Perfect dungeon 36

ただいまPerfect dungeon 祭り 開催中。

ここ数日Perfect dungeon にどっぷり浸かり気味の管理人です。

最終話まで一気にいきたい。(気が変わらなければ)

甘々になるのか!

ヘビの生ころがしが待ってるのか!

どっちだ!

それは投票で決定!というのは冗談です。

*

抱きしめられた胸の中で道明寺の心音だけが耳元に響く。

強く抱きしめられるたびに早くなる心臓の音。

それは私の心音と道明寺の心音と重なってどちらの音なのかわからなくなった。

本当に心配したんだから。

騙されたって怒っていたはずの感情よりも、苦しかった時の想いと哀しみが心の中を覆い尽くす。

道明寺の温もりと心臓の音に包まれて感じる安堵感。

私って何時からこんなに弱くなったのだろう。

道明寺がいないことがどれだけ私を不安にさせるのか、思い知らされた日々。

もう二度と嫌だからね。

道明寺の熱が体中の細胞を覚醒させてそのすべてで道明寺を感じていたいって思う。

もう二度とこんな思いは嫌だからね。

私を離すな。

そんな思いのままに道明寺の胸にしがみつく。

「自分の子供を牧野が妊娠したって思わなかったってことは・・・」

「お前たちってまだだったんだ・・・」

「牧野の妊娠をよく信じたよな」

聞き慣れた3人の声に耳がピクつく。

そうよ、普通なら嘘だって気が付くでしょう。

誰の子供だって疑ったのか、まだ聞いてない!

それより・・・気になるのは・・・

私たちの関係が高校の頃と変わってないっことをこの人たちにばれてしまった事。

別に恥じることじゃないけど、愉しくからかわれるネタを西門さんと美作さんに提供してないか?

道明寺から逃れるべきか・・・

このまま真っ赤になりそうな顔を隠しておくべきなのか・・・

頭の中に優柔不断な私がいる。

「だったら文句あるのか」

悩みこむ私の頭の上で道明寺のブリザード級の威圧的な声が響く。

私の知ってる道明寺だ~♪

いつもなら周りに気を使う道明寺の不機嫌な声に喜んでしまうって、私はどれだけ道明寺を恋しがっていたんだろう。

穏やかな優しく私を包む声よりも冷ややかな冷酷さを響かせる声の方が今は道明寺らしさを感じてホッとする。

「ジェットを爆発させて消息不明になるウソよりは許せるよね」

「司を許すにはまだ早いんじゃないかな」

道明寺の後ろから聞こえた花沢類の穏やかな声。

そうだ、私のウソは自分が付いたわけじゃない。

お母様に言われたのが発端で敵の反応を見たいと言われたら私に拒否権はなかった。

道明寺の場合はジェットに乗り込む前に私に告げるべき時間はたくさんあったはずだ。

渡された指輪で感動した自分が道化師になった気分に今なら思える。

そうか!

ここで簡単に許すべきじゃない!

道明寺から離れかけた瞬間に動くなとでも言う様に強引に頭の鉄てっぺんを道明寺の手のひらがガシッと抑え込んだ。

ここで抵抗すると鞭打ちになりかねない抑え込みに大人しくするしかなさそう。

「牧野、このままの状態だと会議室でテーブルの上に押し倒されかねないぞ」

「初めての経験が会社の会議室ってかわいそうだ」

えっ・・・?

べつな方向から呼びかけてきた西門さんと美作さんの声。

道明寺の心拍数が正常値より速さを増してるのは分る。

道明寺にしがみついた格好の私の胸は道明寺の胸板と密着してふくらみの形を変えてる。

きっと・・・

道明寺は分ってるはずで・・・

なんとなく下腹部が気になって視線を落とした。

ギャッ!!

いつもとは違う感触に叫び声を上げそうになるのをぐっとこらえる。

「離せ!」悲鳴の代わりに道明寺を睨み付けた。

まさかあの二人が言ったようなことにはならないだろうけど、道明寺の男の部分が見えて焦ってる。

「離してっていってるのッ!」

道明寺の力は全然緩まなくて、抗えば抗うほど身体の接触が密になる感じがした。

下腹部に感じる硬さが困るのは私より道明寺じゃないのか?

道明寺に気遣って身体に力を入れる。

身体が擦れる感じで上下左右に動く。

道明寺が身体をわずかに引いた気がした。

何時までこの体勢なんだろう。

恥ずかしさが私の熱を上げそうだ。

「俺以外とそんなこと出来なんだよな?」

勝ち誇った顔が私を見下ろす。

「えっ?」

「そんなことの意味を教えてくれたら離してやるよ」

あっ・・・。

ますます気になる道明寺のこわばり。

リアルすぎる想像をさせないでよッ。

「やっぱり、ここで押倒す気だ」

「俺ら邪魔かな?」

「帰るか?」

「最小限下着を取るだけにしとけよ」

「誰か入ってきたらすぐに止められるから」

「この会議室にカギはついてるか?」

パニックになりそうな私はみんなの言ってる意味も耳を素通りして理解できないでいる。

この人達何を言ってるんだ?

「牧野が嫌がることは司はしないと思うけどね」

花沢類の声をようやく耳が捉えて思考が元に戻った。

「嫌だからね」

「こんなとこじゃッ」

キャーーーッ

私は何を言いだしてんの!

ここじゃなきゃいいって許可してどうする。

道明寺が完璧に誤解した熱を帯びた視線で見つめてるしッ!

