愛を叫べ! 23
このお話も終わりが近づいています。
最後まで坊ちゃんに胸キュンしたいと言う基本精神で進ませてもらってます。 ← 私が思ってるだけだったりして・・・(;^ω^)
頭の中では『J』を想像してセリフを言わせちゃってますけどね。
いい大人が何を妄想してるのか・・・笑わないで~
「いきなりなんてことするのよ」
突然唇を奪われたその顔は耳まで真っ赤。
きょろきょろとあたりを気にするところは日本と変わらない反応。
「もう一度あたりを見てみろ」
「え?」
きょとんとなった顔はさっきと同じ流れで視線を動かす。
そして絶句。
「俺らだけじゃねぇだろう?」
にんまりと笑った俺はつくしの肩に腕を回した。
街の中を流れる大きな運河にかかる石橋。
欄干にもたれかかった男女が微笑みあって甘く見つめあいながらささやきあう唇がチュと触れあう。
男の腕の中に持たれるかかるように首を寄せてそっと肩にかかった手のひらに女の手が重なった。
そんないちゃころなカップルは一組だけじゃない。
運河の中を観光船がゆっくりと進むその船上の初老の男女。
白髪交じりの男性が俺たちに気が付いたようににこやかに手を振るのが見えた。
つくしの瞳には映っちゃいないみたいだけどな。
「誰も気にしてねぇよ。」
俺たちより濃厚なキスを繰り広げる男女。
舌を絡め合い身体をなぞる指先。
そいつらも俺らのことなんて眼中にない二人だけの世界を作ってる。
「これなら、私たちのキスってあいさつみたいなものだね」
さっきより茹で上がったつくしはしどろもどろ。
俺に背を向けて欄干にひれ伏してつくため息。
「お前が望めは俺はもっと甘くできるけどな」
つくしの背中ら覆うように腕を伸ばしてつくしを挟んだまま両方の手の平を欄干に置いた。
ひんやりとした石の感触とがここちいい。
そよ風が水面を揺らして小さく波をつくる。
俺にすっぽりと包まれたつくしはさっきから微動だにしてない。
俺の言葉は無視かよ。
恥ずかしがり屋のお前が答えるわけねぇのはわかっていて攻める俺。
抱きしめるように欄干から離した腕をつくしの胸元で交差させた。
自然と触れあった頬の熱が互いの温もりを混じりあわせて同じ熱さにかわる。
「覚悟が足らないなぁ・・・」
ぽつりとつぶやくつくしの声が胸元のおれの手の甲に触れる。
「覚悟?」
「今日はだまされて盗まれそうになってるところを道明寺に助けられなきゃどうなっていたかわからないし。
私は道明寺の奥さんとしてしっかりやらなきゃいけないのに。
道明寺には遊ばれてる気がするし・・・モットしっかりしなきゃだめだよね」
弱気な感情はそのまま小さく息をつく。
「キスされたくらいで動揺してたら道明寺と付き合えない!」
力を入れた真剣まなざしで運河の水面を見つめてるつくし。
お前って、ほんと面白れぇ。
付き合うつーか、俺ら結婚してんだぞ?
腕にうつぶせて笑いに耐える。
「笑われるようなこと言ってないけど?」
つくしの声に笑いをこらえながら俺は顔を上げる。
1年分は笑った気になるぞ。
「なぁ、お前の覚悟って違うんじゃねぇのか?」
「えっ?」
俺を見上げる瞳はきらきらと輝いて無防備な表情を見せる。
「お前の覚悟は俺にとことん愛されるって覚悟だけあれば十分なんだよ」
「え?」
何を言われたか理解不能な表情は俺に釘づけのまま。
「アイシテル」
「え?」
ここにきても何をいってるのかわからねぇって呆けた表情が俺の目の前。
「俺はつくしを愛してる!」
欄干に両手をついて身を乗り出すように叫んだ。
「ちょっと、なに言ってるのよ!」
ようやく意識を取り戻したようにつくしが俺の身体をつかんで欄干から引き離した。
「愛を叫んでる」
にんまりと笑う俺を呆れたように見つめるつくしの顔がやさしく微笑みを浮かべた。
拍手コメント返礼
スリーシスターズ 様
節分のお話も楽しんでもらえてうれしいです。
司にとったら確かに一石二鳥の節分になりそうですよね。
つくしが抱き付きやすいように司からつくしのそばをはなれなかったりして~
結構いただいたコメントやコメントを返信してるときに話がぷかっと浮かぶこと多いんですよ。
みなさんから頂くコメントは大事なヒントの山なんでよ。
そうそすつくしちゃんも叫けばなきゃいけませんよね。
叫べるかな~
歩くみかん箱 様
スレない少女(処女?)のような のコメに爆笑させていただきました。
処女じゃないけど初心さはどこまであるんでしょうね?
司がつくしを可愛くてたまんないなんていちゃこらまで持っていきたい最終話まであと少しです。