If 7

お持ち帰り♪お持ち帰り♪

どうして☆がついてない♪

きゃりーぱみゅぱみゅの曲で)

それはね、このお話の題名が『If』ですから~。

この『もしも~』はどういう意味?

途中で想像して気が付いていた方はすごい。

負けましたと宣言したいですよ~。

お楽しみいただければ幸いです。

『if 番外編 2』upしました。

*

「おかえりなさいませ」

左右に分かれて立ち並ぶ派手な出迎え。

「誰も俺の部屋に近づくな」

言い放った道明寺がグッと私を抱き寄せたまま歩く。

身体の一割はその力で圧縮されてる気分だ。

近付くなってことは・・・

邪魔するなって意味で・・・

たぶん道明寺が宣言しなくても道明寺の機嫌を損ねるような真似を誰もするはずがない。

邪魔って・・・

たぶん・・・

道明寺はその気で・・・

この状態でも無駄な抵抗を考えてるのは私だけだろう。

どうしてこうなった?

今日はバイトが終わったらそのまま家に帰って寝るだけの予定。

このまま私は道明寺といてもいいのだろうか・・・

昼間のテレビで考え込んだことを思い出してクダクダ悩みながら眠ったはずだ。

「あのさ・・・」

私としては遠慮がちに出した声。

返事もなくジロリと睨む視線だけが私に向けられた。

ゴクンと飲み込んだ唾が喉に張り付く。

「時差ボケとかないの?」

「帰ったばかりだし、疲労がたまってるとか、疲れてるとか、眠気が襲ってるとか・・・」

同じ意味の言葉ばかり繰り返してしまってる。

焦りは絶頂になっているのが自分でもどうしようもなくわかる。

「ねェよ」

無慈悲な表情で一言で返された。

「嫌なのかよ」

ため息交じりにつぶやいた道明寺の左の手のひらはドアを押し開けて、右の腕でグイッと私を部屋の中に迷いもなく押し込んだ。

道明寺の問いかけに対する返事なんて全然気にもかけてない動作。

「俺と2人になるの」

一呼吸の後につぶやく声。

それは意外にも甘く聞こえてくる。

壁に押し付けられた背中。

私の顔の両脇の壁に腕を押し付けてる道明寺。

道明寺の長い睫毛が触れそうな距離で見つめる瞳。

端正な顔立ちの中で瞳が燃えるように輝いている。

押し寄せてくるゴージャスすぎる色気。

目が離せないままに体が熱くなる。

「だから・・・そんな意味じゃなくて・・・せっかちすぎる」

「俺としては、これ以上にないくらい我慢させられてるけどな」

触れた唇が熱い。

「ヤッ・・・」

発した声も飲み込むように道明寺の舌先が口内に差し込まれた。

歯の合間をぬって差し込まれた舌先は口内を執拗に責める。

熱を逃す様に鼻先から漏れる息。

ようやく自由になった唇から拒否するつもりの声が吐息に変わる。

「その気になったか?」

唇を離した道明寺が私の視線を捉えて少し身体を離してシャツのボタンに手をかけた。

ひんやりとした指先が肌の熱を奪って、理性が動いた。

このまま下着を見られるのヤダなんだってば!

「待って!シャワー!シャワー浴びさせて!」

「一緒に入るか?」

「嫌に決まってるでしょうッ」

私が拒むのを分かってるって余裕の顔が笑った。

自由になった身体をシャワー室に向ける。

ほとんど逃げ込む気分。

道明寺と・・・嫌じゃないけど・・・

今日じゃなくても・・・

いままでも何度かあったし・・・

全て未遂で終ってしまって今日にまで至る。

きっと、今さら私たちの関係がそこまで到達してないって誰も思ってないはずだ。

道明寺と一つになれたら少しは私の心も軽くなれるのかな?

自信を持って道明寺の隣に立つことができるのだろうか?

道明寺に身を任せるのも自然なことで拒む意味などないってことは分ってるつもりだ。

出し惜しみするほどのものがあるわけじゃない。

様は覚悟の問題!

婚約者だし、結婚するんだし、知り合って4年!

最期の4年は誰が聞いても唖然とされそうだ。

その機会があったのに致してないのは私だけのせいじゃないつもり・・・。

熱を出したのは私。

酔っぱらって寝込んだのも私。

道明寺が西田さんから緊急の呼び出しがあったのは道明寺の理由。

「お前がさっさとしないからだ!」

いきなり部屋に入った途端に床に押し倒されたら誰でもパニックになるって思う。

道明寺の中じゃあれも私がぐずぐずしてたからってことになってるんだろう。

はぁ・・・。

ため息をつきながらシャワーの蛇口をキュッとひねる。

天井から落ちてくるシャワーを頭から浴びる。

水滴がすべての悩みや不安を少しづつ私から流してくれることを祈った。

バスルームに置かれたバスローブ。

これを着れば覚悟したってこと。

悩むように脱いだ服とバスローブを何度も見比べる。

覚悟を決めてバスローブを素肌にまとった。

濡れた素肌の水滴を吸い取る様にタオル地の生地が肌に吸い付く。

心地いい温もりを身体に感じてる。

指先まで隠す長い袖。

足首まで隠す丈の長さ。

洗ってあるはずのバスローブから道明寺の匂いに体中がつつまれているような錯覚。

「道明寺・・・」

呟いて自分の腕で自分を抱きしめた後、そっとバスルームのドアを開けた。

「やっと出てきたか」

スウェットパンツを着ただけの道明寺は、濡れた髪をクシャクシャとタオルで拭きながら私の前に立つ。

道明寺もシャワー浴びてたんだ。

この屋敷にバスルームが何個あるかもまだ知らない。

均整のとれた上半身の裸体が艶めかしすぎて目のやり場に困った。

「濡れてるぞ」

自分の髪を拭いたタオルで道明寺が私の髪をふきあげる。

「いいって」

「良くねえだろう」

「途中で熱出されたら困るのは俺だ」

腰に回された腕が私を床から軽々と持ち上げる。

「スゲーブカブカだな」

からかうような道明寺の口元。

「しょうがないでしょう、道明寺のバスローブなんだから」

「色気がないとか言わないでよね」

拗ねながら緊張した心が解けていくのが分かる。

「男心そそるって知らねェえの?」

「なにが?」

「自分の肌に直接触れるバスローブを好きな女が着てるってこと」

道明寺の腕に座る格好の私を道明寺が見つめてる。

情熱と欲望が混ざり合って感じる色気。

引き寄せられるように自ら道明寺の唇にキスを落とした。

何時もと違う設定♪

花男リターンズの最初の頃の5話あたりまでのストーリーを思い出します。

司君にとっては酷な設定。

今回のお話の設定はそういうことです。

このまま結婚式までお預けだったら・・・

どうなるでしょうか? 

何処かにドS倶楽部隊の集団が見える気が(^_^;)

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

 ブログランキング・にほんブログ村へ

拍手コメント返礼

b-moka

毎日暑いですよね。

週末は子どもの体育祭なんですが天気が微妙で延期になるときついんですよね。

(更新が・・・)

関東の水不足は心配ですね。

九州の雨雲がそっちに行ってくれるといいのにな。

ドS倶楽部のメンバー会合まで開いちゃってます?

しっかり私の代わりに作戦練ってくれないかな(笑)

今回はどの手で回避されちゃうのか必死で考えてます。

熱を出した、爆睡、生理のパターンは使っちゃってますしね。

はぁ・・・。

あとは・・・

F4乱入。

あり得ないか。