Happy life 10 (南の島の夏休み)
Happy life 8 のかき氷のお話からの流れです。
ゆげ様のコメントから思いついたお話ですよ~。
こうして連載が進まない(^_^;)
*いきなり司からの携帯で5時前に起こされた。
「子供達を連れてこい」
「なに?」
寝ぼけたまま脳の覚醒を待つまもなく司からの声は途絶える。
「連れて来いってどこによ!」
何度携帯の発信を押しても司の声が聞こえることはない。
電源切られたかっ!
私からの拒否権はないっていつもの態度。
夏休みがあるのは子どもだけなんだからねっ。
不満たらたらで所長から休みを取り付ける私。
「いつまで休むの?」
「・・・わかりません」
数秒の沈黙のあと携帯の向こうから聞こえるため息。
「彼次第ってことね」
クスって岬所長が笑ったのが分かった。
何でも承知してるって感じが照れくさい。
休みの後、事務所に出所したら、玲子さんに甲斐さんが所長に加わってるはずだ。
司にお土産買わせてやる!
・・・って、司にとっては痛くもかゆくもないか。
司の出張先って、確か南の島のリゾートだったはずだ。
新しくオープンしたホテルのセレモニーに出席して帰国するんじゃなかったけ?
もしかしてそこに呼び出し?
それもチビ達連れてっていうのは珍しい。
本当にどこに行くのよ!!!
そんな心配をよそにプライベートジェットは進んでいく。
「おい、こら」
「待て!」
「キャー」
ブタの絵の絵本が開いて私の目の前を飛んでいく。
無邪気なあどけない声はすっかり飛行機の中って忘れてる。
なんとなく眠れなかった私に比べればどこでも熟睡できる子供たちは元気があり余ってるのは分かる。
プライベートジェットの中は子供部屋並みのおもちゃが散乱。
一般の飛行機の方が聞き分けよく大人しくしてる気がする。
これが飛行機の中って思い込んだらどうなるんだ?
走れ回れる広さはないんだから!
元気があるから子供!
そう思うのも限界が近い。
「走らないの!」
「飛行機が落ちちゃうよ」
「落ちないもん」
興奮気味の子供達を大人しくさせるのは至難の技。
やさしく言って聞くわけがない。
床に落ちている犬のぬいぐるみに積み木にパズルにミニカーまで散乱してる。
「もうすぐ着くから、かたずけるの!」
駿を真っ先につかまえて強めのたしなめる声。
「は~い」
素直にごめんなさいって謝る駿にチクッて心が痛む。
ごめんねお兄ちゃん。
でも駿がすることをすぐ二人がマネしたがるから重宝してるのよね。
駿がおもちゃを片付けるのを見てちびっこ二人がそのマネをするようにおもちゃを拾った。
これが一番早いのよ。
・・・って。
翼に舞ッ!折角拾ったおもちゃを投げ合わないの!!!
双子を追いかけて腕の中に抱きしめた。
遊んでるんじゃないから喜ぶな。
言ってもわからないような無邪気な笑い声。
ケラケラって声も可愛いって思える心の余裕は50%だぞ。
飛行機の中から見える青い海。
そこはパンフレットの写真で見るような輝きを放つ。
飛行機が降りたのは、やっぱり司の出張先だった。
迎えのリムジンに飛び込むように乗り込む子供達。
そんなに興奮してたら夜までもたない。
ホテルに着いたらクタッて3人とも寝ちゃうって都合がいいことなんて思ってないから。
私もクタッて行きそう。
司の青筋がうかぶのが見えた気がした。
海岸に立つ白い壁のラグジュアリーホテル。
相変らずの豪華さ。
海って言えば海の家しか知らない私の子供時代とはえらい違いだ。
「おう、やっと来たな」
開放感のある吹き抜けのエントランス。
ひときわ目を引く豪華さは司にもある。
短パンにシャツを着ただけのラフないでたち。
服の上からもわかる引き締まった身体。
両腕に双子を抱きあげて、下肢には駿がまとわりついている。
柔らかい笑顔はそのまま見る人を惹きつける魅力を持つ。
「急にどうしたの?」
「夏休みを早めにとったから」
「こいつらと外で過ごすのも久しぶりだろう?」
「それはそうだけど、いつも突然なんだから」
「嫌か?」
「嫌じゃないけど」
「両手がふさがってなければ真っ先にお前を抱きしめるんだけどな」
耳もとに触れる息。
ニンマリと見つめられただけなのに頬が熱くなる。
子供以上に私も司に会えてうれしいのが本音。
「なにして遊ぶ」
「プール」
真っ先に声を上げたのは舞。
ホテルの外観以上に豪華なスィートルーム。
その部屋を堪能するまもなく子供たちを追いかけるようにプールサイドに向かった。
大きな浮き輪に子供たち3人と司。
広いプールは私たちだけの貸切。
まだ外部からの客は受け入れてないらしい。
贅沢すぎるつーの。
浮き輪の上に乗った翼は水面に飛び込んで水しぶきを上げるのに夢中だ。
その水しぶきをかけられっぱなしの司も「やったな」とか言いながら水の中に翼を引きずり込んで遊んでる。
どっちが遊ばれているのか。
駿はゴーグルをしたまま水に浮かんで浮遊力を実感してる。
上から眺めたら溺れて浮いてるようにしか見えない。
時々プハーと立ち上がるから息をしてるのが分かる。
舞はべったりと私に抱かれたまま離れない。
浮き輪をつけてるから溺れる心配はないんだけどね。
指先を水着の胸元から入れて覗くのはやめてほしいんだけど。
舞はなぜかそれが楽しそう。
それはパパの前では見せないでほしい。
すぐに真似しそうだよ。
「おなかすいた」
もしかして胸を触ってたのは空腹のサインだった?
