Happiness 9

このお話はあきらと葵の結婚式がメインとなるはずのなんです。

気が付いたら第4弾まで話が行ってしまったまさかのあきらとオリキャラ葵。

最初の始まりはハーレークインの偽装結婚をイメージして話を組み立てました。

結婚じゃなく同居ですけどね。

ハーレークインの場合はどちらかが相手に惚れてる設定が多いんです。

あきらはつくしが好きだけど諦めてる。

でも忘れられない。

葵は自分の会社の社長であるあきらに全く興味がなくて、顔がいい男はキライ!って設定が始まりでした。

これでいこうと書き始めて『はぴまり』の存在を知ってから北斗と千和にあきらと葵が重なる重なる。

結婚を強要したのは二つとも祖父だし・・・。

威圧的だったあきらの爺様に間宮の会長の影響が出てきてる気も・・・。

葵が借金でバイトしてる設定も(^_^;)

ベタだな・・・。

借金の為に働くのは水商売が手っ取り早いですもの~~~~~。

俺様タイプじゃないあきらだとずいぶん違いますけどね。

はぴまりも結婚して終わったから無事にあきらと葵も結婚式を♪と思いつつ話を続けます。

*

島の中心を貫く大通り。

日本でもなじみのあるブランド名の店が立ち並ぶ。

行きかう人々はほとんど観光客の外国人。

俺たちもその中の二人ってわけだ。

「・・・ここって」

入り口のブランド名に気が付いた葵は俺の後ろで路上に足の裏がぴたりと吸い付いたように動かなくなった。

「どうかした?」

「普通のカジュアルな服でいいんだけど、私、お金もそんなに持ってないから」

「俺と一緒にいるのにお金の心配するな」

ため息交じりの不満げな声が口をつく。

それでも安いのでいいって言い張る葵を無視して店の奥に入って行く。

「だからいいってばッ」

しかたなく俺の後を追って葵が店の中に入ってくる。

不釣り合いな冬の装いの葵にもにっこりとした笑顔を浮かべる店員。

にこやかに俺たちに頭を下げる。

「ねぇ、出ようよ」

「ここが一番ホテルに近い」

「それに好きな女にプレゼントする楽しみを俺にさせてくれないか」

歩きを止めて振り返ってつぶやく。

目の前の顔は至近距離で俺を見つめてあたふたとした表情を作る。

すげー素直な初心な反応。

今まで付き合ってきた女なら気取って、プレゼントされて当然だという顔をするって決まってる。

値段も見もせずに好きな服を遠慮なく選ぶはずだ。

葵は俺の婚約者だというのに遠慮がちで、正直で、うぬぼれがなくて、そこがかわいくて愛しい。

強請られてうれしくなる男心って有るんだけどな。

葵には理解できてない。

贅沢な俺の悩みだ。

店員に英語で彼女に似合うものをと伝える。

「今回だけにしてね」

そうつぶやいた彼女も目の前に並べられたワンピースにカットソー。

一瞬で目を奪われている。

そこは一般的な女性の見せる反応と変わらない。

「かわいい」

聞こえた声は確かに喜んでる。

「これを全部」

俺の声に葵が値札を見て顔色を変えた。

「全部って!」

「ウエディングドレスよりずいぶん安い」

服に似合うミュールも選んで支払いを済ませた。

「試着もしてないけど・・・」

「葵のサイズを俺が間違うと思うか?」

本人より俺の方が熟知してるぞ。

「着替えるから」

目の前の服の中から手軽そうなカジュアルなものを選んで試着室にと葵が移動する。

いまだに表情からテレが消えてないのが面白くてしょうがない。

葵と再会してからの俺は緩みっぱなしに違いない。

「どう?」

「ぴったりじゃん」

ようやく南国に似合う服に着替えてうれしげな表情に葵が変わった。

「もう、しばらく服は買わなくていい」

遠慮がちに聞こえた声も楽しげで口元は笑ってる。

また買ってやるよと心の中で呟く俺も楽しい感情が湧き上がってる。

両手いっぱいに持っているブランド名入りの紙袋。

誰もいなければ軽く360度振り回したいような感情。

「あとは、下着もだよな?」

首を横に倒しながら覗き込んだ顔は見る間に真っ赤に変わる。

「いい、自分で買う!」

「俺のために選ぶんじゃねェの?」

「いっ・・・一緒に選んだら楽しみがないでしょう」

「脱がせる楽しみは残ってるけど」

「もっ!」

照れくささを隠す様に膨らむ頬。

葵が持っていた紙袋も俺に押し付けて逃げるように葵は店から出た。

それを追ってうしろからついて行く俺。

ここで待っててと小さく動いた口はそのまま来るなと手で合図して下着の店に消えていく。

南国特有のワシントンパームの幹に持たれながらガラス窓から店の中を見つめる。

ガラス越しに下着を選ぶ葵が見える。

結構真剣だ。

本気で俺を喜ばせるつもりならそれはそれで楽しみ。

葵を見てるだけで和んでる俺。

待っているだけでも楽しいと思える時間がそこにある。

俺に見られてると気が付いた葵が手に持ったフリルの下着を慌てて隠す様に動いた。

その数分後には店から出てきた葵と車に乗り込んで、ホテルへと向かった。

拍手コメント返礼

b-moka

甘~い二人♪

この後はちょっとしたことを考えてますよ♪

お楽しみに~。

han****様

お久しぶりです。

コメントありがとうございます♪

続けて読むと話の流れがスムーズにわかりますよね。

本当は一気に書き終わりたい私です。

無理だーーーーーッ。

なおピン様

結局はごちそう様って感じですけどね(^_^;)

そうそうお爺様に感謝!

違う!私にでしょ(笑)