DNAに惑わされ 62

ジュニアの話はなかなか進まない・・・(;^ω^)

双子の話も止まったちゃってます。

焦ってはいるんですが焦るばかりで頭がまとまらないの~

どう動かすか数手先まで読んでコマを動かしてますので確定するまでしばしお待ちください。

その間に長男坊の話をサクサクと進めたいと思ってます。

「何か忘れものでもした?」

父さんが帰ってすぐに鳴った玄関のベルの音。

父さんならベルを押す必要もなくドアを開けるはずなんだ。

ドアを半分ほど開けた動作で僕の腕が固まった。

曇り空だった天気はいつの間にか雨を降らせてしまってるようで、彼女の長い黒髪から落ちた滴がぽたりと下を濡らす。

鮎・・川・・・

名前を呼んだつもりでの声は喉に奥に張り付いた声にならなかった。

雨のあとが包みこむ鮎川の身体から白くゆらゆらと立ち上がる湯気。

冷やされてるはずの身体からの熱がゆらゆらと鮎川を陽炎のように映しだす。

初めて本気で怒ってる鮎川を見た気がした。

「誰だと思ったの?」

冷ややかに動く薄い唇。

いつもの艶やかな鮎川のキスしたくなる唇とは程遠い。

父さん・・・

嘘じゃないのに言い訳にしか聞こえないような声を吐き出せずにいる。

鮎川の疑問符で瞬時に僕は鮎川の不機嫌な理由が理解できた。

河合がここに来たこと監督から漏れたとしか思えない。

こんなにすぐどうして鮎川は知ったんだ?

撮られた写真は手に入れた。

もし流失するとして世間が知るまでは数日はかかる。

河合からしゃべることはないはずだから鮎川の耳に入るとしたら監督しかいないんだよな。

あの狸親父!

失敗した時のために第2の策を用意してたってことか?

「早く入って」

部屋には素直にというか・・・フライング気味の勢いで部屋の中に入る。

鮎川の濡れた身体を拭くためのタオルを取りにいって戻って来た僕が見たのは落ち着きなく部屋の中を見渡す鮎川の姿。

それはこの部屋にいたはずの河合の残像を探してるようだ。

「ここに、いたのは父さんだから」

鮎川の頭にすっぽりとかぶせたタオルで濡れた髪を拭くように僕は腕を動かす。

鮎川の顔を見ないほうがうまく言い訳できそうな気がした。

「河合ならこの部屋には入れてない。

トラブルを避けるためにカモフラージュの部屋が別にある。

玄関先で騒がれても困るからそっちで対処した。

この部屋に招き入れるのは鮎川だけって決めてるから」

僕の腕の動きに合わせて前後に動く鮎川の頭。

僕にされるがままの黙りこんでる鮎川が僕の言葉を信じてくれてるのかどうか不安が胸をよぎる。

拭くのをいったん止めて覗き込む鮎川の表情。

目元まで隠してるタオルの下からギュッと結んだ唇しか見えなくて表情が読み取れない。

まだ怒ってるのか・・・

信じてくれてないのかどっちだよ。

「菜・・・花・・・?」

ためらいながら久しぶりに呼んだ鮎川の下の名。

僕が苗字じゃなく下の名で呼ぶと照れくさそう笑みを浮かべる鮎川が見れる。

それが今の僕のひそかな楽しみ。

鮎川の表情を確かめたくて両手で頬を包みこんで鮎川の顔を上に持ちあげた。

「聞いてる?」

魅惑的な唇がかすかに微笑んで僕の腕の中に落ちるように胸元に鮎川の顔が擦りよせられた。

仄かな甘さとともに鮎川の温もりが腕の中に広がる。

「うそ・・・っ。

この部屋にくる女の子って私だけじゃないよね?

舞ちゃんとか駿君のママとか・・・」

僕を眉を潜めて見上げた鮎川の表情は直ぐ様、悪戯な表情を浮かべた。

誤解が解けた鮎川が本来の鮎川の性格を取りもどしてる。

冷静に僕を振り回す小悪魔的な微笑み。

「あの二人は僕の中じゃ女子には分類されてないから」

おどけるように答えた僕の脳裏には、ひょこっと父さんが戻って聞かれたら僕はぶん殴られてるって危ない妄想も浮かんでしまった。

「昼間、先輩といた私に慌ててる駿君がうれしかったんだけど・・・

パパと河合さんの携帯でのやり取りを聞いて・・・

どういうことかパパに詰め寄って全部吐かせて・・・

こんなに自分が落ち着けなくなるって思わなくて・・・」

胸元にこもる鮎川の声。

最後にすべての思いを吐き出すように大きく吐いた鮎川の吐息があまく僕の胸元を揺らす。

衝動的に腕に力が入って鮎川の身体を抱きしめていた。

「濡れちゃうよ」

鮎川の腕が押しやった胸元はわずかに鮎川から水気を吸いとってる。

「あっ、このままだと風邪ひくからシャワー浴びてよ。

その間に服を乾かせて・・・」

必要以上に感じる鮎川の視線。

「べっに、変な意味はないから!

服が乾いたら送っていくから」

ドキッと心臓が高鳴ってどぎまぎしてるのはきっと僕のほう。

これ以上焦った姿を鮎川にさらすのは不本意

「しっかり、温まるまで出てくるなよな」

僕としては横柄な命令口調でタオルを押し付けるように鮎川の胸に押し付けた。

「一緒に入らないの?」

珍しく間の空いた後でタオルで半分顔を隠したまま鮎川の声。

僕を見上げる鮎川の瞳は笑みを浮かべてる。

からかってるだろ!

鮎川の腕を掴んで強引に脱衣所に押し込んで僕はドアを閉めた。

これ以上焦らせんなよ。

一緒に入るっていったら・・・

鮎川のほうが焦ったんだだろうか?

脱衣所のドアに背中を押しつけたまま首を後ろに回す。

鮎川の腕が上着を脱ぐ動作がちらりと見えて僕は慌てて首をもとに戻した。

アブねぇっ。

拍手コメント返礼

りり 様

やっと更新できました。

この続きですよね?

ドキドキと期待に胸を膨らませてる駿君ファンの方多いと思います♪

スリーシスターズ 様

司なら一緒にお風呂に入っちゃいそうですよね。

積極的にここから菜花ちゃんが仕掛けたら面白いと思いますが駿君の理性はどこまであるのでしょうか?

気になるところです。

アーティーチョーク 様

翔五郎さん自分で墓穴ほった気がしませんか?

菜花ちゃんを贈ったようなもの~

その上に彩華さんに愛想つかされる危険性もありますからね。

彼女がシャワー中に彼氏はなにを思うのでしょうね~。

あやや

>道明寺の跡取りっぽいカッコいい駿君が見たい!

おーーーっこれは!

F4をそばで見てる駿君ならみんなのいいとこどりでかっこよさをスマートに見せてくれそうですよね。

そんな活躍を見せる駿君確かに見たい!