FIGHT!! 34

司登場で間が空くのはつらいだろうと2日連続でUPします♪

どうなるのかな~

続きをどうぞ♪

*

「お疲れ様です」

玲子さんは司の威圧感にも動じないいつもの顔でにっこりとほほ笑んだ。

司・・・

朝と服が違うんだけど・・・

アルマーニのスーツじゃない。

ワインカラーのフェイクレイヤードボーダー柄カットソーに明るい色合いのジャケット。

下はブーツカットデニム。

カジュアルなメンズ雑誌から抜け出たモデルみたいに決まってる。

一流企業の社長というよりは若い女の子の視線を集めそうな20代の男性。

奥さんと3人の子持ちとは思えない身軽さ。

生活感はまるきり感じさせない装い。

左手の薬指から外された結婚指輪のその代りに人差し指にはまるシルバーのファッションリング。

「道明寺さんのご主人て・・・モデル?」

小さくつぶやく声に玲子さんがマジって表情で私を見つめてる。

司は何を言われてるかわかってない様子。

「俺にモデルって面と向かって言うやつは珍しい」

司は冗談めいた褒め言葉と受け取ってる節がある。

テレビにも雑誌にも芸能人並みの扱いで全国区で顔も売れてる企業TOP。

実物を見ても気が付かないなんてあり?

阿賀野さんは外国生活が長かったっていうからその影響?

英徳で道明寺と言えば道明寺で・・・

道明寺フォールディングス本社ビル周辺で、道明寺 司を知らない人間に出会うなんて砂漠でダイヤを探すより難しいと誰もが思うはずで・・・。

砂漠の中のダイヤ的存在が目の前に一人いた。

「その服、朝と違うけど、どうしたの?」

「さっきまで雑誌の撮影だったんだよ。予定より早く済んだから珍しく暇なんだ」

「着替える時間ももったいなくてお前に会いたくて飛んで来たってわけだ」

ストレート過ぎる司の感情はうれしさよりどうしようもなく恥ずかしい。

目の前の阿賀野さんは表情を変えることなく私たちを見つめてる。

ここまでの会話って・・・

阿賀野さんのモデル発言を肯定してないか?

「西田が珍しくこの後のスケジュールはなしだって気を利かせてくれた」

だから一緒に帰るぞって、私の都合はどうでもいいらしい。

この時間に帰れれば滅多にパパと会えない駿は大喜びだろうけどね。

これまでも司が私の事務所に顔を出せば否応なしに連れ去られることになる。

事務所の同僚も慣れていて、「どうぞ」ってにこやかに送り出される私。

「これ以上睨まれたら困る」って、本気度120%で私を差し出すのは玲子さんの旦那様の甲斐さんだ。

今は玲子さんがそばにいるし、後は大丈夫だからってきっと言われるはず。

「つくしちゃんは代表に連れ去られました」って、報告が玲子さんから所長に伝えられるのは明白だ。

会社経営者の力をこんなところで発揮してほしくないつーの。

「西田さんて・・・マネージャー?」

司だけでなく阿賀野さんは西田さんも誤解してるッ!

話の内容を聞けば西田さんをマネジャーとカン違いしてもしかたないとは思える。

「マネージャーじゃありません」

まじめすぎる顔が頭に浮かぶ。

この流れで司は道明寺フォールディングス代表の座からますます遠くに離れてしまった。

「どこかで・・・・ご主人見たことが・・・」

おっ!やっと思い出したか!

ここで後は司に名刺でも渡してもらえば阿賀野さんの誤解は解けるはず。

期待感は思ったより私をドキドキさせている。

「思い出したわ!ご主人・・・」

そう!司は貧乏でもDVでもモデルでもない!

