ANSWER 30

お待たせしました。

佑君&恭介様♪

8月はまだ更新してませんでした(;^ω^)

二人の話に戻る前に思いだしてもらいたいことが一つ。

駿君が薫子ちゃん送っていたんですよね。

その辺を交えてのお話から再開させていただきます♪

「おはよう、気分はどう?」

「あっ・・・お兄ちゃん」

母親そっくりの微笑みを浮かべる舞に安心した。

時間に余裕のない両親に変わって迎えに来た時間に余裕のある僕。

ベットにぽつんと座ってる舞は少し寝不足の表情で僕に笑いかける。

「あの事故で大した怪我もなかったのは奇跡だな」

舞の横に腰を下ろしてぽんと軽く頭を撫でる。

「佑が声をかけてくれなかったら、瓦礫の下敷きだったかもしないけどね。

ほんと、30センチ先で大きなセメントが顔の横だったんだから」

腕に巻いたの包帯と絆創膏。

一日の入院で済んだのは本当に奇跡だって思う。

爆発のあとに起こった火災。

すぐに沈下されたから負傷者も最小限で済んだと今日の朝のニュースに流れた。

「舞を助けてくれたのもう一人いたんだよな?」

舞と一緒に閉じこめられたのは大内恭介。

人を寄せ付けない雰囲気のあるやつって印象。

「先輩が冷静だったから私も不安を感じなくて、助けられたって思うけどね」

僕から視線を外してうつむき加減の舞の口元にはにかんだ笑みが浮かんでる。

以前舞が言っていた大っ嫌い先輩と同一人物だったよな。

「先輩の印象が変わった?」

「え?」

「頼りになるとか、見直したとか?」

危険な時を一緒に過ごした相手に好意を抱くのはそんなに不思議なことじゃない。

「それがないとは言わないけど・・・」

「気になるのは先輩より佑のことって顔だな」

少し間をおいて考え込んで大きく見開いた瞳が僕を見つめた。

「だって、ごめんって謝るんだもの。

佑が謝る必要なんてないってお兄ちゃんも思うでしょう」

舞のその顔は佑のことを心配してるって表情。

舞の不眠の原因ってこれか。

「舞の言い分もわかるけど佑の気持ちも分かるからなぁ。舞が気にする必要はないって思う。

気にされると佑もそこからはなれられないぞ」

「意味わからないよ」

僕から佑に気にするなって言うつもりはないからそれに対する不満でいっぱいの表情で遠慮なく舞は僕を責める。

そうむくれるな。

「そのうち舞にも僕の言った意味がわかるよ」

「お兄ちゃん・・・」

僕の後ろをついて歩いてた甘えん坊の舞に戻った表情。

「舞、着替えて帰る準備しといて。

その間、佑でも見舞ってくるかな」

ベッドから立ち上がった僕をじーと舞が見つめる。

「なにか、伝えることある?」

「怪我大丈夫かってくらいかな」

その言葉の奥にもっと言いたいことはたぶんある。

ぐるぐると考えてることを隠すように慌てた口調の舞。

「また、後でな」

クスッとした笑いがこみあげる胸の奥。

いつまでも妹は小さいままでいたはずなのに、鮎川と知り合った頃の自分との記憶にを重ねてあの頃の甘酸っぱい想いがよみがえる。

今はいっぱい悩め。

舞の病室を出た後に向かう佑の病室。

すでにベッドから起き上がって着替えの済んだ佑。

もう一人はベッドの上に半身を起こして窓から外を向ける視線。

入っていた僕に気が付かないのか・・・

単に興味がないのか・・・

無反応な態度の冷ややかな背中を向けたまま。

このクールな雰囲気を崩したい。

そんな悪戯心が芽生えたのはほんの気まぐれ。

「本城さんだっけ、昨日は家までちゃんと送っていったから」

かすかに彼の身体がピックと反応したように思えた。

「彼女随分君のこと心配してたよ。まだ来てないんだ?」

部屋にいないことは分かってるのに部屋の隅々を見渡す視線。

病室を出てからも車に乗った後も恭様、恭様。

恭介様だけしか見てないってまっすぐすぎるくらいの思い。

のろけは聞きすぎるとうんざりしてくるものなんだけど、それなのに彼女の告げる大内恭介は魅力的で、いい奴で、彼女の言葉やしぐさの一つ一つが愛情にあふれてて、幸せそうに話す彼女が微笑ましくて家に送るまで相槌を打っていた。

「一人のほうが楽なんで」

やっと反応を見せて俺に向き合った大内。

冷静というよりは冷めた表情は相変わらずの冷ややかさ。

年下に思えないクールな空気は一瞬にして主導権を握る。

佑・・・

よくこいつと一晩過ごせたよな。

それが率直な感想。

このタイプには慣れてるっていえば慣れてる。

一番身近に父さんがいるし。

まあ、母さんがいるから僕らが困ることはほとんどない。

話しかけるなの雰囲気でつくるバリアー。

なかなかのもの。

「舞は大丈夫ですか?」

中越しに聞こえた声が僕を引き戻す。

「舞は元気だよ。

佑も大丈夫そうだな?」

「怪我って程じゃないですから」

「怪我したの頭だろう?無理は禁物じゃないの?」

「おおげさに検査されたから、そっちのほうがつかれたかな」

「それはしょうがないよな」

道明寺にしても美作にしても日本有数の財閥。

ちょっとの怪我でも医者集団が結成されてしまう。

小さいころブランコから落ちでできた擦り傷。

普通なら絆創膏一つ貼るだけで済むはずが道明寺指定病院に運ばれてしまった。

「そこまでする必要ないでしょ」

「俺の大事な息子だぞ、念には念を入れてもいれ過ぎってことはない」

あの時の両親の言い合いは今でも記憶に刷り込まれてる。

それに比べれば今回は真ともな分類に入るって思う。

「おはようございます」

ふわっとした穏やかな風。

部屋の入り口で頭を下げたのは本城薫子。

そのうしろに舞の姿も見えた。

拍手コメント返礼

ごえもん 様

大学生の駿君大人ですよね~

誰かの大学時代より落ち着いた大人の雰囲気持ってるような気もします。