ドッカン !! 15

今回のお話は公平君サイドからになります。

公平君に春の訪れは来るのでしょうか。

つくしに負けない女の子を紹介したいな。← よけいなお世話 By 公平

分っていたはずなのに。

つくしと道明寺がどれだけ結び付いてるのか。

大学に突然来なくなって卒業式も出席してないと思ったら結婚してた。

それでも今以上の悲しさはなかったって思う。

とうとう結婚したんだ。

諦めというよりさばさばした心境。

俺はこれで前に進めるって本当に思っていた。

修習所で再会したつくし。

結婚したことがばれたくないって思う気持ちを分からなくないから相手になった。

自宅から修習所に戻ってきたつくしの手首に残る充血の痕。

「何でもない」

俺の視線から隠すようにシャツの袖を必死で引っ張る姿がいじらしく感じてしまった。

心の奥から湧き上がる熱い思い。

傷つけられたのか?

心配な気持ちより怒りに似た感情。

「何でもないって、痕じゃないだろう!」

「まさか、ほかにもあるのか!」

素肌をつくしが俺に見せるわけがないのに確かめたい衝動。

俺から視線を外して俯くつくし。

何か言いたげな口元は閉じられたままで、表情が読めなくなった。

「俺が理由か?」

「そうじゃないから、これは単に冗談が過ぎただけ」

「こんな目にあってもあいつを庇うんだな」

つくしの必死な態度にはじめた感じたジェラシー。

心の根っこじゃ、いまだにつくしが好きだったらしい。

唐突に出現した道明寺司

たいして変わらない年齢のあいつは案内してる教官の誰より尊大で堂々としてる。

威武堂堂の四字熟語がぴったり当てはまる男はそうはない。

これがもって生まれたカリスマだとしたら嫉妬心も生まれない気がした。

どうして、そんなやつが今、全く畑の違う修習所に現れたのか。

その理由は一目瞭然。

渋めの表情がつくしを見つけた一瞬に緩まって目を細める。

そして俺に気が付いてすぐに整った顔立ちが不番そうに眉を顰めた。

眉目秀麗、誰もが振り返る美しさ。

って・・・わけじゃけしてない。

屈たくなく笑う横顔。

喜怒哀楽が全部でる表情。

時々見せる知的な雰囲気。

いつも一生懸命生きている。

・・・そんなエネルギーを放っている。

それが牧野つくしの魅力だと思ってる。

知り合った大学時代、あいつの傍にはいつも道明寺がいった。

あいつは道明寺しか見てなくて、バカとか自己中とか愚痴っているのも好きだと言っているようにしか聞こえなかった。

照れくさそうに微笑んで熱く見つめる瞳はどうしようもなく好きなんだってうらやましいくらいまっすぐで、

そんな思いを惜しげもなくつくしに溢れさてる道明寺司が羨ましくてしょうがなった。

そんなあいつらが自分達を自ら傷つけあうなんて至らない妄想。

バカげた考え。

一瞬でも疑った自分に苦笑する。

見るからに道明寺はつくしにべたぼれだ。

「松岡公平ってお前?」

冷静な表情のわりには敵対心むき出しの威圧的な低めの声。

俺の横でピクンとつくしが緊張気味に頬を引き連らせてる。

大学時代につくしに話しかけただけで殺されるて思う感情を投げつけられたってビビっていたやつらの心境が今ならわかる。

それでも後に引けない強気な気持ちでいられるのは道明寺がただの乱暴者じゃないって分ってるから。

俺の横で公平には何もさせなって気を上げてるつくし。

子犬が必死に主人を守ろうって感じの忠実さ。

それがなんとなく俺を優位に立たせてる気がした。

「そうですけど」

守る必要もない相手から子犬を取り上げたいような遊びの心境。

「何か僕に用ですか?」

クッとした笑いを隠す様に必要以上に低い声がでた。

これだと俺は道明寺と張り合ってるみたいに聞こえる。

「どんな奴か興味があっただけだ」

「女性を感情のままに傷つけるような最低なマネはしませんよ」

敵対心向き出しの道明寺に対抗したくなったのはちょっとした仕返しだったのかもしれない。

「あっ!」

俺の言葉を理解したようにつくしがとっさに腕を隠す仕草を見せる。

もう今は本気で疑ってないから。

「おい!」

俺の勘違いに気が付いたように道明寺が声を荒げる。

「そうやって、いつも脅してるんですか」

「これは脅しじゃなくて、どうみょ・・・じゃなかった・・・この人はいつもそうなの」

ここで焦ってるのは誰よりもつくしみたいだ。

「ここじゃ、注目を浴びるからどこか静かな場所にいきません・・・か?」

「それは助かる」

他人行儀な二人のやり取りに笑いをこらえるのに必死な俺。

こいつら案外いいコンビじゃねぇの?

