思い出は虹色に輝く12

このお話はいいところで終ってました。

この後どうするかなぁ(^_^;)

*

「買ってきた猫みたいだな」

指先を後ろ髪に滑り込ませて私をもう一度ぎゅっと道明寺が抱き寄せてつぶやいた。

買ってきた猫って・・・。

「それを言うなら借りてきた猫」

身体の奥からうずいてた熱が微妙に冷めていく。

道明寺の胸に押し付けられていた唇からこぼれてた吐息はクスッとした笑いに変わってる。

「ペットなら借りるもんじゃなくて買うものだろうが」

「だから微妙に違うんだったらッ」

ここで言い合いをしてもらちはあかない。

絶対自分の言い間違いを正そうとはしないんだから。

溜息とともに密着していた私たちに出来た隙間。

そこから身体の熱がすべてこぼれだしている。

「まあ、いいけど」

力の抜けた道明寺の腕から抜け出した私は図書室みたいな部屋から道明寺の部屋につながるドアを開ける。

「どこ行く」

少し拗ねたような声が背中越しに聞こえる。

帰るんじゃねえよなッて不安げな声。

「どこって、道明寺の部屋に戻るだけだけど」

「なんで?」

部屋に戻る理由なんて聞いてどうするのよ!

相当道明寺は焦ってる。

道明寺のぬくもりを感じたらすぐに連れ戻される気分は否定できないんだけどね。

いまさら逃げるつもりはない。

てか、元から逃げるとか嫌がるとか否定するとかあるわけない。

互いを求めあう気持ちは一緒のはずなのに道明寺と私の感情が微妙にずれてる。

「ここで押し倒されたらますます勉強ができないでしょ」

それなのに一つの接点から遠く離れる言葉が口をつく。

「そっちに戻ったって一緒じゃねェの」

ぼそっと小さな声で道明寺が呟いた声は聞こえないフリで「何か言った?」と渋めの声を出した。

自分から甘えるってなんとなく照れる。

だから素直じゃないって言われるんだよなぁ。

「終ること終わらせないとね」

「終わること!」

ピンと電波が3本立ったように道明寺が復活した。

足早に数歩歩いただけで道明寺と私の距離は手を伸ばせば触れ合う位置に戻った。

「終わることってレポートの事だからね!ヘンなこと考えないでよね」

思わずスカートのすそを伸ばす様に手先が動いた。

「終ること終わったらどうする?」

「どうするって・・・」

黒曜石の瞳は輝きを増して熱く私を見つめてる。

トップに立つ人間が持つ華やかさと存在感。

口角をわずかに上げただけの微笑み。

セクシー過ぎる魅力に見とれてしまってた。

両肩に置かれた腕。

「おい」

「えっ!あっ?・・・ハイ」

「そのハイは何の返事だ?」

私を覗きこんだ道明寺の瞳は完全に笑ってる。

「別に何でもないわよ」

焦ってる声は隠しようもない。

ヒャッ!

チュッとわざとらしく音たてて素早く離れたキス。

キスされた唇を隠す様に私の指先が唇に触れる。

「俺もおとなしくしとくからレポートが終わったらお前もおとなしく俺の言う通りなッ」

鼻先に突き出された顔はそう言って誰もを魅了する極上の微笑みを浮かべた。

押し倒させるべきか、させないべきかそれが問題だ・・・。

拍手コメント返礼

b-moka

相変わらず雨は降ってますが、私の住んでるところは警報は解除されてるので被害はないです。

今年は本当に雨量が多いですね。

投票の方は現在はおとなしい司が多いんですよね160票余り集めています♪