ウエディングベルは二度鳴らす4
おはようございます。
なんとなくギャグ度が日に日に強くなってる気がするこのお話。
軽~読めるお暇な時のお供にしていただけたら嬉しいです。
「俺で遊び過ぎだろうが!
本当の俺はそんな間抜けじゃねぇーぞ」
「婚姻届提出してないで結婚してる気になってるのが間抜けじゃなくてなんて言うのか教えてほしいくらいだよね。
花沢類」
「なにが、ねぇ~だ。
類てめぇっもにこって牧野に笑いかけんじぇねェよ」
「司・・・まだ牧野って呼んでるの?」
「結婚したら牧野も道明寺でしょう?
あっ結婚してなかったんだけ。
牧野今からでも遅くないから花沢つくしになる気ない?」
「いい度胸だな。
どさくさに紛れてなにプロポーズしてんだよ」
「え?プロポーズ?」
「冗談でしょ。ヤダな、もう」
「牧野、俺、本気だから」
「類!てめー!ブッころす」
こんな一コマも笑えそう。
「これって・・・もうだめだよな」
自分がやったことにこれ以上後悔したことなんて記憶にない。
これで結婚できねぇ―――ッ
目を大きく見開いた牧野が俺を見つめる。
お前との事ダメにしたのが俺だってことが悔やまれる。
いや、きっと何かあるはずだ。
離婚してもまた結婚できるわけだし・・・って!
俺達はまだ結婚も離婚もしてねェだろうが!
「道明寺って・・・まさか・・・・本当に・・・ バカ?
今小さくバカって言ったか?
言ったよな?
絶対そう聞こえた。
「あのな、これ破いたら結婚は出来ないんだぞ」
「破く前に提出もしてないから」
「提出?」
「さっきからいってるでしょう役所に提出して受理されなきゃ結婚したことにはならないの」
「あっそうか」
苦笑いの俺に呆れた表情の牧野。
「仕事以外の司ってこんなに頼りなかったっけ?」
類に言われるとムカつく。
「こいつが、絡んでるときだけだからな」
「司、それって言い訳にもならないから」
言った自分がこっぱずかしくなった。
「ねぇ、花沢類」
甘えるような牧野の声。
「本当に花沢類が書いてくれるの?」
「俺が牧野の事で断ったことあると思う?」
なんだ?
なに見つめあってる!
その熱い感情の流れ込む距離感。
まだ結婚してないが結婚式を挙げた俺様を無視してないか?
「うれしい」
はにかんだ笑顔で牧野が類を見あげる視線。
「おい!お前が見ていい相手は俺だろうが、それに婚姻届にサインするの類じゃなくて俺!」
「えっ?花沢類にも書いてもらうよ」
「おい、冗談は顔だけにしろ!
結婚するのは類じゃなくて俺だぞ。
まさかここで類に乗り換えるつもりじゃねえだろうな」
「道明寺、折れちゃうよ」
悲鳴に近い牧野の声。
握った手首を絞り上げるように掴み過ぎていた。
骨を折るくらいで済むと思うな。
「司、カン違いするなよ。俺が書くのは証人のとこだから」
「証人?」
「証人を書く欄が二つあるの」
離した牧野の手首にはクッキリと残る俺の指の痕。
それを擦りながら牧野は頼りなく笑う。
「婚姻届もらってくるから、道明寺も誰に書いてもらうか考えておいてね」
「それじゃ後で」
「ああ、わかった」
クルッと方向転嫁した牧野が部屋をでて行く。
「牧野、俺も付き合うよ。司と違って俺は時間あるから」
類が牧野の後を追う。
「おい!それなら俺が行く」
開いたドアから牧野たちとすれ違って入ってきた西田。
「代表会議のお時間です」
タイミング良すぎで現れる奴。
「道明寺、直ぐもどるから」
そう言って牧野はパタンとドアを閉める。
「何かありましたか?」
「なんもねぇ」
なにかあったでしょうと分かってる顔で聞くんじゃねェよ。
横目でチラリと西田に視線を移す。
滅多に笑わない堅苦しい顔。
俺の周りで今一番婚姻届の証人に名前を連ねそうなヤッって・・・
西田しかいないのか?
書かせたくねぇッ。
拍手コメント返礼
うさこ 様
司君!
類とつくしを一緒に行かせちゃったりしていいのか!
そんな後悔するトラブルが起こっちゃうかもよ♪
直ぐには帰らない方がおもしろいですよね。
寄り道の一票確かに受け取りました。
絵梨 様
司君そろそろ落ち着こうよ。
そう言いたくなる我が家の司君。
ドタバタなお話にするとこうなるのよね。(笑)
花沢類がからかって、つくしちゃんが真っ赤になる大好物な場面たくさんお届けできたらいいな。
still・・・ 様
婚姻届を見せられた西田さんの反応が気になるところです。
呆れるのか笑うのかどっちだろう?
なる様
類と西田さんでいいじゃないの~
間違いなく二人の幸せを心から喜んでくれる二人なのにねえ。
司がおもしろくないのは分りますけどね。
会議も上の空になりそうな司君を見て西田さん知らない振りできるのでしょうか?