Happy life 9

3連休、最終日暑いですね。

梅雨開け宣言はまだなのに猛暑。

とうとうエアコン活動中です。

今日はつかつく家族の一コマで♪

*

暑っ。

涼しい廊下を歩いて部屋に近付くたびに生温かな風が肌に触れる。

クーラーが入ってないのか?

つくしの奴が節電とかなんとかいってクーラーを入れないのは経験済み。

真昼間のこの暑さ。

子供達が熱中症になったらどうするんだ。

その前に俺の方がもたねぇよ。

この暑さじゃお前を抱きしめることも容易じゃねェし。

部屋のドアは開かれたまま。

中庭からの風がそのまま直に流れ込んでくる。

クーラーの風とはちがった優しい風。

その風に乗って聞こえる幼い声が三様にはしゃいでる。

無邪気な笑い声と、楽しそうに響くつくしの声。

つられて緩む口元。

自覚しながらドアの横で部屋の中を眺めるために立ち止まった。

この前は中庭でちーさな直径一メートルのゴムプールにちっせーのが三人。

その頭上からホースの水をかける短パンにTシャツのつくし。

水にびしょ濡れなのは子供達だけじゃなく、濡れてくっきりと白いT-シャツに張り付いたブラの形。

しっかりと映ってる。

今日はピンクかぁ・・・。

普段は滅多に感じられない艶。

ヌードよりドキッと感じるのは想像を刺激するからだろうか。

鼻の下を伸ばしてる場合じゃなく誰もいないことを慌ててたしかめた。

今日はどんな遊びをしてるのだろう。

テーブルの上に下から伸びてる小さな腕が二本。

真剣な顔で舞が支えてるのはドラえもんの形をしたかき氷器。

舞の目線の高さで削られた白い氷がパラパラと落ちる。

二年前から我が家にある。

天然氷でのかき氷が調理場では作れるはずだ。

そっちには全く子供たちは興味を示さない。

「自分で作るって楽しみがあるのよ」

確かに俺も楽しんでる。

荒削りのカキ氷と繊細な雪の様に削られたかき氷。

うまさでいったらかなうはずないのに夏が来るとテーブルの上で見慣れたこの光景。

暑い夏を彩る我が家の一コマ。

今年は初めて双子も挑戦中というわけか。

去年はハンドルが回せずに不機嫌になった舞。

翼は削って落ちる氷を楽しそうに飽きずに眺めてた。

去年はつくしに手伝ってもらいながら回していた駿もハンドルを一人でまわせてる。

舞が支えきれずにかき氷器ががたがたと不安定動きをみせる。

それに気が付いた駿がハンドルを回す速度を緩めて片方の手でかき氷を体部を支えるように動かした。

「舞、大丈夫?」

「ダイジョウブ」

舞を心配そうに見つめる駿の横顔はしっかり兄貴になっている。

舞の片割れはつくしの背中にへばりついてその様子を眺めてた。

俺に気が付いたつくしがクスッとした笑顔を浮かべた。

「俺が手伝ってやる」

舞の手のひらを覆う様にその背中から回した掌。

「ダメっ」

「私一人で出来るの」

しかめ面で膨れた頬。

俺をクスクス笑ってる顔の小型版が出来上がってた。

「怪我するぞ」

「ケガしないもん」

最近この三歳児は素直に返事してくれたためしがない。

相手がつくしなら俺が押し切れるのに舞が相手だとこれ以上強く出れなくなる。

「そんながっくりした顔をしないの」

舞からフラれた俺の腕に楽しげな笑みを浮かべたつくしが自分の腕を回してきた。

「おっ」

つながった身体を壁に見立てた翼が伝って俺の背中に移動する。

首に翼の両手がしがみついて足はだらりと下に伸びる。

そのまま首を締められたらさすがに俺もきつい。

翼の腕を握って首を絞められない位置に調整。

左右に揺らしてブランコの遊びに「キャッ」と楽しげな声が上がった。

「それイチゴ?」

出来上がった氷に濃いピンクのシロップ。

「舞は、イチゴが好きなんだよ」

俺に見せるように出来上がったかき氷の皿を持って背伸びする舞。

「そんなに無理しなくても見える」

子供らしい真剣さが思わずおかしくなる。

「パパにあげる」

「俺に?」

「舞が初めて作ったんだよ」

氷を削ったのは駿で、舞は駿を手伝ってはいたが見てっただけの分担。

それでも満足な表情は自慢げで、かわいい。

「早く食べて」

膝をついて皿の上からスプーンを握って一すくいのかき氷を口の中に運んだ。

「いつものよりおいしい」

「うん!」

喜んだ顔はそのまま俺からスプーンをとり上げた。

「まだ、一口しか食べてないけど」

「もう食べたでしょ」

かき氷の入った皿はそのままテーブルの上に運ばれる。

「一口で終わりか、もつと食べさせろ」

わざと舞を追いかける俺。

「ダメッ」

小さな背中を俺に向けて胸元にかき氷を抱え込んでる。

「こぼしちゃうよ」

つくしの声に舞がテーブルの反対側へ回り込んで舌を出した。

「父さん、食べたければ僕が作るから」

「あ~あ、駿に心配されてるよ」

ため息混じりにつぶやく声のわりには顔は完全に楽しげな感情をのけてる。

一番楽しんでるのはつくしだよな。

幸せそうに笑うこいつがどうしようもなく俺の気持ちを温かくしてくれる。

「駿にはお父さんがとびっきりのかき氷を作ってやるよ」

駿の頭にクシャッと掌を置いて軽く揺らす。

「うん」

素直な返事の後に駿は乗っていた椅子から飛び降りた。

いまだに翼は俺の背中に張り付いたまま。

その上に駿まで乗っかってきた。

かき氷のハンドルを回す俺の腕を掴んだ小さな手が邪魔するように力を入れている。

邪魔にもならないか弱い力。

真っ赤になって頑張る顔に俺の頬が緩んでくるのが分かる。

「まだまだだな」

「それじゃママも駿と翼を手伝う」

子供を追い越して横から伸びてきたつくしの両手は俺の手のひらの上に置かれてハンドルを回す逆方向に力を入れる。

「おい!こら!ふざけるな!」

不機嫌な声を出すには頬が緩み過ぎの俺。

「舞も~」

4対1の構図。

それが俺の楽しみ。

そんな気分に浸たれる今が最高に幸せ。

拍手コメント返礼

ゆげ様

ドライミスト♪ありそうですね。

それも無駄ってつくしちゃん使わなかったりして~~~~~。

暑さの中で冷たいモノが食べたくなって書いたお話です。

舞ちゃんが「イチゴのかき氷」とラグジュアリーホテルのプールで注文するところ見て見たいですね。

ボーイさん「承知しました」って一応は言いますよね。

このやり取り書いてみたいです。