不機嫌なFACE 15
追い出された加川さんはどうしてるのでしょう・・・
もっと加川さんにはハチャメチャなことをまだやって欲しいんですよね(笑)
昨日はたくさんのPW申請メールをいただきました。
本朝8時までの申請には全て返信は終了してます。
届いてない方は再度ご連絡をお願いします。
ブロとも申請に関しましては年齢が確認できな方は拒否させていただいてます。
年齢が18歳以上だと推察できるコメントおよびブログでのプロフィールに記載があると承認しやすいのでご確認の上で再度のブロトモ申請をお願いします。
*「なんでこうなったんだろう・・・」
「愛しい旦那様が恋しくなって会いに来たんじゃねェの」
エレベーターの奥の壁に背中をもたれかけたまま私を見下ろす司の目は密かに笑ってる。
普段は冷酷にも見えるクールな瞳。
キリッとした眉にスッーと通った鼻筋。
文句なしのイケメンで社会的地位も収入も何もかも人がうらやむほど持っている。
問題はこの性格だ!
私が司の電波を使ってまき散らしたフェロモンにムカついて、勢いで執務室まで来たことってすっかり忘れ去られてないか?
預けたはずの子供たちは司の腕を経由してお母様に渡ってる。
私たちが気にする必要もなくしっかり子供たちの面倒は見てくれてるはずだ。
私たちの目の前で防御する壁を作ってるダークスーツの背中。
肩がわずかに震えてるのが分かる。
今日は私たちと歳も近い相葉さんと千葉さんが護衛の担当らしい。
見てません!聞いてません!って気を利かせてくれる態度をとられて気にならないって態度がとれる図太い神経は持ち合わせてない。
穴があったら入りたい。
いつもそんな気分にさせられる。
他人の視線に見られてることに慣れている司と一緒の対応ができるわけがない。
恋しくなって会いに来たなんて台詞を人前でよく言えるよ。
そんなことは思ってもいない!
否定しても司の耳にいまさら届くことはないと分かっている。
自信満々の顔はそのまま柔らかい笑みを浮かべて熱く私を見つめている。
エレベータを降りたら、仲がいいとこ見せないとな、なんていつもよりすり寄ってきそうな雰囲気が満々だ。
まだ加川さんが噂をバラマイテルなんて確証はないんだ・・か・・・ら・・・。
相葉さんと千葉君が先に降りて明るく開けた視界。
さっとまわりに走らせる視線。
すぐには私たちには近寄れないという雰囲気に警戒している。
こんな時の真剣な態度と緊張感は数段2人の男っぷりを上げていると思う。
そんな気持ちもすぐにぶっ飛んだ。
目撃した光景にいつもの倍は開いた瞼。そして二度見。
エレベーターが開いたその先でモップの棒の先端に両手を置いてその上に顎を乗せてる加川さんが見えた。
その加川さんのお相手はうちの所長だよーーーーー。
「あーーーつくしちゃん、よかったよ」
「今ね、あんたのところの所長さんに会ったから大体のことは私から話したから」
話したって・・・。
数歩歩いたところでこの人たちを無視するなんて出来るわけもなくにこやかに私に近づいた加川さんはじろりと司を睨んでいた。
加川さんのおしゃべりな声は本人が思っているより遥かに大きく響き渡る。
天井の高いエントランス。
遮断する壁もほとんどなくて拡声器を使用してるのと変わらない効果の声で一気にしゃべられたら・・・
状況は最悪だ。
足を止めてこちらに視線を向ける社員と目があった。
慌てたようにそれる視線。
加川さんの声は所長以外にも絶対届いている。
「代表夫妻離婚するらしいわよ」
「えっ!嘘!」
「でもあそこに仲良さげだけど」
こそこそと聞こえていた声。
「べたつく必要ありだろ?」
腰に伸びてきた腕。
ゆっくりと私を引き寄せて耳もとに寄せられた唇。
「キャーーーッ」
どこからか聞こえてきた黄色い声。
司が動くたびにその声は増えている。
視線を惹きつける艶。
普段ならすぐに司を引きはがしにかかるのに離婚の危機に踊らされている私。
「CMと一緒だ~」
見とれてるぽわっ~となった声まで聞こえてきた。
離婚の話題からフェロモンただ漏れの状況を目撃の話題にすり替わった気がしてた。
喜んでいいのだろうか?
