FIGHT!! 35

FIGHT!! 続けてUPさせてもらいました。

最近なんとなくオリキャラ阿賀野さんの人物像をあれこれと模索中。

新しいキャラ像で楽しんでもらえたらと思っております。

PW申請のご連絡。

本日8時までの申請された方は返信終了してます。

数名エラーで返信できなかった方がいらっしゃいます。

メールアドレスの確認とPCメール受信拒否の確認の上サイドのご連絡をお願いします。

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阿賀野さんがいなくなって空いた私の真正面の席。

威圧的な風を背負ったままの司がそのまま席に腰を下ろす。

「帰らないの・・・?」

遠慮がちに口を開く私。

「それじゃ私は、代表ごちそう様です」

にっこりとほほ笑んで玲子さんは軽く司に頭を下げる。

「ごゆっくり」と、私の顔の横で小さく呟いた玲子さん。

この後、2人のじゃれあいには付きあえないって感情が玲子さんから読み取れる。

玲子さんご夫婦も私たちには負けてません!

言えれば楽だ。

甲斐さんって玲子さんに反論した姿を見たことがない。

尻に敷かれてるもんなぁ~。

玲子さんに言わせればあれ以上代表を飼いならせるのはつくしちゃんしかいないって評価?さてる。

旦那様の操縦は玲子さんに負けてるって思うのですけど・・・。

「後で話は聞くわ」って、気楽に玲子さんから返事された。

何もしゃべりません!

中を向けたまま上げた手が軽く左右に振られるのが見えた。

玲子さんって聞き上手だから結局しゃべらせられるんだよなぁ。

すでに喋らないと決心した気持ちは揺らいでる。

はぁ・・・。

「なんで貧乏って思われるんだ?」

司の疑問はもっともで阿賀野さんの思考回路が少し違っていた。

赤い導線が途中で青い導線とつながってるような思考の流れ。

正確な答えにつながるのはその導線をつなぎ直す必要がある。

それが思ったより難しい。

「正直に言えば私と道明寺財閥がつながってないみたいなんだよね」

目の前に伸びてきた手は私の飲みかけのジュースのグラスを掴んで一気に液体を司の喉に流し込む。

司の苛立ちを表す様にカランと氷が音をたてて元の位置にグラスが戻された。

要点を言えって氷まで催促してる。

「つまり英徳では当たり前の私のプロフィールを阿賀野さんが知らなかったからややこしいのよね」

「それにさ実際に司を知らないんじゃ、話は進まないよね。ははは」

もう・・・笑うしかない。

日本でも外国でも知名度はあるはずの道明寺が認識されないんじゃ、私が道明寺と名乗っても阿賀野さんには珍しい名字ぐらいの認識しかなくても仕方ないって思える。

ハリウッドスターでもそのすべてを皆が分かってるわけじゃないのだからそれはそれであり得ることだって思えるけど・・

「それでモデルか」

初対面の時に私は確かに会社経営って説明はしたはずだけどそのことは阿賀野さんは覚えてない感じがある。

いや、絶対耳の穴を通り抜けている。

この格好の司を見たら経営者というより親の脛をかじってる坊ちゃんの雰囲気の方が合う。

朝のスーツ姿ならモデルに間違えられることはなかったはずだ。

司の場合は着るものは関係ないか・・・。

そこにいるだけ輝くオーラ。

一般人とは確かに違うものがある。

「あの・・・御代わりはいりませんか?」

柱の陰で誰か行くか競い合っていたウェトレスの女の子がやってきた。

その後ろ隠れてもう一人。

まだ注文も司は頼んでないのに御代わりって・・・

早すぎだ。

必要ないと声には出さずに片手を2、3度振る動作を司が見せる。

相変わらずの横柄さ。

それでも「キャー」って、喜んでる見慣れた反応。

きっとこの女の子たちは道明寺司を認識してる。

これが普通なのよね。

「だからってこんなカン違いされるって有りか?」

「普通英徳に通えばそれなりの地位と資産はもってるって思うだろう。奨学金で通っていたお前は別だけどな」

「身分不相応だったって今でも思う」

そんな感想は聞いてねェってきつい視線に思わずピンと背を伸ばす。

「始まりはスーパーの買い物だった気がする・・・」

「この前の参観日の時、トイレットペーパーを脇に抱え込んでいたやつか?」

思い出したように司がつぶやく。

「特価とかつめ放題とか本当に好きだよな」

司もずいぶん詳しくなってる。

「無駄にお金を使わないってだけでしょうッ」

「億単位を動かす俺に1円安い物を必死に探す感覚は分からねェよ」

「1円を笑うものは1円に泣くの!」

「泣かねえよ」

金銭感覚は未だに平行線のままだ。

「英徳に通っていれば自然と私たちの事は分かってくると思うけど」

ジロリ!

効果音付きで司に鋭い視線を向けられた。

「数千円のここの支払いを心配されるようなカン違いをされて、黙ってられるようなプライドはもってねえよ」

目の前に伸びてきた腕を私の手首を掴んで引き寄せる。

「来い!」

勢いよく立ち上がった司に無理やり引っ張られて腰を浮かせる私。

「来いってッ!?」

嫌な予感。

「間違いは正す為にある」

司にしては珍しくまともな返答だ。

「追いかけるぞ」

追いかけるって阿賀野さん?、

正すって・・・間違いを軽く正すだけで済めばいいけど・・・

司の場合は問いただす『糾す』になる危険性がありそうな気がした。

レジに向かって歩く司はレジの横に伝票と1万円札を財布から出しておく。

「釣りはいらない」

・・・。

言うと思った。

拍手コメント返礼

b-moka様

そちらは台風は大丈夫でした?

司は動かない方がいいんじゃない?

というのが私の本音です。

ならなぜ動かす!

だって面白そうなんですもの♪

なおピン様

「見栄は要りませんわよ」なんて言われてもピンとこないでしょうね。

>司のイケメンぶりにもあまり惑わされてないようなところも凄い!!普通、イチコロで堕ちちゃうはずなんだけど・・・阿賀野さんて・・・面食いではない?!う~ん、天然さと不思議ちゃんさとを兼ね備えた方?

阿賀野さんは実は旦那様にべたぼれで世界で一番主人がかっこいいと惚れこんでる設定になっております。

人の好さ丸出しに温厚な中肉中背のご主人を想定中です。

きらきら☆様

おつりをネコババよりも一万円札を交換して道明寺司の財布から出てきたお札ってご利益ありそうじゃないですか?

私はお守りにしときます。