母乳を卒業したのはずいぶん前なんだけど。
「何か食べる?」
「うん」
機嫌よく元気な声。
プールサイドのテーブルに舞と戻った。
「なに食べる?」
「かき氷!」
「おなかすいてるんじゃないの?」
「かき氷が食べたい」
「サンドイッチとかハンバーガーとかあるよ」
「おなかすいてないもん」
プンと膨れた顔を横に向けて椅子から飛び降りてプールサイドに走る舞。
「パパ、かき氷が食べたい」
わ~~~すぐ言いなりになる司の方に直談判された。
そして舞の目の前には赤いイチゴのシロップとイチゴの果実にデザインされたかき氷が置かれてる。
甘い!相変わらず甘いんだから。
主食を食べた後にデザートで食べさせなきゃいけないのにッ。
「ちがう」
「これじゃないもん」
「だってかき氷だよ」
「舞が作ったのと違うもん」
サラサラのパウダー状の削られた氷。
口の中でさらりと消える氷と、粗い削りの口の中に残る小さな氷。
一般的には目の前のかき氷のほうのスプーンをとるってママは思う。
かき氷を置いたボーイが不安そう表情を浮かべてる。
「折角ホテルのお兄さんが持ってきてくれたのに舞は食べないっていうんだ」
舞は遠慮ない視線をボーイに向ける。
「お気に召しませんか?」
ゆっくりと舞の視線に合わせて膝をついて大人に対するような対応をみせる。
流石だわ。
「食べる」
ごめんなさいと小さくつぶやいた口元に赤い氷をすくったスプーンを舞が運んだ。
「私が作った氷が食べたかったけどこっちもおいしい」
舞がにっこりと笑った。
「おい、今度からかき氷器を用意しておけ」
いつの間にかぬっとあらわれた暗雲。
威圧的にそこだけ雷まで鳴りだしそうな重圧。
一瞬安心したボーイの顔が硬直するのが分かった。
司が脅してどうする!
舞の方が聞き分けがいいわ。
ハアーッ
ため息が漏れた。
拍手コメント返礼
joylove様
つくしにとって一番ハラハラさせられるのは司でしょうね。
その分子供たちがしっかりしてくる♪
俺様じゃない司もさびしですもの~。
ゆげ様
ラグジュアリーホテルでカキ氷を前にぐずる舞ちゃん
ここまでの話の流れを想像して一気に書き上がりました。
もしかしてゆげ様テレパシーを私に送りました?(笑)
イメージが似てると喜んでいただけうれしいです。
さてここからのバカンスは♪
そうなんですよね。
子どもっておっぱい好きですよね。
流石に小学校に入ると触りませんけどね(笑)
F4登場させたら・・・
いまだに司はからかわれているのだろうか?(^_^;)
Gods&Death様
我が家は子どもが水遊び相手に犬を洗ってくれてます。
しかし今日も蒸し暑いです。
そして雨~~~。
何時梅雨が明けるのでしょう。
まだ週末も曇りマークのままです。
豪華ですよね。
セレブの生活は想像でしかないですが、想像にも限界がありそうで(^_^;)
なおピン様
こちらもず~と雨が続いてます。
雨の合間の晴れ間ですごく蒸し暑いです。
どんな身勝手でもつい言うことを聞いちゃうつくしちゃん。
結局惚れてるんですよね。
こんな温かな家庭はつくしちゃんとじゃなきゃ作れなかったでしょうね。
PCが早くお手元に戻ってくるといいですね。
故障することを考えるとつかわなくなったPCが捨てられずに我が家にはXPとビスタが埃をかぶっています。
何時捨てよう(^_^;)
ゆげ様
またのテレパシーをお待ちしております(笑)
プライベートジェットの中はほとんどFのジェットをイメージしかできない私です(^_^;)
中東のオイルマネーってやっぱりすごいんですね。
それに匹敵する道明寺財閥!!!
つかつくFamiryのバカンスに普通にまざるF4のお話が書きたくなっちゃたじゃないですか(笑)
この続きありかな?
短編じゃなくなるッ!!
ゆげ様
想像を超える世界があるんですね。
季節ごとのバカンスのお話・・・
プラス、イベントなんて考えたらどこまで広がるんでしょう。
私の毎日のお仕事の量が増える・・・。
その分家事が雑になる♪ やばいッ。