不機嫌なFACE 23

まだまだ司とJの二人が見たいってリクエストをいただいてます。

この場面はするりと終わらせるつもりだったのにリクエストには弱い私。

顔を上げた瞬間・・・

司の顔が私の目の前にあって・・・

その顔がゆっくり近づいてきて司を感じる優しいキス。

最近記憶にない。

強引で激しく求められているかのような情熱的なキス。

ここまだお店の中だってば!!!

露骨なまでにエロいッ。

当たり前みたいに指先が襟元から入り込んで首筋をなぞる。

顎に添えられた指先は角度を返えて深いキスを繰り返す。

だからッ!

誰が来るか分からないでしょう!!

流されそうになる身体を理性が抑制してる。

「煽るな」

煽るなって・・・

煽ってないってば!

「これ以上はお前が強請ったら続きをやってやるよ」

「強請るのも頼むこともお願いもしないわよ」

全部一緒の意味ッ。

無駄に言葉数が多いのは私が動揺してることを司にばらしてるに過ぎない。

「そうか?」

「身体の方が正直だよな」

胸の膨らみを掴むように司の片手が動く。

「アッ」

服の上からのやんわりと肌に伝わる刺激に思わず声が漏れた。

壁際からはがす様に司のもう片方の腕が腰にまとわりついて一気に抱き寄せられた。

ニンマリとなった顔は相変わらずの傲慢さ。

コツコツと聞こえる足音に火事場のバカ力なみの威力で司を押しやった。

「化粧室に入ってくる」

逃げるようにその場を離れる私。

きっと優越感を貼り付けた顔で司を私を見送ってるはずだ。

強請れとか、お願いしろとか、結局は司に煽られて言いなりになってしまいそう。

帰るまで待って!

これならお願いできる。

火照る肌と波打つ心臓を落ち着けるように息を大きく吐く。

鏡に映し出された私の唇からはスッカリ口紅の色がはぎ取られていた。

どこからかゆっくり煙が忍び込むように身体の奥の熱が火照りだす。

記憶が・・・

感覚が・・・

受けた司の唇の感触を甦らせてくる。

指先がそのままの色合いの唇をゆっくりとなぞる。

鏡の中の私はまだ火照った熱を解放できずに戸惑ったままだ。

煽ってるのはそっちでしょうッ!

司の言葉には屈しないと思いながらそれが簡単にはぎ取られてしまう。

帰り着くまでは好きにさせない!

自分に言い聞かせている時点で司の思惑の中に取り込まれてしまってる。

化粧を直して急いで司のもとに戻る。

連れ込まれてキスされた暗めの死角の場所から顔が認識できる明るさのロビーへと司は移動してた。

司の前には長身のすらりとした体形の人影。

さっき司と食事の約束をしたとか私に挑戦的な態度を見せたモデル。

ふつう奥さんに食事をしていいかって聞くか?

既婚者だと分かってて食事に誘う方も誘う方だ。

よっぽど自分に自信がないとそんな態度がとれるわけない。

その前に自分の容姿に自信がなきゃモデルの職業なんて選ばないか。

単なる食事です!

信じるほど私も純粋じゃない。

司は信じてるけど・・・。

モデルのにこやかな微笑みとは対照的な不愛想な司の横顔。

「どけ!ブス!」とか「話しかけるな」とかの荒っぽい態度を見せても今日は許す!

「失礼」

司を追いかけてきた西田さんに気が付いて司はスルリと女性から離れた。

「待ってますから」

諦めないモデルの声。

それには背を向けたままの司。

無視を決め込むくらいならはっきり断ればいいのに!!

きっと営業!西田さんがそばにいるから無碍ない態度をとらないだけ。

分かっていても感情は別物だッ!

モデルが自信たっぷりに私に向けた挑戦的な顔がぶり返して浮かんできたからムカムカしてきたッ!

西田さんに耳打ちされた司はそのまま打ち上げのパーティー会場に戻っていった。

私のこと忘れてないか!

さっきまでの積極さはどこに行った!

このまま一人で帰るからねッ!

この後の展開はイチャイチャモードだったのですが・・・

イチャイチャ突入と思いきやその前にひと波乱♪というワンクッションを挿入させていただきました。

結局波乱があってのイチャイチャモードになるのかしら(^_^;)

不機嫌なつくしの気を静めるのは誰でしょう?

拍手コメント返礼

ゆげ様

迷います?

私も迷ってます。

そんなときの読者プチ♪

今回別れてます。

数票差。

もともと二つのお話は考えて没にしてるんですが・・・

もったいない。

何処か隠れてこそっとUPッしようかなんてこと考えています。