「駿君にそっくりなんだ」

阿賀野さんの嬉しげな声に一気に全身の力が抜けた。

確かに駿は司の遺伝子以外受け継いでないようなミニチュアで・・・

性格までは遺伝させないぞって密かに子育てには気を遣ってる。

おかげで他人に気遣いのある素直な子供に育ってきたと私はホッとしている。

ここは一気に告白して阿賀野さんの誤解を解くしかないようだ。

「違います!」

言いかけた私を遮る様に胸元に伸びた司の腕。

司から説明をしてくれた方が確かにこれ以上ごちゃごちゃしないような気がした。

「駿に似てるんじゃなくて、駿が俺に似てるんだ」

・・・。

キョドとこわばった頬がそのまま呆れた感情を貼り付けたのが自分でもわかる。

なに言ってんのよーーーーーッ!

そんなこと真顔で訂正することじゃない!

違うと私が説明したいのは司と駿が似てるかどうかじゃない。

道明寺司=道明寺フォールディングス代表が同一人物で私の旦那様って説明だ!

内容もまるっきり違うッ!

「そうですね」

阿賀野さんは司の気力に押されるように返事をした。

「つくし、もしかしてこの前の夜、相談あるって携帯に電話してきたのって?」

こいつかって見下した視線を司が浮かべる。

「そうだけど、阿賀野さんって言って駿と息子さんが一緒なの」

これ以上傲慢な態度を阿賀野さんに見せたら困ると目で司に訴える。

心配するなみたいに司の手のひらがクシャッと私の後頭部に置かれてる。

「ご主人て面白い方ね」

阿賀野さんはクスッと口元に笑みを浮かべて司の態度には気にも留めてない様子だ。

「私の事はまた後で相談させてください」

優雅に席を立った阿賀野さんの右手に握られてる伝票。

「あっ、払います」

「ここは私が」

すっと上から伸びてきた指先は阿賀野さんから伝票をさらりと抜き取った。

「俺が払う」

大丈夫って不安そうな瞳で阿賀野さんに見つめられた。

「今日は撮影もあったから大丈夫です」

ほとんどもうやけくそ。

遠慮がちに頭を下げる阿賀野さんを私は苦笑気味で見送った。

阿賀野さんの認識を書き換えるのは思ったより至難の業だ。

すんなり帰してもよかったのだろうか頭をとよぎる不安。

「なぁ・・・撮影があったから大丈夫って何?」

考え込む私を我に帰す司の声。

確かにいつも支払するのが当たり前の様な立場の司を「お金は大丈夫です?」みたいな視線で見らる事は初めてのはずで・・・

1890円の伝票に必死に財布の中を探って払った思い出は私も高校以来経験がない。

支払いを心配をされるって、司にしてみれば予想もしてないことだろう。

司・・・

現金を持っていたっけ?

社員食堂にしてもカードが仕えそうもない小さい支払っていつも私じゃん。

阿賀野さん、私たち夫婦が貧乏だって勘違いしてるの!」

「今回はそれに代表の仕事はモデルって付け加えられたみたいですよ」

玲子さんは楽しげに私の言葉の後につけたした。

「どういうことだ?」

疑問というよりは怒りを抑えるような司の声がびりッと私の耳に響いてきた。

拍手コメント返礼

b-moka

こんにちわ。

やっと週末が終わったらと思ったら今日は台風で娘の学校は臨時休校。

どのくらいの時間がPCに向かえるか微妙です。

そうなんですよね。

このまま勘違いさせたままというのも面白そうですよね。

そんなことも考えてます。

ばれそうでばれないお友達関係♪

ひつじ様

私はスマホでコメントしようとすると拒否されて投稿できません。

管理者なのになぜって感じです(^_^;)

あははは

プレッシャー確かに受け取りました。(^_^;)

キ**様

初コメありがとうございます♪

お気に入りと言っていただきやる気が上がります♪

では今日も~♪

と言いつつ本当は投票のプチの☆マークのお話をUPする予定だったのですが、台風の影響で子供が臨時休校。

バタバタとしています(^_^;)

そして子供の目が気になって集中出来ないのです。

リクエストもありがとうございました。

なおピン様

今回は笑いをメインに書き上げています♪

とことん楽しもう!みたいな。

もう二度とこんな設定のお話は登場しないような気がしますからね♪