大学の中心で卒業できないを叫ぶ 1

新作です♪

大学の中心で卒業できないを叫ぶ!

略して大中(ダイチュウ)

ゆげ様とのコメントのやり取りの中で妄想が膨らんだお話。

何処かで聞いたフレーズ。

『世界の中心で愛を叫ぶ』ならぬ『大学の中心で愛を叫ぶ!』のは司。

その横で卒業できないと叫ぶつくし。

メインはそんなお話になるのかな?(^_^;)

*

「来いッ」

え?

あっ?

チョッ!

反論するまもなく大学の図書館から道明寺に連れ出された。

講堂につながる廊下では私じゃなく道明寺に注がれる熱い視線。

「道明寺様よ~ 司様~ 」

ハートの目をした女子大生。

私がいることなんてお構いなしに見惚れてる表情が浮かんでる。

ぷかぷか浮かんでる風船にすべての顔を貼り付けて頭の中で全部糸を切って空に飛ばしてやった。

「放してよ」

掴まれた手首を強引に振って逃れる。

少しの間でもう道明寺のくっきりとした指の痕が手首に残ってしまった。

「バカ力なんだから、手加減してよね」

「男どもに囲まれて、嬉しそうにしているんじゃねェよ」

囲まれてるって・・・。

少しでも手首の痛みを和らげようと撫でていた指の動きが止まってしまった。

嬉しそうにしてないしッ!!!

講義の一環でのグル―プ学習に真面目に参加してただけだ。

男子だけじゃなく女子も私以外に1人はいたぞ。

女性の割合が少ないのは男性の数の方が多い法学部では仕方ない。

「用がないなら図書館に戻るから」

そっけなく踵を返して歩き出そうとした動作は道明寺の伸びてきた腕に簡単に阻まれた。

胸元にくるりまとわりつく力強い腕に抱かれてしまってる。

「俺がなんで大学に来たかわからないのか!」

地響きを立てる怒号。

辺りの空気が一気にピンと張りつめる。

人の動きも木から地上に落ちる枯葉まで動きを止めたように見えた。

大学4年の道明寺、私も何とか大学3年目を迎えてる。

相変らず大学と仕事を両立してる道明寺は半端なく忙しそうだ。

学年が進級していくたびに道明寺の大学への出席率は低下中。

この前大学で道明寺と会ったのは1か月前だった。

「出席日数が足りないからとか」

「そんなもん俺様にとっては大した問題じゃねェよ」

頭の上から不機嫌な声が響く。

そうでした。

英徳高校でも大学でも道明寺に花沢類に西門総二郎、美作きらら、F4全員特別待遇。

出席日数が足らなくても試験を受けなくてもどうにでもなることだろう。

ついでに就職の心配もいらないしね。

生れ落ちった時から銀のスプーンだけじゃなく金箔のベットまでついてきたんじゃなかろうか。

私なんて木のスプーンも咥えてない気がするもん。

「今日の予定はなくなったんだよ」

「えっ?」

「暇ができたから牧野、お前に会いたくなった」

さっきまでの不機嫌な顔が甘ったるく変わって私を見下ろしてる。

「キャー」

あがった黄色い悲鳴。

その場所でずるずると腰から砕けるように座り込んだ女性。

その両脇で必死で助け起こす二人の女性。

「会いたくなったって道明寺様に言われたら死んでもいい」

道明寺に向けられる光悦的な表情と夢見る声で私の高鳴った心音が冷静さを取り戻す。

「いきなり来られても、私はこれから講義もあるんだから」

「休め」

即決、脅し的風貌で睨まれた。

「今日の講義は落とせないの」

「そんなもん、どうとでもしてやるから」

「何もしなくていい。私は自分の力で頑張るんだから」

「グダグダ言うなッ」

さっきより強引に身体に巻きついてきた腕。

密着度は必要以上に強くなる。

そのまま胸の中に抱きしめられてしまってる。

「我儘言うんじゃねェよ」

我儘を言ってるのはそっち!

「今日は離さないからそのつもりでいろ」

至近距離から見つめられて触れ合う温もり。

道明寺の熱がそのまま私の身体を包み込んでいく。

このままじゃ卒業できない!!!

大学の中心で叫んでしまいそうになっていた。

ゆげ様♪UPしましたよ。

ここからこんな場面が見たいなどのご希望がありましたらどしどしとご意見をお待ちしております。

拍手コメント返礼

なおピン様

体調が持ち直したようで安心しました。

新作です♪

大学のお話がなくなったのがさびしくて~~~~~。

そうそう司以外がこんなことしたらすぐに別れてしまいそう。

どんなに我儘でも許せちゃうのは司だけですよね。

ゆげ様

2から先に読んだって・・・

確かに拍手コメントは2の方が先でしたね。(^_^;)

絶対卒業できるって保証があるのは羨ましいですよね。

就職も心配なしですしね。

今の学生が聞いたらヨダレもの~。