復活LOVE プロローグ
愛を叫べ!終わったのに~
パラレル物の新作を更新と思っていた私の考えは数日で脆くも崩れ去りました。
友の誘惑は無視しようと決めてたのよ~
それなのに・・・
あ~それなのに~
某所のサークルの皆様の熱いLINEトークが私の心に火をつけました。
新曲・・・
じゃなかった・・・
新作をお楽しみください。
もちろんBGMは某アイドルで♪
「コーヒー、どうぞ」
私の差し出した紙コップを遠慮がちに受け取ったのはSPの相葉さん。
「アッ」
口に含んだとたん顔をしかめてコーヒー吐きだしそうな表情を相葉さんが見せる。
飲む前しっかりフーフーって口で吹いていたのに?
そんなに猫舌だった?
そこまで熱いかな?
一口含んだ私の口の中で舌が熱さを感じて「アッ」と私も声を出してしまってた。
向かい合った顔は自然と笑みがこぼれた。
和んだ私の笑みとは対照的に相葉さんのなんだかさみしそうな微笑みが私の心に影を落とした。
「代表遅いですね」
そっ。
いきなり相葉さんが事務所に来て執務室まで連れて来られた私。
それなのに執務室には私を呼びつけた主は姿を見せていない。
一秒も無駄にできないって切羽詰った表情で私を連れてきた相葉さんと二人でソファーで膝を向かわせて座っている。
「人を待たせるなら呼びつけないで欲しい」
ぶつぶつとつぶやく私に向ける相葉さんのまなざし。
大学時代から私を身近で守ってくれていた相葉さんに私は絶大の信頼をもつ。
道明寺にも私にも媚びる感じがなくてお兄ちゃんみたいな包容力で親しみを感じてる。
「俺を待たせるのはつくしくらいだ!
って、いつも代表はおっしゃってますよ」
道明寺の声色を真似た相葉さんの声。
「似てますね」
横柄な感じはよく特徴をとらえてる。
何気なく私の不満を解消するすべを心得てる相葉さん。
それでも少しいつもの相葉さんと違う気がした。
「なにか、心配事でもあるんですか?
それに今日は千葉さんいないんですね」
いつもならこのコンビ+数名の道明寺SP軍団。
道明寺が私にSPを回すと気は必ずと言っていいほどこの二人が顔を見せる。
「千葉がいなくて寂しいですか?」
「寂しいのは相葉さんじゃなくて?」
以前ならこんな質問をされたら予想外の質問に狼狽えてたであろう私。
さらりと返せてる自分に気分が上昇してる。
浮かれちゃだめ。
ここは普段と違う相葉さんの心の声は引きださなきゃいけないんだから。
「諒君は元気ですか?」
相葉さんの一人息子の相葉諒君この春小学校に入学したばかり。
奥さんとは学生結婚したけど離婚したのは諒君が3歳の時。
相葉さんは諒君を引きとって育てているシングルファザー。
定時で帰れないことも多いSPの仕事がよくできるって思っていたら両親が近くに住んでいて手伝ってもらってるらしい。
「諒は今、母親と会ってるから楽しんでるはずですよ」
湯気の消えたコーヒーを言葉を流し込むように一気に相葉さんが飲み干した。
それで、相葉さんに気になってしょうがない?
先輩、諒君がいないとすごく機嫌が悪いんですよ。
そんなことを千葉さんから耳打ちされたことを思いだして納得した。
「だからこれは、この案で強引に推し進めろ!」
突然開かれた扉。
威圧的な声に他を寄せ付けないエネルギーのオーラをまき散らして帰ってきた道明寺。
そんな道明寺が部下のさしだした書類をにちらりと一瞬視線を落として、そのまま奪った書類を後ろに投げ飛ばすのが見えた。
宙を飛んだ書類を受け止めたのは千葉さん。
受け取った書類は何事もなかったように西田の手に渡ってる。
慣れてる連携プレーを見せる。
「おせーぞ」
ジロリと不愉快さをにじませた道明寺の鋭い視線は私と相葉さんに向けらえてる。
遅いって!なに。
待たせたのはソッチ!
とばっちりはごめんだというように道明寺につき従っていた西田さんも千葉さんも道明寺を残して執務室から出ていった。
行動が早すぎッ。
その数秒遅れで相葉さんも執務室から出ていこうと行動を移してる。
この状況で私たちの言い合いが始まるのは予測可能とすでに避難の体制が整う執務室。
「相葉、待て」
道明寺の横を通りすぎたところで相葉さん足が止まる。
一呼吸置いた相葉さんが身体の向きを道明寺に向けた。
道明寺の不機嫌な理由って・・・
仕事じゃ無いの?
相葉さん・・・何もしてないと思うけど・・・
なぜ道明寺は相葉さんを止めたんだろう?
「こいつを連れて来いとは言ったが、仲良くしてろとは頼んでねぇよな?」
頼むッて・・・
道明寺のその態度はどう見ても頼むって態度じゃないから・・・
こんな時たいていの人は逆らわず嵐が去るのを待つ感じになる。
「あのね、道明寺がいないからでしょう」
「はぁ?」
道明寺は鋭く身体を反転させて相葉さんに背を向ける。
道明寺の気が私に向いたところで、大抵ほっと胸をなでおろしたみんなが私に道明寺を任せるのがいつもの流れ。
あとはお願いしますって哀願が部屋中に漂うんだから。
・・・って、どれだけ私も慣らされてるんだろう。
「お前は、俺がいないと誰とでも仲良くなるのかよ」
「誰もって、相葉さんだよ。それにコーヒーを飲んでただけだし」
「おとなしく一人で待つこともできないのか」
グイと道明寺の身体が私に寄せられる。
その威圧感で膝から崩れ落ちるように私はソファーに座りこんだ。
私を挟むようにソファーの背に両手をついた道明寺の顔が迫る。
近いッ・・・
道明寺から思わずそむけた顔。
頬に感じる道明寺の気配。
「俺以外の男に笑顔を向けるな」
耳孔に低い低音と一緒に吹き込まれる吐息。
ビクンと鎖骨あたりから過敏に神経が震えてる。
耳孔から入り込んでくる甘い熱に細胞が染まって体中に広がりを見せ始めてる。
これ以上は無理というように耳元を私の手のひらで塞いだ。
「わ・・わ・・・私を呼びつけた理由はなに?」
震える声に動揺してるのが自分でもわかる。
早く打つ鼓動の音まで道明寺にばれてるような気がする。
口角を軽く上げた道明寺の意地悪な微笑みがらりと向けた視線の先で見えた。
その顔は何か企んでるような・・・。
そんないやな予感がした。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
復活LOVE始めちゃいました~
もう泣きの状態ですよ。
それでも心を決めればサクサクと書き上げたいのです。
今回の影の主役は相葉さんです。
相葉さんのもと奥さんも登場予定ですのでいつもよりお話は複雑になっちゃうかな。
葉っぱコンビの活躍も楽めるお話になると思います。
歩くみかん箱様
西田さんには焼きもちやかないのかしら?と最近思い始めています。
何か企む感じの司君♪
何を何するつもりなのかしら?
次回ご期待!