DNA で苦悩する 3
新ヒロインの名前募集にたくさんの応募ありがとうございました。
結果発表♪
第1位 菜花(なのは) 33票
第2位 なずな 26票
第3位 麻由子 23票
意外と植物の名前が多かったのはつくしつながりの影響でしょうか。
ということで 菜花(なのは)に決定させていただきます。
私はなずなに一票投票させていただきました
セリ なずな ゴギョウ はこべら ホトケノザ すずな すずしろ 春の七草
中学の頃覚えた記憶があります。
関係ないですね(^_^;)
*満員電車の中を移動するのは一苦労。
僕の前を蒼が進み後から僕がついて行く。
・・・と、もう一人僕の後からついてきた。
知らない若い男性。
何気に視線をやると慌てたように顔をそむけた。
父さん・・・
SPって、千葉さん以外にも一人いたんだね。
ため息が出そうな気分を人を押し分ける感覚が振り払ってくれる。
今はそれは問題じゃない。
「大丈夫?」
彼女に声をかけた蒼を少し驚いた表情が見つめてた。
「怖かったんです」
声を上げたのは鮎川さんより一回り小さな感じの女の子。
したっ足らずの甘えた声。
同じ制服を着てるってことは同じ学校ってことだ。
「痴漢されたのって君?」
「きゃー道明寺君」
僕は君の学年もクラスも名前も知らないんだけど・・・。
蒼を押しのけて輝く瞳が僕に迫る。
本当に怖いって状況だったのだろうかって疑いたくなる。
カタッと電車が止まって目の前のドアが開く。
降りる人ごみに紛れてつかまえていたはずの痴漢が逃げ出した。
「あっ!」
追いかけるように電車から飛び降りた。
人ごみの中をかき分けるように男は逃げる。
見失わない様に追うのが精いっぱい、人ごみの中を肩がぶつかりながら走るのは初めての経験。
「駿!」
ドアが閉まって動き出した電車のドアを拳で叩いてる蒼の姿が見えた。
「どけ!」
父さんなら一発だよな。
スルスルと僕の前に飛びだした人影。
「千葉さん・・・」
「後は任せてください」
難なく人込みをすり抜けて千葉さんが見えなくなった。
まばらになったホーム。
ここどこだ?
「見かけによらず無鉄砲だね」
彼女が僕の目の前に差し出したのは僕の学生かばん。
落ち着きのある柔らかい声。
聞いていて心地いい響きの声って思えるのはさっきの甘ったるい声を聞いた反動だろうか。
「君も降りたの?」
カバンを受けとる僕にコクリとうなずく彼女。
「逃げちゃったの?」
僕の背を追い越して改札口に続く階段をじっと眺める視線。
一人で呆然としてる状況はどう見ても取り逃がした間抜けの僕でしかない。
「ごめん」
「あっ・・・そんな意味で言ったんじゃないから」
「争って怪我でもしたら大変だと思うし、巻き込んでごめん」
そう言って僕を見つめる瞳は真直ぐで輝いていて吸い込まれそうな感じがした。
「次の電車が来るまで5分はあるよ」
話を変えるようにつぶやいた彼女は空いていた椅子に腰かける。
となりに座っていいもだろうかどうか迷う僕。
座れないままに彼女の横に立って腕時計を眺めて時間を確かめるふりをした。
話しかけられるのには慣れてるのに話しかけるのに慣れてない。
教室の一番後ろの席に座る僕。
その斜め前の窓側の席に座る鮎川さん。
静かで落ち着きがって一人でいることが多い印象。
整った顔立ちに人を寄せ付けない大人びた雰囲気。
なんとなく気になっていた。
あっ・・・そうか・・・
父さんの雰囲気に似てるんだ。
誰もが振り返る容姿。
カリスマ的存在感。
クールに見える横顔。
彼女を見たら、近寄りがたい、そんな印象が残る。
「なに笑ってるの?」
「君に似た人を思い出しただけ」
「えっ?」
驚きを見せたのは一瞬で彼女の口元が優しくほころぶ。
「道明寺 駿君 それって美人の彼女?」
悪戯を仕掛けるような軽めのノリの声。
「鮎川 菜花さんって自分で美人だって思ってるんだ」
一瞬で気持ちが軽くなった感覚に僕の声も軽い。
「そんな、意味じゃないから」
わずかに染まる頬はいつものクールな印象を可愛く変えていく。
フルネームを呼ばれて照れくさい感情を抱いたのはこれが初めてだって思った。
「坊ちゃん、痴漢は掴まえましたから」
戻ってきてそう僕に声をかけたのは千葉さん。
坊ちゃんって・・・
誰がそう呼ぶんだ!
普通は坊ちゃんて名称で呼ぶことなんて非現実的だ。
気分はどん底。
隠れて護衛するつもりなら最後まで隠れてろ!
「坊ちゃんって・・・道明寺君?」
「もしかして、いいところのお坊ちゃん?」
「違う、この人は父さんの会社の部下で知り合いなんだ」
これは嘘じゃない。
焦り気味の僕を鮎川さんは余裕のある表情を見せてにっこり笑みを浮かべた。
楽しめそうだと思ったら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
asahi様
初コメありがとうございます。
うれしいです。
私の書くお話で実写化していただいてるなんて
私の頭の中では実写化して文章にしてるんですけどね(笑)
ほとんど病気だ~。
私は電車通学でしたけど物語の様な出会いはなかったなぁ(^_^;)
駿君は目立つでしょうけどね。
遠くから静かに見てるだけで満足してる女の子も登場させたいような気もしてます。
息子さんの司並みの言い間違い出来たら聞かせてください!(笑)
そして物語の中に差し込んで書いてみたいものです。
そこから話を作るという挑戦も面白そうな気がします。
何時も言い間違いを考えると時間を食っちゃうんですよね。
いいのを思いついたときはうれしいんですけどね。
ちゃむ様
駿君の正体がいつばれる?
的なハラハラ感を残してお話を進めていきたいと思ってます。
『なのは』いい名前を付けていただきました♪
おかゆ様
千葉君何をやってるんだか(^_^;)
私の書くつかつくを気に入っていただいてるなんて最高の褒め言葉です。
今日も頑張るぞ!!
舞い上がりそう♪
captain様
駿君理想の息子ですよね。
こんな息子なら何人でも~。
彼女が出来たら嫉妬心半端じゃない気がしますが(^_^;)
ニューヒロインに期待感を持っていただきうれしいです。
期待に応えられるように頑張って創作します。