「こいつらの言うこと信じるな、こんなところでお前を抱くつもりがあるわけねぇだろう!」

だから!

今はここでもどこでもヤダってッ。

道明寺が3人を指さして私から力が抜けたすきに逃れて身体を離す。

「今日は、司も牧野も大胆だな」

「久し振りの再会にしては色気ねェよな」

「司と、牧野だからこんなもんでしょ」

もうどうでもよくなってきたF3の声。

この3人より道明寺から離れることが先決。

どうやってこのビルから出る?

F3について逃げる。

道明寺に阻止されるよね。

「てめっ!何考えてる!」

久し振りに頭に浮かぶ道明寺の魔王の形相。

逃れるすべは無そうで強張る。

「なにを騒いでるんですか?」

開いた扉から後光が射したように見えたお母様と西田さんの登場に未来が見えた気がした。

この二人について脱出なら可能な気がする。

「やぁ!、アルフ」

二人の後について現れたのは某国中近東の王子マルク王子。

この人の弟に化けるから話がややこしくなった。

誰が本物の王子が手を貸して弟に成りすませるって思うだろうか。

道明寺の力の凄さは想像以上ってこと?

これからは何でも疑ってみる変な癖がつきそうだ。

1国の大統領を仲間に入れるってことも簡単にできそうだもの。

「へっ?」

道明寺が間の抜けた表情に変わった。

「ヘラに何も言わずに司がいなくなったら悲しむからなぁ」

ヘラって・・・確か、マルク王子の妹。

パーティの席で変装中の道明寺に腕をまわしていた綺麗な人。

私が道明寺がいなくてさびしい思いをしていた時に道明寺はなにやっていたんだ!

何も言わずに道明寺がいなくなったら悲しむってどんな関係だっ!

絶対!!口を利くもんか!

その後、仕事の話だとかで会議室から連れ出される道明寺。

両脇を抱えられてズルズルと引き出される哀れな状況の道明寺を見てもムカついてしょうがない。

なにも話せないままに道明寺の姿が消えて会議室の扉が閉まった。

後に残ったのは私と西田さんだけという淋しい状況。

「つくし様」

はじめに言葉を発したのは西田さん。

「ヘラ王女と結婚して義弟になった訳じゃないですから心配はいりません」

西田さんの言おうとしてることが分からずキョトンとしてしまった。

「坊ちゃんは予想外の妄想を働かせるかたですから、坊ちゃんの思考回路でいけばつくし様がヘラ王女と司様の関係を疑ってもおかしくないと・・・」

言葉を切って西田さんが私の顔を覗きこむ素振りを見せる。

マルク王子の弟に扮したからって、そこまで発想できる能力は持ち合わせてない。

「坊ちゃんが牧野にカン違いさせてないかと焦りまくってる気がしてしょうがないのです」

まともな表情の西田さんが冗談を言ってるように聞こえて笑みがこぼれる。

「それは考えてませんけどムカついてはいます」

なんとなく素直な態度が自然と言葉にでる。

ムッとした表情はすぐに緩んで笑ってるのが自分でもわかる。

「司様は今回の妊娠のことは、自分が姿を隠したせいで、つくし様が襲われて望まぬ妊娠をしてしまったとご心痛でした」

その発想で道明寺は沈痛な表情で父親になるって私に言った訳?

自分が父親じゃないのは明白で、F3の父親じゃないって思えば相手は誰ってことになる。

妊娠がウソとか思う発想はないのか!

父親になるって言いだすまでどれほどの葛藤が道明寺にはあったのだろう。

バカみたい。

胸の中で呟く想いは熱くて泣きそうになる。

「つくし様が自分を裏切るわけはないと信じてらっしゃいますから」

西田さんの言葉に道明寺を想う気持ちがあふれていて温かい空気が私を包む。

「坊ちゃんに弁解の機会を与えてもらうわけにはいきませんか?」

拒否できるわけなく西田さんに首を縦にコクリと振った。

西田さんがカッコ良すぎな気もするんですが、しっかりとアメ?特上のケーキを用意できるのは流石手腕の秘書♪

司君頑張れ!と応援隊のプチッよろしくお願いします

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拍手コメント返礼

いの様

虐めてるようでしっかり坊ちゃんの飴を用意する西田さん♪

この後うまくやるかどうかは坊ちゃん次第ですなんて傍観してるんでしょうね。

うまくいった時の対応とうまくいかなかった時の対応もしっかり用意されてたりして~。

あずきまめ 様

甘く~なりかけたところでF3からの言葉を聞けば、つくしちゃんの場合完全に舞い上がりそうですよね。

ストップかけて逃げ出しそうな展開♪

こんな時の西門、美作ペアは最強だと思います。

この後のミニドラマもちょっと考え中。

お話が終了後に番外編の用意をしてます。

まめすけ様

本当ならもっと早くヘラ降臨でバタバタさせたかったんですが、早く二人を会わせて~の後押しが強くて簡単にがしたんですよね。

ゼウスの奥さんの怖いイメージ全くなしです。(^_^;)

大胆発言に気がつく様に持って行ったのはだぁれ~。

遊ばれてるんですよね。司とつくし♪

西田さんのフォローをしっかり受け止めてアタックが打てればいいんですけど、空振りする可能性もありますから~。← (まだ、決めかねてる私♪)

ともみん様

甘々希望と・・・( ..)φメモメモ。

キャッ♪

書きたいけど週末に突入なんですよね。

来週に持越し決定です。