史上最強の Birthday 4

来た!来た!キタッーーーーー

司君おめでとう~♪

今回の誕生日はいくつかしら?

25?26?このあたりになるのかな?

順風満帆の人生を歩んでますよね。

つくしちゃんからのプレゼント♪

双子妊娠中ですから無理は禁物ですもんね。

お☆様は別な機会に振り分けさせていただきます。

 *

プレゼント・・・

面と向かって聞かれるとこれがなかなか渡せなくなるもの。

催促してるというより期待してるその表情は、妙に色っぽくて、艶やかで・・・

その気がなくてもその気にさせられる甘い囁き。

司の色気ただ漏れは今に始まった事じゃないけど慣れてるはずの私でも言葉を発することを忘れてしまう瞬間。

「おい?」

うっ・・・

近すぎるくらいに近かずいてきた綺麗な顔。

少し顔を動かせば唇が触れそうになる近さ。

最近少し大きくなったお腹が邪魔してることに気が付いて吹き出しそうになった。

「誕生日おめでとう」

吹き出した声のままとってつけたようなおめでとうの声。

「今更か?」

目の前で緩んだ唇は意外と嬉しそうに微笑む。

「お前がプレゼントだったこともあるよな?」

思案顔の道明寺の瞳はにんまりと笑ってる。

大きな箱に入って飛びだしたり自分の身体にリボンを結びつけたり。

今考えても恥ずかし過ぎることをやっちゃっていたよね。

あれはF3とか西田さんにノセせられたらだけだから。

大体何でも手に入っちゃう道明寺に何を贈ればいいのか分からない私に『牧野自身』とおだてにのってしまったのは学生時代のこと。

今は無理というかできないアホラシサ。

それに箱に入ってたの私だけじゃないよね。

「なんだよ」

じっと私を見つめていた司の表情が訝しく変わる。

「司も箱に言ってたことあったよね?」

「俺を見て、いらないとか叫んで逃げられてことは覚えてる」

「今日は逃がさねぇ」

グイと突然つかまれた手首。

それを嫌だと思う感情は今の私にはどこにもない。

乱暴に見える仕草もその奥に私の思うやさしさが見えるから。

賑やかな雑音から少し離れた壁際。

そこに置かれてソファーに私を座らせてくれた。

「疲れるだろうから、無理するな」

私の腕を離した司の左手首には駿が贈ったキャラクターの時計。

高級スーツから見えるそのミスマッチさになんとも言えずに頬が緩んだ。

「この時計選んだの駿だけど支払いは私だから」

1980円の時計のプレゼントは今までのプレゼントの最低額だって思う。

「お前からのプレゼントにしても安すぎだろうが」

「あのね、私と司の年収の額から言ったら、私の誕生日プレゼントと同等じゃないのかな?」

俺にしたら最低額のプレゼントだったとかあの時少し悔やんだ表情を見せた司。

値段じゃないから・・・

駿と二人で私への誕生日プレゼントを選んでくれたことが何よりもうれしくてしょうがなくて、今日もしっかり私の腕にブレスレットが光ってる。

駿から贈られた時計にきっと今の司も私と同じように思ってくれてると思ってる。

「俺の望むプレゼントはこの時計より安いって思うぞ」

時計より安いって・・・

1980円以下・・・?

なに?

特売の広告を思い浮かべて考える。

司が欲しがるようなものがあの中にあったかな?

「すーげー安いぞ。

でもお前にしかプレゼントできないけどな」

膝を折った道明寺の期待する表情が目の前に迫る。

えーと・・・

それは・・・

ドキッと鳴った胸元を両手で覆うように交差させた。

妊娠して・・・

双子で・・・

駿のときよりお腹が大きくて・・・

司の相手が最近できてなくて・・・

我慢してもらってるけど・・・

もう少し・・・あと少し・・・

ネッ・・・

我慢してもらわなきゃダメだって・・・

「勘違いすんな。

お前に無理させられねぇのはわかってるから。

言葉で十分なんだよ」

目の前の唇は無言のままでアイシテルの形を私に伝えてきた。

今更ですか?

ほら、言えよ。

そう催促する瞳が私を捉えてる。

「あ・・・・っ」

言いかけた時に近づいてきた3つの艶やかなオーラ。

その真ん中に小さくても目立つ明るいオーラが一つ。

私の前にひざまずいてるパパを何してるのと不思議そうな顔で見つめてる。

何かを感じたのか後ろを振り返った司。

そのままごまかしてくれればいいのにもう一度私に視線を戻してきた。

その表情は全く動じてなくて私の告白を聞くのをあきらめていない。

ここで?

今?

言うの?

花沢類も、西門さんも、美作さんも・・・

そして駿もいるって言うのに!

「アイシテル・・・」

消え入りそうな小さな声でつぶやいた

「はぁ?聞こえねぇぞ」

わざとらしく司が耳に手を添えて私に向ける。

ちらりと上に向けた私の視線は司の考えをすべて察知した顔を三つ見つけてしまった。

笑いをこらえるように唇をかみしめてる西門さん。

ぷっと音を漏らした美作さんは顔を横に背けてる。

駿を抱き上げた花沢類と二人並んだのは二つの微笑み。

「愛してる」

必死で絞りだした声は叫び声の領域。

色気も甘さもあったものじゃない。

司の表情もみんなの顔も見れそうもなくて両手で顔を覆った。

もう!

箱から飛び出した時より恥ずかしくてしょうがなかった。

拍手コメント返礼

スリーシスターズ 様

どんな高価なプレゼントよりも司がうれしがるものはこれだと思うんですよね。

強制しても恥ずかしがってなかなかつくしちゃん言ってくれないでしょうしね。

あと10年もすれば慣れるかしら?

こんなやり取りの司とつくしを見てるF3も楽しんじゃってるだろうなぁ。

駿君は記憶に残るでしょうか?

りり 様

つくしがくれるものなら司は物じゃなくてもアイシテルの言葉だけで満足なんですよね。

滅多に言ってくれないからなおさらね♪

餌!「ワン」のごとくつくしちゃんが言ってくれるように調教できたら楽しいかも♪