DNAに惑わされ 49
おはようございます。
今日から連載のお話に戻します。
こそっとした時間を見つけたらPW付きのお話も少しづつ書いてるところです。
ただいま5分の1ほど書き上げています。
出来上がりましたらUPしますのでもうしばらくお待ちください。
真夏の夜の夢で終わったりして・・・(;^ω^)
今回の青葉君ママ
何を隠そう迷う羊~で登場した塚原真美氏その人です。
隠してないか・・・(;^ω^)
一癖あるオリキャラでしたが人気あるんですよね。
それでは久々の真美劇場でお楽しみください。
「道明寺さん」
鼻から抜ける高い声。
どこかで見た顔。
この顔にピンときたら110ってどっかに書いてなかったか?
「塚原さん・・・?」
小さくつぶやくようなつくしの声に自分の不愉快な思いは間違いじゃなかったと気が付いた。
昔、まだつくしが大学生だったころ会社訪問してた時に一緒にいた勘違い女。
何言っても響かない自分の都合のいいように物事を解釈する女。
俺に惚れらてるってどこどう見たらそう思えるのか結局俺には理解できなかった。
そいつの横には駿とその息子らしいガキ。
見た目は親父そっくりだが作りだす雰囲気は母親のほうに似てる気がした。
ゆっくりと進める歩みは半径1メートルまで間を詰める。
その中心に身体を入れこんだのは駿。
それくらいじゃ壁にはならないと思うけどな。
「道明寺さんお久しぶりです。何年ぶりかしら?」
こいつの視線は完全に俺の横にいるつくしは無視。
少し首を傾げて人差し指を頬に立てて考えるそぶりに笑える。
20年は進歩してないであろうかわいこぶってるってやつ。
吐くッ。
「気安く俺の名前を呼ぶな」
おとなしく相手をしたらどうなるか読めない相手。
「本当に久しぶり」
俺の胸元に肩を押し込むようにしてつくしが割って入ってきた。
「邪魔だ」
つくしを後ろに追いやったのはこいつに嫌な思いをさせたくないための庇う行為。
目の前の女がほかの招待客がつくしに敬意を示すように接するとは思えないとう直観。
「ごめんなさい、
いまだに私が主人を選んだことを忘れてないのね」
ため息交じりに閉じた瞼。
物思いにふける表情はいったい何を憂いでるのか。
わからない・・・
こいつ・・・何を言ってる。
忘れてないってお前が結婚したことも知らねぇよ。
つくしと俺と二人きょとんとなった表情で見つめ合った数秒の間。
「ママね、大学生の頃道明寺さんに・・・キャー
でもね断ったから、数馬ちゃんが今ここにいるのよ」
キャーってなんだ?
俺がいつお前に言い寄った。
『俺は牧野と別れるつもりはない。
お前のことなんて120%興味ねぇから消えろ!』
はっきり拒否してそのショックで塚原が倒れこんだことまでだんだんと思いだしてきた。
なんも勘違いさせるようなとこねぇだろうがぁぁぁぁぁ。
「司!」
ガシッと右腕をつくしの両手がしっかりと握ってる。
動くな!
首輪についた鎖を強く引かれてる感じで握んじゃねぇよ。
実被害がねぇからいいけど。
塚原がどう誇大妄想で話しても信じるやつはいないって思う。
俺がこいつにべたぼれなのは周知の事実ってやつだ。
駿もわかってるようで同情的な瞳で青葉の家族を見てる。
「相手にしてもこっちが疲れるだけだ」
つくしの耳元で小さくつぶやく声。
「・・・塚原さんって・・・
ここまでひどかったけ・・・」
わずかに背伸びをして近づいたつくし口元は俺の耳元より唇に近い。
「興味ねぇし。心配するな」
言葉を発する途中で幾度か触れ合う唇。
腰に回した腕は身体を引こうとするつくしを拒む。
わざとらしく触れた唇はキスというにはあまりにもソフト。
「あのさ・・・
鮎川をいること忘れないでくれる」
呆れたというよりはわずかに怒ってる色合いをにじませてる駿。
「お前に、見せつけてるんじゃんねぇよ」
「見たくて見たわけじゃないから」
駿には珍しい反論。
俺に口答えするなんて上等じゃねぇか。
「駿、うらやましいんだろ」
グイと駿の首に腕を回して脇の間に挟みこむ。
「うらやましがってるわけない」
首を上に捻って強気な瞳が俺を見つめる。
こんなとこはつくしソックリで思わずどきっとなる。
「道明寺!なに失礼な態度とってる」
「すいません、こいつこんなとこ来るの初めてで、慣れてなくて、不作法なんです」
俺から駿を引き離したのは塚原の息子。
確か・・・数馬って言ってたよな。
駿と同級生といってたよな?
駿が学校で俺の息子ってばれないように生活してるのは知ってるが・・・
この状況で、俺と駿が並んで、苗字も同じ道明寺で・・・
気が付かないってこと自体が不思議。
「お前も謝れ、このお方は道成寺HDの代表なんだぞ。
誰でも会えるわけじゃないんだからな」
塚原よりも俺に敬意を持ってるようだが根本は一緒に思える。
駿の頭に伸ばした青葉の手は必死に駿の頭を下げさせようと試みてるが一向に頭の下げる気配を見せない駿。
当たり前だか・・・。
これ、どうする気だ?
そんな視線を送って長男坊の反応を待った。