Happiness 11

気が付けばもうすぐ夏休み。

新作をUPしてる場合じゃなかった(^_^;)

折角調子がノってきて平日は2話UPが出来るようになってきたのになぁ・・・。

娘も中学になって部活を初めたので午前中は何とか時間が作れそうですけどね。

その前にこのお話を終らせる予定ではあります。

*

こんなところに連れてこられるとは思わなかった。

南国イコール、ハワイしか浮かばなかった私が、結婚前にさらわれて経験した無人島でのサバイバルのイメージに置き換わっている。

1年前の鮮明過ぎる出来事。

今回は3棟しかない贅沢豪華すぎるプライベート・ヴィラが貸切状態。

どうせなら美女と一緒が良かったと悔やんでいたのは西門さん。

花沢類と二人で1棟のプライベート・ヴィラを共有中。

1日前、仕事が終わって帰ろうと準備をしていたところに珍しく西田さんが事務所に現れた。

最近は司が突然やってきても驚かない私だが予想もしない西田さんの出現に心臓が思ったよりも慌てだした。

「私と一緒に来ていただきたいところがあるのですが」

「また、司の代わりに出席とかですか?」

ただいま司はニューヨークに出張中。

時々道明寺司の代行として華やいだ場所に出席するのも慣れた。

「今回は楽しいと思います」

何かを含んだ西田さんの態度。

連れてこられたのは空港でプライベートジェットに押し込まれた。

一人掛けの柔らかい革張りの白い座席。

ゆったりと腰かけた主は「よっ!」と明るい声を上げた。

「ニュヨークじゃなかったのッ!!!」

会えたうれしさより驚きの方が勝る。

西田さんも行ってくれればいいのにッ!

ここで西田さんにアタッテモしょうがない。

「あんみつの行動が必要だったんだよ」

あんみつ?

「あきらが極秘で結婚式を挙げる。参加者俺とお前と類に総二郎だけだ」

「美作さんの結婚式って2か月後じゃなかったけ?」

「あきらのおふくろと妹達が乗り出しておもちゃにされそうで嫌らしい」

あんみつ・・・

なんとなくその意味がみえてきた。

あんみつじゃなくと隠密行動だから!

「しばらくは、二人でゆっくりできるぞ」

結婚式目的よりソッチノ方が優先されそうな雰囲気。

「白い砂浜に透明な透き通る海」

「俺たち以外には誰もいない孤立したプライベートビーチ」

司にしてはロマンチックな説明。

「水着なしでも泳げる」

泳げるわけない!

つーか、私ビジネススーツのままでバカンスの準備なんて何もしてない。

「ねぇ、私は何も荷物を持って来てないんだけど」

「心配するな。下着から寝間着まで全部ヴィラに準備させてあるから」

どうだと言いたげな満足そうな笑み。

さっきから水着なしとか下着と寝間着って薄手のものしかないようなイメージ。

「気に入らなかったら、自分で買いに行くからね!」

それから十数時間後の今。

ヴィラには日常生活に困らない品揃え。

化粧品にシャンプーにリンス、すべてが私が使っているものが揃えられてた。

備え付けのクローゼットには色とりどりの服にそれに合うミューズが並ぶ。

司のセンスの良さは流石だ。

確かに下着に寝間着は絶対自分なら買わない派手さに・・・

透け・・・そうなやつ。

誘う気満々に見える。

着換えたらすぐにベットの中にもぐりこんで全部をシーツの中に閉じ込めよう。

どっちにしても無駄かな・・・。

目的は美作さんと葵さんの結婚式だからねッ。

数時間遅れで花沢類に西門さんも到着。

葵さんを迎えに行っていた美作さんも戻ってきて久しぶりにF4がそろった。

相変らずの華やかさ。

大人の雰囲気がなおさら男の色気を華やいだものに変えてる。

「よっ、遅いぞ」

司の声に反応したのは葵さん。

「つくしちゃん」

すぐに久しぶりの再会を喜んで手を取って飛び上がる。

私たちがいることが喜びながらも不思議そうな葵さん。

「なんで?」

「どうしたの?」

私の手を握ったままの葵さんは美作さんを振り返って驚きの声をあげている。

「葵さん、準備はできてるの?」

「どんな、ドレスを着るか楽しみなんだけど」

「準備?ドレスって・・・」

なんにも知らされてないような葵さんの反応。

もしかして美作さん・・・

内緒なの?

ちょっぴり私を責めるような美作さんの視線とぶつかった。

結婚式が内緒なんて思わないよッ。

必死に葵さんに説明する美作さん。

こんな焦った美作さんを見るなんて意外。

それが微笑ましくて口元が自然に綻ぶ。

「おまえの妹たちのレーダーに感知されないように出国するのにどれだけ気を使ったと思ってる」

相変らずの恩着せがましい司の声。

「最初は私も騙されたのよね。突然西田さんに飛行機に乗せられたんだから」

「威張れないと思うけど」

ジロリと責めるように視線を投げる。

「それに私たちがどれだけみんなに世話になってると思ってるのよ。このくらい大したことじゃないのに」

ハエでも追い払うようなウザったそうな表情を司が浮かべた。

「俺は別にこいつらに助けてもらわなくても大丈夫だ。こいつらが勝手にやるんだろうが」

「なんでそうなの!」

一歩も引かない態度でにらみ合う。

絶対私からは謝らないんだから。

「相変らずだね」

花沢類がクスッと小さく声を漏らす。

「あきらの結婚式じゃケンカするなよ」

西門さんは苦笑気味に呟いた。

美作さんと葵さんは・・・

見つめあったまま微笑み合って幸せそうな雰囲気。

結婚前って普通これよね。

「もう一度結婚式を上げたくなる」

こっちまで照れくさくなる雰囲気に私も幸せいっぱいだった結婚式のことを思い出している。

「次は新郎を変えてってどう?」

耳もとで花沢類がささやく。

「類!てめぇ!」

予測十分の司の反応。

「冗談だから」

花沢類が司をあやす様に言って笑い声をあげる。

それにつられるようにみんなが楽しげに笑い声をあげた。

拍手コメント

ゆげ様

やっと追いついていただいたのかな?

あんみつの行動 = あんみつ姫

浮かんだ時にこれはいけるって思っちゃたんですよね。

もう真央ちゃんのあんみつ姫を見ることはないでしょうけど(^_^;)

結婚式はどうなるのか?

最近の結婚式って知らなくて・・・

さらりと流したい。

でも場面のカットは出来ないだろうしなぁ。

総ちゃんがどう行動をとるか!!

邪魔するのは司とあきらどちらでしょうか?