「二人でゆっくり話がしたい」

俺の表情をどう読み違えたのか道明寺の背中からユラユラと上がる冷気が見えた気がした。

「異存はない」

強気で言わなきゃ飲み込まれる危険。

「二人って・・・」

一番落ち着きがない甲高い声。

「お前は来るな」

「公平と道明寺を二人にできるはずないでしょう!」

つくしは焦りが収まったと思ったら冷静さを忘れてる。

「道明寺さんを呼びすてた・・・」

「お前出来るか?」

「本人の前じゃ無理だろ」

「どういう関係」

遠慮がちに聞こえてきた声はぞろぞろと次の疑問を引きだしてしまってる。

「牧野つくしって・・・」

「松岡って英徳大学だったよな・・・」

「松岡と同期ってことは牧野も英徳?」

「牧野つくしに英徳、道明寺って・・・」

「婚約会見!!」

修習が始まって牧野つくしの正体は1週間でばれた。

それも自分で。

3人での話し合いのはずが結局俺は傍観者。

「俺は道明寺のままで、なんでこいつは名前を呼び捨てなんだ!」

ブッ!

拭きだしそうになった顔を隠す様に二人に背中を向けた。

結婚した嫁さんに不機嫌なる理由が名前の呼び捨てって・・・

単純というか子供じみてるというか意外と可愛いやつじゃねぇ?

確かに俺が公平で自分の旦那が道明寺なら気にくわない気持ちもわかる。

「なかなか癖が抜けなくて・・・」

「こいつのことは学生時代から公平って呼んでたってことか!」

「公平だけじゃないからね。小学校、中学校の友達はほとんど名前で呼びあってたもん」

「それで、彼氏になってって頼んだって言い訳は聞かないからな」

つくし、名前で呼んでやれよ。

道明寺に同情してる自分に苦笑した。

「ゆっくり聞かせてもらおうか」

凄んで見せられたのは俺。

「本当に、何もないからね。公平は無実」

ケンカの中心は俺のはずなのに結局二人で睨んでるのか、みつめてるだけなのか・・・。

俺はいらないんじゃないの?

「確かに、つくしが何者なのかばれましたしね。僕がつくしの彼氏をする必要はなくなったんですから」

つくし、つくしって、連呼するのは、それで変わる道明寺の不機嫌さをつくしに気が付いてほしいから。

公平ってお前が俺を呼ぶのと同じくらい嫌なはずだぞ。

「つくしは自分から弱音を吐くやつじゃないから心配なんですよ」

「結婚して、すぐ司法修習で環境も変わってそれがどれだけ大変なことかわからないですか?」

「それがお前にどう関係する」

怒り心頭の面持でも俺に手を挙げるそぶりは見せない道明寺。

感情をそのまま爆発させる学生時代のイメージはない。

これならつくしの手首に残った後も偶然だって確信できる。

「傷つけないでもらいたい」

呟いたのは最後の抵抗つーか嫌がらせみたいな最後の仕返し。

「俺が、いつ、つくしを傷つけた」

「わーーーッもういいから」

俺と道明寺の衝突を避けるように合間につくしが身体を入れ込んできた。

「道明寺は、優しいよ」

そんなこと分ってるよ。

お前に対してだけってことも。

「俺は、今のうちに講義室の騒ぎを鎮めてくるわ」

「その方がつくし・・・道明寺・・・も、帰りやすだろうから」

もう俺がつくしって道明寺の前じゃ呼べない気がする。

それが礼儀だって思えるから。

「あっ・・・ありがとう」

早く司って名前で呼んでやれよ。

声にならない心の声が胸の中で呟く。

損な役回りだよな。

公平君は騒ぎを鎮静できたのでしょうか?

意外と悪戯好きなら楽しい気がするんですが・・・

これ以上ややこしくするな!つくしに怒られそう。

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拍手コメント返礼

ソフィ様

公平君はこうじゃなくちゃって思う大人キャラなんですよね。

お互いに体調に気を付けて残暑を乗り切りましょう!

captain 様

公平君~一気に男気上げてるみたいだよ~~~。

うれしいですね。

なぜかつくしの周りはいい男が増えていく。

本気でつくしにアタックしてくる男性って現れても面白いんですけど(^_^;)

司の相手になるのは類や公平を追い越しては無理でしょうね。

そうなるとカン違い男!

ノンスタイルの井上?なんて・・・

話が崩れそうだ(^_^;)

プンちゃんのママ様

公平君のイメージは書くごとに代わってきてるんです。

最初は私の中のイメージは翔君でしたよ(笑)

現在は誰だろう・・・。

つくしをあきらめきれない公平君。

しばらくそのまま。

意外にみなさんドSなんですよね(笑)