思い出は虹色に輝く13
今回もたくさんの投票参加ありがとうございます。
結果は
直球気味の坊ちゃん 201票
オトナしく待つぼっちゃん 224票
何時もながらの接戦です。
いつも両方のお話を考えているのですが日の目を見ないのがもったいないような泣く泣くお蔵入り作品は
このまま増え続けていく~~~~~。
*「早く終わらせろよ」
「それは道明寺次第だね」
挑戦する視線で見上げた私にニッと唇の端を上げて不敵な笑みを道明寺が浮かべる。
「なななに?」
ピクッと警戒する私の鼻先に近付く端正な顔。
肌のきめ細やかさまで私より目立つ。
「それはお前次第だろ」
そう言って離れた道明寺はソファーに腰を下ろして長い脚を見せつけるように組んだ。
手に持った雑誌を読む道明寺は私から完全に視線を外してる。
道明寺は傍にいるはずなのに無視されてる空気は奇妙な寂しさを私に植え付けてくる。
これが私が望んだことだったはずなのに。
チラリと道明寺の視線を向けながらその横を通ってデスクの椅子にボスッとおしりを押し付けるように座った。
全く音のしない高級感あふれる革張りの椅子も無性に腹だたしい。
ドンとわざと大きく音をたてて開く本。
『企業の内部統制とリスクマネジメント』
企業関係の法律を学んでるのはいったい誰のためだと思ってるのよッ!
本当にやりたいのは民事なんだから。
これはまだ道明寺には内緒。
未来の道明寺家の一員となる身としては、少しでも足しになる役割を担うことは必要なことだと勝手に思ってる。
私が出しゃばらなくても道明寺ホールデングスには優秀な企業内弁護士はいるはずだから必要ないかも。
道明寺の手助けが出来ればなんて可愛いことを思ってるんだぞ。
相変わらず道明寺は雑誌を読んでる。
それは私がいないとでも言うような静かな気配。
チラリとも私を気にかけない態度。
少し俯き加減に雑誌を見つめる横顔。
相変わらずの整った顔立ち。
見飽きない顔ってあるんだっていつも思う。
見るなッ!
眺めるのはレポート!
ブルって頭から道明寺を追い出してデスクの上に置かれたレポートに視線を落とす。
この部屋に自分しかいなって態度の道明寺。
それが気に障ってしょうがない。
てか、冷たすぎないか?
時々ページを捲る音まで聞こえるような静けさ。
日頃、家族の話し声に笑い声、居間から漏れるテレビの音。
雑音の中で過ごしてる私には音のない静けさに精神が集中できない。
思ったよりもレポートが進まないッ!
無言の時間にしびれが切れたようにため息が出た。
「ねぇ」
「なんだ」
「何か喋ってよ」
「何を?」
「昨日までなにしてたとか?」
「仕事に決まってるだろう」
「そうじゃなくて!!!」
道明寺の怠そうな返事に私の声も徐々に高くなってくる。
「邪魔されたくないんだろ」
「話をするくらいなら邪魔にはならないでしょう」
今の状態の方が道明寺が気になって集中できない。
「NYで何食べた?」
「結局食い物かよ」
閉じた雑誌をポンと道明寺がテーブルの上に投げた。
道明寺が立ち上がるのを感じながら慌てて視線をデスクの上に戻す。
「いったい、どうすればいいわけ」
私の座る椅子の後ろに回り込んだ道明寺。
後ろから伸びてきた腕は私の両肩を追い越して肘掛けに掌を付く。
ふわっとした熱が私を包み込む。
「無視されるのは気分悪い」
「邪魔するなって言ったのはそっちだろう」
「我儘な奴だな」
「我儘って!道明寺には負けるわよ」
勢いで膨れたまま首を後ろにそらして見上げる。
あっ・・・。
コツンとぶつけられるおでこ。
至近距離で道明寺の目が笑みの形を作る。
「お前をすぐに抱きたくなると困るから距離を取ってんだぞ」
照れたようでそれでいて少し怒ったような声。
身体の中でくすぶっていた熱が一気に上昇しそうだ。
この体勢はやばい。
道明寺から身体の自由を絡め取られて逃れられなくなりそうな艶。
私を見つめている熱い視線から逃れるように腰が浮いた。
「テッ」
焦ったままの行動は近すぎた道明寺の顎に頭をゴンと勢いよく衝突させてしまった。
「このっ!石頭!」
顎を手で抑え込む道明寺が怒鳴る様に叫ぶ。
「ごめん!大丈夫?」
覗きこむ私に「萎えた」って道明寺がニンマリとした笑みを浮かべた。
萎えたって・・・
もう!バカッ!
私に思い切り胸を押された道明寺が今度は床に転がった。
拍手コメント返礼
b-moka様
私も静かすぎるのは苦手です。
集中力がないせいかな?(^_^;)
何時もとはちょっと違った感じで書いてみました。
びー***様
今回は司をカッコよく仕上げてみようと(^_^;)
仕上げてもらわなくても俺様はかっこいいと言われそうですけどね。(笑)
はぴまり確かにリクエストいただきました♪
( ..)φメモメモ
お気軽に軽くコメント大歓迎です♪
遠慮なく友達感覚での気軽な書き込み待ってますよ~。
なおピン様
御疲れ様です。
私も暑い夏は好きじゃないです。
寒い冬も好きじゃないんですけどね。(笑)
おっしゃる通りいつもの二人が入れ替わっています♪
ストレートすぎる司につくしが負けてるだけで~。
結局は相思相愛なんですからね♪
いろんなバージョンで表現できればって思っています。