「個人的なことをこんなところで話したら問題ですよ」
「私はただつくしちゃん困ってた様だから」
困ってません!
所長の前でぶるぶると嘘ですと首を左右に振って否定する。
「夫婦のことは夫婦でってことが原則だと思いますけど」
「この二人は結構激しい喧嘩してますからほっといても大丈夫でしょ」
所長の声にコクコクとうなずずいてた千葉さんは笑をこらえる表情になって、私から顔をそむけてる。
爆笑に近いって隠してもわかるツーの。
「プッー」
相葉さんは遠慮なく吹きだしてる。
所長の私たち夫婦に関する印象って・・・
これでいいのか?
「どうしたら、こんな話になってるのか坊ちゃんに聞く必要があるのかしら?」
「そんな心配はない。思い込みが激しいのには迷惑してる」
司を子供のころから知っている岬所長は遠慮なく司に対応できる数少ない人材だ。
坊ちゃんて言葉に少し照れくささが司にみえる。
どっちが思い込みが激しいのか。
自分に都合のいい解釈が得意なのは司も加川さんも一緒の様な気がした。
どっちにしても私を悩ませているのは変わりがない。
司の場合は心労よりも体力勝負の気がする。
「心配してもらってすいませんが私たちはすこぶる仲がいいですから」
大げさに司の腰に腕を回す私。
「おっ」
私の勢いに少し押された様に司の足がわずかに立ち位置を変える。
私の渾身の行動にもまだ少し疑いの目を向ける加川さん。
私は事務所に戻るからと何事もなかった様に岬所長は颯爽と去っていく。
事務所に戻った所長と玲子さんと甲斐さんの3人の議題が『どうして離婚の危機説が浮上したか』ってことになってなきゃいいけど。
楽しまれる気がしてきている。
「夫婦って色々な苦難があって続いていくものだからねェ」
「気に食わないとか、キライだとか、嫌だとか、思っても頑張るんだよ」
ギュッと加川さんから手を握りしめられた。
私の頭上からは冷ややかな視線が突き刺さる。
今の生活は気に入ってるし、司が嫌いなわけないし・・・
嫌だと思うところはあるかなぁ・・ ハハハハ・・・ハァ・・・
「なにか、あったら相談にのるから」
「仕事に戻らないと辞めさせられたら困るから」
大胆に笑い声をあげて台風は去って行った。
司が気に食わなかったら一発で辞めさせられるって感覚が加川さんにないのは不思議だ。
仕事をサボるより重大だとほかの社員ならわかってると思うんだけど。
加川さんって大物?
「気に食わないとか、キライとか、嫌だとか言わねェよな」
右肩に回された力強い腕。
腰をかがめて私の高さに合わせるように司の顔が横に並ぶ。
わずかに触れ合う頬。
首を右に傾けて左頬に柔らかい唇の感触を押し付けられた。
え?
ちょっ・・・。
もうべたつく必要はないって言いたい声はその唇に飲み込まれていた。
何処かで「キャーッ」て声が聞こえてくる。
こんなとこで!
大衆の面前!
離婚の話は消失して代表夫妻エントランスで熱いキスに塗り替えられたッ。
離婚の噂の方が恥ずかしさはない!
離してーーーーーッ。
「サービスだ」
もたつく私を楽しんでる司の涼しい顔が見えた。
誰にサービスだ!
バカッ!
拍手コメント返礼
yu****様
じめじめした梅雨は明るい話で♪
ブログの文字は変更してないんです。
PCの設定で文字は数倍の大きさまで変えられますよ。
Internet Explorerを使用の場合はインターネットを開いて左上の『表示』をクリック。
文字のサイズのところを選択すると5種類ほどの文字の大きさが選べます。
また拡大というところで倍率を選択するとブログの表示自体が大きくなります。
なおピン様
ここでのSP君たちも成長してるはずなんです。
相葉君と千葉君は結婚してるのか独身なのか?
なんてことも考えてる私です。
この二人の存在も捨てがたくなって今回登場させてみました。