If 4

みなさまの熱い視線が突き刺さる中ここで別なお話を更新する勇気がなくて(^_^;)

それも話の展開は修羅場が希望・・・

久しぶりにドS倶楽部の活動が活発化してる気がします(笑)

よろこんでいいのかしら?

西田さん日記もUP

番外編も別館にUPしてます。

*

強張った表情がホッとしたように動いたのは俺じゃなく西田にって・・・

そしてわずかに色づく頬。

なんか気にくわねぇ。

「お席にご案内します」

客に見せる接待を俺にも同じように見せる牧野。

「他人行儀だな」

「帰ってるって連絡もよこさない薄情ものは誰よ」

声を落としたまま絞り出すような牧野の声。

「拗ねてるんだ」

「別にそういうわけじゃないから」

素直じゃねェよな。

「こちらです」

横並びの襖を開けて営業的対応を見せられた。

「代表~ どうぞ」

一斉に俺に向けられた視線。

そこからそそくさと逃げるように牧野が姿を隠す。

俺の世話してくれんじゃねェのか?

案内された中央の座布団。

俺の左右両脇、真ん前に座る女子社員。

男性社員は隅にやられた格好。

西田は総務課部長と席を並べていた。

「代表、ビールでいいですか?」

「まかせる」

次々に運ばれる料理。

牧野に説明されながら食べた記憶が甦る。

串から肉を外す俺に「上品」だって言いながら、串に大きくかぶりついて「これがおいしい」って笑って見せた極上の笑顔。

俺の前でも気取らない女はお前しかいない。

それが愛しくてしょうがないんだから困る。

遠慮もねぇしな。

・・・で、俺から離れたところに見える牧野。

それも西田とか男性社員のいる場所。

俺に近づかない気かよ。

「代表、御手拭です」

眼の前に差し出された白いタオルから白い湯気が昇る。

受け取って手を拭きながらも視線は牧野から外せない。

「どこ見てるんですか?」

俺の視線をたどる様に女子社員の視線も一斉に動く。

「つくしちゃん一つ」

牧野を見ながらひとりの男が楽しげに声を上げた。

あいつか!牧野にちょっかい出してたのッ!

ピキッ!!

手の中で持っていた箸が音をたてて真っ二つに折れた。

一瞬固まった牧野の表情が数秒俺を見つめる。

「冗談言わないで、つくねって言って下さい」

笑った顔が引きつてるぞ。

俺の反応を気にしてるのが丸わかり。

それはムズッとした小さな喜びを俺に与えてる。

綻びそうな口もとを隠す様にビールのジョッキに口をつけた。

「俺、本気でつくしちゃんが欲しいんだけど」

ブッー

ビールを噴いたのは俺じゃなく西田。

あいつが動揺するとこ初めて見た。

「こいつ、本気で君のこと気に入ってるみたいなんだ」

告白を応援するって様子で盛り上がりを見せる周りの奴が数名。

「鈴木君って本気だったんだ」

「あいつ、鈴木って言うの?」

「そうです」

「職場のみんなの前で告白してフラれたら仕事に来れなくなりそうだよね」

その前に俺が仕事をできないようにしてやるよ。

「代表、何か言いました?」

返事の代わりにタイを緩めながらフッ―と息を吐いた。

「すいません、彼氏いるんです」

「えーーーッ、彼氏っていくつ?」

「私の一つ上ですけど・・・」

チラリと俺を気にするように牧野の視線が動く。

「年上の男も悪くないと思うけど」

「デートも割り勘なんてことはしないし社会人なり立てのガキより楽しい事いっぱい教えてあげられるかもよ」

フラれて落ち込む鈴木より周りの男どもの方が必死になってる。

「とにかく無理です」

牧野の張りあげた声にピタッと会話が止まった。

「おい」

「ハイッ!」

ハイって牧野の返事が「ヒッ―」て音色に聞こえる表情。

「つくしちゃん一つ」

「代表・・・ウソッ」

「代表、つくしじゃなくて、つくねですから、知ってます?」

岩石を投げつけられたような表情を浮かべたのは牧野じゃなくて俺の周りにいた女子社員。

つくしとつくねの違いなら俺でも知ってる。

間違い様がない。

「お持ち帰りで頼む」

「だだだだだ代表ッお持ち帰りの意味わかってます?」

落ち着きをなくして何が起こってるのか分らない顔が伝染して出来上がっていく。

「無理です」

ここまで来て俺との関係を牧野は誤魔化す気でいるらしい。

「代表も、フラれたの?」

「私なら即OKだよ」

「私もッ!」

こそこそと聞こえる声は何らかの期待を込めた視線を俺に向けている。

「余興はここまで、みんな飲もう」

西田の横にいた上司が焦ったようにジョッキを持って立ち上がった。

「代表 時間です」

西田は何事もなかったように表情を崩さないままで腕時計を眺めて呟いた。

今日の予定なんてなかった筈だ。

代表、もう限界です。騒ぎはこれ以上困りますとかの西田の意思表示に違いない。

素直に従うわけねェだろ。

立ち上がった西田を追い越して牧野の前に立ちふさがる。

「なに?」

「なにじゃないだろう」

「野放しにしとくとすぐこれだ」

牧野が逃げ出さない様に目の前の襖をピタリと腕で押さえつける。

「西田、牧野のバイトは今日で終わりだ。話をつけてこい」

牧野を睨んだままの俺に西田が頭を下げて部屋から出ていくのが見えた。

「勝手なことしないでよね」

さっきまでビビっていた瞳がキッと俺を睨み返す様に強情な力を宿した。

「自分の好きな女を目の前で口説かれてたんだぞ。俺としては随分我慢したって思うけどな」

イラつきをそのまま激しく感情が声になった。

「つくしちゃんの彼氏って・・・」

震える声。

「俺だよ。社会人なり立てのガキで悪かったな」

冷ややかに見つめるその先で男たちが固まった。

「威圧しないで、鈴木さんたちも悪気はなかったんだから」

「告白されて喜んでるんじゃねェよ」

「誰がよろこんでるのよ」

「お前だろうがぁ」

言い合うごとに視線が近づいて目の前に真っ赤になった牧野の顔が迫る。

こうなったらどこまでも引けなくなる。

「すげー」

「代表に口答え出来る人っていたんだ」

「鈴木、彼女はお前には無理だわ」

「俺もそう思う・・・」

周りからの声に牧野がハッとしたように顔色を変えた。

いまさら遅せぇよ。

この後のお持ち帰りは・・・

素直には無理だろうなぁ・・・

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

yuminn様

西田さん日記へのリクエストありがとうございます。

早速仕上げにかかります♪

動揺を見せる西田さんの呟き見たいですもんね(笑)

NA様

早く見たいって要望には弱くて(^_^;)

おかゆ

司が気になって気もそぞろで仕事をしてそうな気がします。

つくしちゃん落ち着かないでしょうね。

睨みに聞いた視線(笑)

道明寺の思い通りになるか?

ちゃむ様

期待通りの面白さとコメントいただきうれしいです♪

笑っていただけたらそれだけが支えで書いていますよ。

びーちゃん様

この後は司とつくしの攻防戦♪

どちらに軍配が上がるか!

結局最後はねぇ~

読書感想文はしっかり手伝わされました。

それも本を読まずに感想文を書こうとする不届きもので(^_^;)

私と違って活字には全然興味がないくて困ってます。

学校の提出日が最終登校日になるので今日までの1週間は勉強もせずにのんびりと過ごしてましたよ。

私の方が疲れました。

ひつじ様

お気に入りのおもちゃ・・

確かにそうですよね。(笑)