DNAに惑わされ 60

部屋にあげちゃった駿君の株は急暴落気味。

いや~

まさかこれほどの非難がある日が駿君に訪れるとは・・・(;^ω^)

もう~ダメだよ駿君、菜花ちゃん以外の女の子を家にいれちゃ~

このくらいの反応の想定でした。

でも!でも!でもでも!

実はにんまりとしております。

その理由は続きからどうぞ。

「気が済んだ?」

冷めていくのは身体だけじゃなく心のほうが早い。

「言うことはそれだけ?」

僕の胸元から離れた見上げた潤んだ瞳。

不満の色合いをのせた瞳に気の強い性格が垣間見える。

抱き付かれてる間の時間が僕を冷静させる。

河合が僕に好意を寄せてるのは撮影現場でも気が付いていた。

それなりにスルーして連絡先も教えなかったし鮎川の存在を何気なくにおわせていたつもりだ。

あのパティーで鮎川をエスコートしたのも効果はあったはずだ。

僕の住所を彼女に教えたのが監督だとしたら厄介だと思ったのが根底にある。

彼女を僕のそばに送りこもくだけじゃ芸がなさすぎだもの。

ほかになにか企んでる気がしてしょうがなかった。

「自分に興味を示さない男にいつまでこうしてるつもり?」

「今からでも興味沸くかもしれないわよ」

媚びを売るように見上げた瞳がゆっくりと閉じて首に回してきた腕が彼女の顔を僕に近づける。

「1000%ない」

唇がもう少しで触れあう距離で彼女が片目をちらりと開く。

「さすが女優だよね。

監督とどんな取引したの?」

「まさか、それを聞くために私を家の中に入れたの?」

「マンションの花壇の茂みの中に誰か隠れていたろう?」

「知ないわよ」

僕から離れた彼女はプイと顔を横に背けた。

わずかに震える唇を隠すように彼女は唇を噛んでる。

彼氏と密会スクープ

河合熱愛とか

マンションの前で写真を撮らせるッてありがちな手。

監督にしたらこの記事て鮎川が僕に愛想を尽かせば万々歳ってとこだろうか。

それともこの写真で次回作に渋る僕を脅迫するつもりとか?

あのおっさん!

鮎川の父親じゃなかったら完全無視できるんだけどな。

「ビービー」

聞こえてきたのは玄関のチャイムの音。

それと同時に入ってきたのは3人の男。

よれたシャツにはきさらした生地の擦れたジーパンの男を真ん中に左右の肩をつかん押さえつける床に押さえつけてるのは道明寺専属のSP。

「写真撮らせてたんだ」

男の首にはジタルカメラがぶらりと垂れ下がってる。

僕が道明寺の家を出てからも隠れて配置されてる護衛。

僕が嫌がるからいつもはそれほど厳重じゃない。

この前のパティーでマスコミに騒がれそうになっていたからここ最近は念のためだと父さんが護衛を厳重にしてたその矢先。

マンションの周りに不審者がいるとすぐ連絡が行くようになってる。

そしてその画像は知り合いかどうか僕に確かめさせるためメールで送られてくる仕組み。

マンションで待ち伏せしてるのが画像じゃ河合だって確信が持てなかったけど。

「離してよ、一人で出ていくから!」

彼女を連れだそうしたSPを振り払うよう河合。

「私・・・失敗したんだ。

それでもシュンが好きなのは本当だから」

リビングを出ていく途中で足を止めた。

振り返らないまま見せたその姿は背中が泣いているように感じた。

本気なのか演技なのか・・・

横に立つSPの戸惑った表情が僕を振り返る。

だまされるなよ千葉さん。

みんなが出ていって静かになった部屋に僕は一人。

千葉さんと相葉さんが来てるってことは!

まさか・・・

二人はいつもは父さんと母さんの護衛についてる。

転がるように部屋を出て一階ぶん階段を駆け上がった。

本当の僕の住まいは1階上。

河合を連れて入った部屋はダミーの部屋。

もしもの時のためってことで準備していた部屋。

怪しい時はこっちに部屋に入れ。

そして部屋の電気をつけたらそのあとにSPが来るって流れになってなっていた。

ダミーの部屋のに生活感を出さなきゃだめって母さんが張り切って部屋の準備をして家族写真まで飾って帰っていったのは一週間前の出来事。

こんなに早く使う羽目になるとは思ってなかった。

「遅い」

勢いよく開けた玄関のドア。

リビングに向かう廊下の壁にもたれかかる長身。

ピリッとした空気と一緒に吐き出された低めの声。

大丈夫か?

なんて、いたわりとか不安とか少しも感じさせない威圧感。

千葉さん相葉さんだけでも十分なのにどうして父さんまで来るの?

そう暇じゃないはずだよね?

「あれくらい、一人で解決しろ」

そう言って僕をようやく見た父さんがにんまりと笑った。

拍手コメント返礼

ソフィ 様

ソフィ 様に脱帽と言ってもらえるとムフフってなりますね。

駿君のトラブル対策でどんなことしてるかなと考えときに、SPを目立たないようにつけてるのは当たり前。

ほかに何かないか、そしてそれをうまく使ったお話し作れないかと考えて随分前からお話を組み立てていたんです。

長かったなぁ・・・(;^ω^)

スリーシスターズ 様

うんうん駿君のやさしさの中には確かに司の遺伝子ありますよね。

つくし程お人よしじゃない。

司君も葉っぱコンビも登場しちゃって賑やかになっちゃいました。

さて・・・つくしはどこ?

りり 様

やることがやっぱり庶民とは違いますよね。

ほかにもいくつかお金にいと目をつけない対策とられてたりして・・・(;^ω^)

アーティーチョーク 様

お~♪

今年初コメですね。

ありがとうございます。

駿の安全のためにいろんな対策が立てられてることだと思いますよね。

天下の道明寺財閥の御曹司警備は国賓級なはず。

さてここからの展開は?

司の説教ってあんまり似合わない気がします。

それとも一応父親ぶるのかしら?