七夕の夜に

明日は七夕様ですね。

去年も七夕のお話書いたんですよね。

なに書いたっけ?

見直して、そうそう家族団らんの七夕のお話。

『七夕に願いを込めて』

3兄弟が生まれて5歳2歳の設定で書いてました。

今回はそれよりちょっぴり大きくなった3兄弟のお話です。

「昔々、天の川のそばには天の神様が住んでいました」

「天の神様には、それはそれは美しい一人の娘がいました。名前を織姫と言います」

優しく穏やかに透き通る様に聞こえる心地いい声。

ベッドの中で枕を背にもたれ掛ったつくしの膝の上には舞。

その左右に駿と翼。

本を開いてるつくしの両腕に巻きついてる小さな腕。

絵本を開くのも邪魔くさそうなのににこにこと楽しげな笑みを浮かべてるつくし。

それを見てる俺もきっとつくしに負けずおとらず頬が緩んでるって思う。

「織姫様とママはどっちが美人かな?」

「ママに決まってる!!」

翼の無邪気な声に俺より早く駿が反応した。

「えっ~ママ?」

お前の方が綺麗。

俺が言うより嬉しそうじゃねェか。

駿のやつ・・・

去年の短冊へ書いた願い事は・・・。

『おかあさんとけっこんできますように』

短冊からはみ出しそうなひらがなで書かれた。

見ちゃダメって言われれば見たくなる。

笹の隅っこに隠す様につるされた短冊を子供たちが寝た後に内緒で読んでクスッとなった。

七夕の朝、わざと俺は駿の短冊を読み上げた。

俺にそっくりな小さな顔は俺に本気で怒って悔しそうな表情を作る。

「怒った顔が一番そっくり

つくしの困った表情はそのままぷぷっと笑い声をあげる。

「似てないもん」

眉の形は俺そっくりに吊り上る。

今思い出しても笑える。

今年は文字を覚えた三歳児。

まだ楔形文字みたいだけど。

『パパとけっこんできますように』

舞が短冊に書いてくれていたら俺はきっと舞い上がる。

翼までママとけっこんできますようにって書いたらスゲー競争率。

家族で家族を取り合う。

ちっこい顔が3つ並んで「ぼくの!」「私の!」

俺とつくしの周りにまとわりつく。

そんな家族5人の穏やかな時間を近いうちに作ろうと思う。

最近の俺は忙しすぎだろう。

西田ッ!頼むぞ!

頭の中では西田に低姿勢の俺。

面と向ったら「調整しておけ」それだけでいい。

俺の七夕の単純な願い事。

「パパも入れろよ」

ベッドの中に身体を滑り込ませる。

「あっ!パパ」

俺のすぐ横の駿が真っ先に抱き着く。

その上に布団を蹴り上げて飛び起きた翼が乗っかった。

一番上には舞。

「スーツがしわになる!!!」

現実的な叫び声を上げたつくし。

スーツのしわぐらい大したことじゃない。

「キャッ!」

「ママ、重いよ」

子どもたちをサンドイッチ状態にしてつくしまで俺の上に乗っかってきた。

子どもたちが耐えられる程度の重みをかけてるつくし。

無邪気なあどけない声は楽しげにつくしの悪戯を楽しんでる。

家族の下敷きになってる俺が一番比重がかかってる。

この重みが今の俺の幸せ。

「お前、最近重くなったんじゃねェ?」

「失礼ね。これでも出産前の体重をキープしてるんだから」

膨れた表情は出会ったころのあの頃のまま。

今はきっとあの頃より幸せな時間を過ごしている。

お前がいなかったら描けなかった幸せ。

子どもたちが真ん中に居なければ、くるりと体勢を入れ替えてベットの上につくしを押し付けしまいそう。

「キャー」

「わー」

「ギャー」

俺の代わりに子供たちがつくしをベッドの上に転がした。

今年の短冊に書かれた願い事はなんだろう?

子どもたちが眠りについた後にこっそりそれを見るのが楽しみだ。

どんな願い事でもかなえてやるぞ。

ママと結婚できますようにだけは勘弁なッ。

拍手コメント返礼

なおピン様

つかつくファミリー理想ですよね。

ほとんど願望入れながら書いてます。

こんなに穏やかに子育てできないですもん(笑)

いい子が育つはずだ~。

七夕の次はなにかな~。

匿名様

なにげに家族のアットホームなお話好きなんですよね。

ありがとうございます♪

ゆげ様

何気ないファミリーのお話なんですが司だからこそうれしくなるんですよね。

駿君の子役。

誰だろう・・・。

最近始まった仲間さんのドラマの子供役の男の子かわいいなぁて思ったんですけど。(^_^;)