大学の中心で卒業できないを叫ぶ 13

おはようございます。

さて、一緒に暮らすことになった?のか(^_^;)

微妙なところで続くで・・・

いや~私の後ろでなまこっろがしの司君が見たいという声が聞こえたような聞こえないような・・・

幻聴?

いえいえ、違うと思っています。

*

ここどこ?

ボヤついた頭の中に送り込まれる映像。

レースのカーテンが揺らぐ出窓。

真新しい部屋の造りと高級感漂う上品な香りの漂う部屋。

部屋の隅に置いてあるのは、見覚えのある年期の入った古ぼけた机。

小さいころに貼ったままの色の褪せたキャラクターのシールは見覚えはある。

それはこの部屋には似合わない違和感たっぷりの愛着のある私の机に間違いない。

ベッドの寝心地も何時もの通りで、太陽の匂いがした。

家じゃないよね・・・。

心地よく調整された空調。

朝の賑やかさも感じない微睡んだ空間。

目覚ましの音より小鳥のさえずりが似合いそうな部屋。

ベッドから起き上がったらすぐに机に手に届く狭い私の部屋じゃないのは確かで・・・

ここ、どこだっけ?

もう一度寝ぼけた脳に指令を送ってみた。

「よっ!眠れたか?」

わぁぁぁぁぁ

いきなり目の前に現れた顔は近くてぼやけてしまってる。

でも声を聞き間違えるはずはなくて・・・

「道明寺!?」

心臓が飛び出す勢いで叫んでた。

そうか・・・

そうだった。

ぼやけていた輪郭がはっきりと表れて、くっきりとした目鼻立ちが鮮明になる。

「どうした?」

「突然寝起きを襲わないでくれる」

「襲った方が良かったか?」

「んな、わけないでしょう」

投げつけた枕は道明寺のよけられてパコッと床に転がった。

「食事用意したぞ」

えっ・・・道明寺が?

部屋を出て向かったリビング。

台所から流れてくるコーヒーの香りが鼻に付く。

対面式テーブルの上に載せられたトースト。

ちょっぴりと焦げているのが道明寺らしい。

「これ、一人でやったの?」

「俺でもこれくらいは出来るぞ」

小学生でも、もっとうまく用意できる思うけど。

流しには散切り状態の緑の物体。

近付いて手に取ってキャベツの残骸だってようやく分かった。

この散らかしで出来上がったのがコーヒーとトーストってすごい。

悪戦苦闘する道明寺を想像して笑いが止まりそうもない。

この後のどこから手を付けていいのかわからない散乱する台所を片付けるのは私なんだろうな・・・。

それはしょうがないかと後からまた笑いがこぼれてくる。

「笑うな」

持ったこともない包丁。

使ったこともないトースター。

コーヒーメーカーの使い方も知らなかったと証明するようにその横に説明書が開いて置いてある。

怪我しなかったのが不思議かも。

なんでも人がやってくれる生活が当たり前の道明寺が、私のためになれないことに必死に挑戦してくれたんだと思ったら、うれしくて泣きそうな感情が溢れそうになった。

「俺が初めてお前に作った料理だ」

「料理ってレベルじゃないと思うけど・・・」

からかう様に言ったのは照れ隠し。

ありがとうなんてつぶやいたら泣きそうだもん。

昨日の夜、結局道明寺に押しきられて同居するってことになった。

一緒にいるのは嫌じゃないけど・・・

私の目下の悩みは月のものが遅れてるってことで・・・

一緒に住むってことは、一緒に寝るってことで・・・

しばらくそれだけは阻止したいって思う。

どう拒む。

これが一番重要事項。

やっぱり、今は一緒に暮らすのは無理って言えばよかったか?

「少しでも一緒の時間を過ごしたい」

甘い声に情熱的に見つめる瞳。

ソファーに二人で腰かけて座って肩に回された腕。

一緒に過ごす穏やかな時間を無邪気に喜んでる道明寺を見たら何も言えなくて、私もしあわせだって思えた。

「牧野・・・」

道明寺の顔がゆっくりと近づいてきて、ソファの上に押し倒される身体。

このままじゃヤバい!

危機感が一瞬で私の身体をこわばらせる。

「ちょっ・・・」

「だめ、待たない」

「まままま待て!」

犬に飛びかかられ顔を舐められまくれている状況に似てる。

「ウップッ」

「ぎゃーダメ」

真剣に怒れない感じに調子に乗った愛犬がますます尻尾を振り回してじゃれつかれてしまってる。

シャツの裾から滑り込んできた手のひらは遠慮なく胸の脹らみをまさぐってきた。

「やることしか考えないでよね」

道明寺の手の動きを拒むようにガシッとその手首を掴んだ。

「お前、本気で言ってるのか?」

「一緒に住むことしか了承してないからね」

私を見下ろしたままの道明寺の顔が不機嫌そうに歪む。

言い過ぎたか?

ここで引いたら元の木阿弥だ。

「馬鹿にするなよな」

「イタッ」

道明寺に抑え込まれた手首がしびれるくらいに強く握られた。

怒りを帯びた瞳の奥にさみしさの色が浮かんだ気がした。

そして身動きできなかった身体からフッと道明寺が離れた。

「もう寝る」

そう言ってソファーに私を残して道明寺は寝室へと消えた。

強引さが消えた道明寺は意外で、気まずい思いが胸を締め付けた。

悪いのは道明寺なんだから。

自分にいい聞かせて頭から布団をかぶってベットに入り込んだ。

別々の部屋で迎えた朝。

道明寺は怒った素振りもなくて、機嫌が良くて、朝食まで私のために準備してくれていて・・・

「昨日はやり過ぎた」

「お前が膨れるのも無理はないよな」

「ケンカするつもりはないから」

道明寺の片腕が動いて私の頭を抱き寄せる。

ずるい。

なんでこんな時にいつも以上に優しいのか。

「私も、昨日はごめん」

道明寺のトクトクと聞こえる鼓動にすっぽりと包まれていく。

「ごめん」

温かい腕の中でもう一度そうつぶやいた。

今回の坊ちゃんは一味違う。

本当に司君か?と疑いたくなるような気遣い。

すいません

24時間の松潤の指揮に感動しすぎてその姿を引きずってしまってます。

どこで影響されてるのか・・・

ヤバイです。(^_^;)

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拍手コメント返礼

ちゃむ様

このままオトナナ司ってあり得るでしょうか?

そこが問題。

b-moka

これが本来の俺の姿だ!

胸を反り返した司が見えるような気がしますが・・・(笑)

たまにだからかっこよく見えるのかも~。

指揮良かったですよね。

演奏に引き込まれる感じと、ここまでやり遂げた姿に感動。

最初の頃のタクトの振り方とは別人でしたもの。

リピして見てる私・・・(^_^;)

子供にそんなに好きだったの?と言われてしまいました。

yoppy様

こんな気の利く坊ちゃん見たことがないって感じでしたけどね(^_^;)

たまには違った側面を見るのも楽しいかなと思ったわけでした。

松潤の指揮者ぶりまた見たいって感じがします。