僕らはそれを我慢する 1

意外に多いあきら&葵ファン。

後押しされて二人の新婚編も書いてみようかと思ってます。

まずは第一弾!

結婚式を終えて3日後、葵と俺は日本に帰る飛行機に乗った。

『道明寺ホールディングスと肩を並べる美作コーポレーション社長 美作あきら氏極秘結婚!極秘入籍!』

俺の横で葵が眺めてる雑誌に踊る文字。

まだ司ほどじゃないが外国での美作の知名度が上がってることを証明してる。

「極秘でも何でもないけどな」

葵だけに聞きとれるような小さな声は唇が耳朶に触れながら発する。

「ちょっ」

顔をわずかにずらして照れくさそうに頬を染める葵を逃がさない様に反対側の肩に腕をまわした。

「新婚だから大目に見てくれる」

「人目がない時で十分」

「この3日間でも足りないくらいだったんだけどな」

「えっ!足らないって・・・」

「ヴィラからほとんど出なかったのに!」

そこまで驚かれると無性にからかいたくなる。

「ヴィラというより正確にはベッドルームだけどな」

俺の横で俯く葵は耳まで真っ赤。

この初心な反応がたまらなく愛しい。

「ねぇ」

俯いたままの葵が不機嫌な声を上げる。

不機嫌になるようなことまだしてねェぞ。

「略奪愛って何?」

「んっ?」

「秘書の地位を利用してあきらに近づいてフィアンセから奪って、妊娠を盾に妻の座を手に入れたって誰のことよ」

葵の見ていた雑誌を奪いとって食い入る様に読んだ。

英文で書かれた文字に葵とは別人の女性の写真とダンスしてる俺。

外国のパーティ―じゃ、どこで撮られてもおかしくない写真。

本命の恋人の文字が読める。

英語に不自由しないのもこういう場合は誤魔化しようがない。

「この手の雑誌は嘘でも読者が喜びそうなネタを書くから、気にするな」

「気にするなって気になるに決まってるでしょ」

「妊娠もしてないし・・・」

それは知ってる。

今回の結婚式の後があるからその可能性はあると俺は思う。

「私から迫ってないし・・・」

迫ったのは俺だよ。

3回目のプロポーズでやっとOKもらえたんだから。

結婚前にこの記事が出なくて良かった。

葵が拗ねて「結婚をやめる」って言いだしたらどう責任を取るつもりだ!

「もう、見るな」

雑誌はそのままCAに手渡した。

記事になってるってことはもう、親にばれたって思っていいはずだ。

俺の母親に妹たち。

拗ねて攻めてくるあいつらを想像すると気が重くなってきた。

空港 到着ロビー。

俺たちを出迎える一之瀬が見えた。

「おかえりなさいませ」

不機嫌ににっこり笑みを浮かべるのは心臓に悪い。

聞こえてきたのは出迎えの言葉じゃなく俺を責める言葉

「私にまで内緒にして結婚式を挙げるなんて、私は信用されてないんですね」

ほとんど恨み節に近い。

葵が疲れてるみたいだからゆっくり過ごすことを考えたい。

内緒で驚かせるから飛行機に乗せてくれ。

結婚式のことは言わずに一ノ瀬のサポートだけは必要とした。

一ノ瀬じゃなくても責めたくなる気持ちはわかる。

「それは謝る」

一ノ瀬にばれると爺様に筒抜けだろうがぁ。

どこで母親と妹たちにばれるかわからない。

秘密を知ってるものは少ない方がいいに決まってる。

「お前は!」

一ノ瀬の後ろから現れたのは爺様。

「わしがどれだけ葵さんの結婚式を楽しみにしてたと思ってるのだ」

「さぞかし綺麗だったろうに・・」

掴まれた胸ぐらに爺様の顔がうずまった。

「お前は結婚できたのは誰のおかげだ」

ガバッと首をもたげて爺様の眼が怪しく光る。

「それは感謝してます」

それ以外に何が言える。

俺の横で不安そうな表情を浮かべる葵。

その手を大丈夫だと握りしめた。

「当たり前だ」

ふんぞり返る爺様がニンマリと笑った気がした。

この後の展開は考えたくない。

もう一度結婚式を挙げろ!!

言い出すに決まってるよな。

はぁ・・・

ため息が漏れた。

お楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

 ブログランキング・にほんブログ村へ

拍手コメント返礼

mi様

しっかりつかつくも絡めていきますよ♪

ぬっ・・・

なんとなく番外編で終らないような気配がします。(^_^;)

おかゆ

続編を楽しみとコメントいただけてうれしいです。

馬力百倍!!

captain様

今日は2話Upです。

ストックしないといけない筈なのに

今週は日曜日が子どもの運動会でたぶんお話をかけないのでその分を明日までに仕上げる予定なんですけどね。

つかつくとは違う感じで書けるので私も楽しんでます。

きらきら☆様

おはようございます。

結局リクエストに気をよくして続編書いちゃってます。

つかつくとは違った魅力があって♪

あきつく、そうつく、るいつくは書けないけどオリキャラとのお話なら書けそうな気がします。

双子ちゃんは何をしでかすかわからない小悪魔的な所が楽しみです。