもっ。

『私の方が好き』

『ばかッ、俺だ』

なんてメールのやり取りは、きりがねェよな

もう一度俺から・・・

キーを叩いてじっと見つめるPC画面。

んっ?

このメールは送信拒否されています。

IDをお確かめ下さい。

何度試してもエラー表示。

なんだ?

なんで?

どうなっている?

さっきの甘すっぱい気分が苦くなる気分だ。

受信を知らせる点滅。

『いい加減、会議に集中していただきたい。

代表からのIDはブロックさせていただきました』

ドン!

目の前でデスクが大きな音をたてる。

「何か不都合でも・・・」

説明を続けていた部下がビビったままの表情で遠慮がちに呟いた。

「続けろ」

牧野の返事を確かめられない不機嫌さをそのまま冷たく部下に当ててしまっていた。

ゆげ様どうでしょう♪

社内メールをブロックされた司君♪

西田さん、遊び過ぎのような気がします。

司のメールの相手が西田さんだったってオチも面白そうだと考えながら書いて見ました。

拍手コメント返礼

ミン**様

メールって結構便利?(笑)

横からは見えないですもんね。

私も仕事場ではないですね。

その前に彼氏と同じ職場って経験がないな・・・。

ゆげ様

おかげさまで楽しいお話が出来上がりました♪

ルンな気持ちのままで西田さんもいさせて上がればいいのにと思いつつどうしてこう簡単に落とすのですよ。

司の気分変動を楽しんでるのはわたしだけじゃありませんよね?(笑)

この後はやっぱり西田さん日記で~

なおピン様

いつもメールではお世話になってます。

本当にアンチ的な書き込みを目にすると落ち込みますよね。

気分転換にってもらえるんなら更新する楽しみにもなります。

最近おバカな話ばかり書いてますけどね(^_^;)

相当遊んでます。こうなったのは私の性か・・・。

司に怒られる♪

「俺のイメージがどんどん崩れるじゃねーか」

「そんなもんでしょっ」

「そんなものです」

ここでも西田さんとつくしはタッグをくんだりして・・・

止めって~。

そんなつもりは~西田さんにはあるのかな?