生れる前から不眠症 5

思わぬ方向に・・・

続きが止まったままの『春光~』は総ちゃんの隠し子騒動でしたが、こちらは思わぬところで出てきたあきら君の騒動。

この二人は落とし種があってもおかしくないからなぁ~。

司と類じゃあり得ませんからね。

つい題材に取り上げたくなるんですよね。

葵ちゃんごめんね(/_;)

いくら妊娠中だからって!

不満をムッと顔に出す一ノ瀬。

秘書がそう簡単に感情を表情に出していいのか。

総二郎からの連絡を受けて3日後の今日、数年ぶりに目の前に現れた橘 理紗。

30才を超えてるはずの彼女は、別れたままの時を止めたような容姿を維持してた。

まだ20代でも通ると思われる若さ。

確かに俺は俺なりに真面目に付き合っていた。

理紗一人に夢中になったわけじゃないのがあの頃の俺。

別れを切り出したのは彼女からで、揉めることもないスマートな別れ。

それ以来会うどころか連絡も取り合ってなかった。

今の俺の携帯のどこにも昔の彼女とのつながりを探すことはできない。

こわばった表情。

蒼白気味の顔色が緊張した面持ちで「久し振りね」とつぶやいた。

外で話せない内容が飛び出すことを警戒して本社の社長室を面会の場所に選んだ。

コツコツと不満の音をわざと響かせて一ノ瀬が社長室のドアを閉めた。

一ノ瀬、聞き耳をたてるなよ。

総二郎の話が本当なら、俺は葵に責められる前に一ノ瀬に殺されそうだ。

「俺に話って、なに?」

彼女にソファーに座る様に促しながら対面に俺もソファーに腰を下ろす。

まずは穏やかな口調で言って彼女を見つめた。

「あっ、結婚おめでとうって言わなきゃね」

「どうも」

歯切れの悪い声は形だけのお祝いに聞こえた。

「あなたが、一人の女性に縛られるって想像もしなかった」

結婚前にいきなり別れた相手を責める様な感情が見え隠れする。

俺達はそこまで執着を見せられる様な関係じゃなかったはずだ。

「いまだに独身で恋愛を楽しんでる方が俺らしい?」

「私達付き合ってるときもあなたには私一人じゃなかったでしょ?」

葵と付き合うまでは、なにを言われても弁解しようのない俺。

「ごめんね、あきらを責めるのは身勝手よね」

不倫の恋愛がいつまでも続くわけがないと、それを承知で付き合っていた俺達。

哀しげな表情を浮かべた理紗に同情心が心の奥でチクリと痛む。

「そんな、事をわざわざ今頃、話に来た訳じゃないだろう」

以前の俺なら理紗を慰めるように抱き寄せてしまってたと思う。

「夫の会社が危ないの・・・」

「事業を広げ過ぎた結果だよな」

数日で知らべあげた理紗の夫の会社は銀行からの融資も受けられ無い状況を示す経営難。

もう少し、早ければ手を貸すことも出来たが今は無理だ。

会社を買収する魅力も薄い。

「助けてほしいの」

振るえる唇をかみしめながら絞り出す声。

「慈善事業をしてるわけじゃない」

彼女を追い込むように冷ややかな声で突き放す。

ブランド物のバックから取り出す一枚の写真。

小さな女の子は彼女似のかわいいらしい笑顔で写真に収まる。

「夫が認知はしてるけどあなたの子よ」

「自分の子供を路頭に迷わせないで欲しいの」

総二郎から話を聞いていたおかげで冷静さを保つことは出来た。

聞いてなかったら、写真を食い入るように見つめて、自分と似てるところを写真の中に探したはずだ。

「DNAで夫と子供との親子鑑定は否定されてるから」

写真の横に置かれたDNA鑑定の報告書。

それは彼女の夫と子供の関係を否定するもので俺との関係を証明するものじゃない。

「妊娠する前に関係があったのは夫以外はあなただけだから」

「今さら子供のことをあきらに知らせるつもりもなかったの。一生言わないつもりだったの」

「それだけは信じて」

事を暴露して優位に立った態度を彼女が見せる。

今までも何度となく見てきた計算高いやらしさが鼻につく。

「今までの生活は捨てたくないから俺に泣きついてきたわけ?」

「本当に、あなたのことが好きだったから子供を産んだのよ」

「会社がうまくいってたら俺に会いに来ようとも思ってなかったんだろう?」

今さら、なにを言われても彼女の言葉を信じ込むほど俺はガキじゃない。

「手を貸さないって言ったら、どうする?」

「自分の娘を助けないような非常なことが出来る性格じゃないと知ってるつもりだけど」

本当に俺の娘ならな。

テーブルの上でグッと握りしめた拳がブルブルと震えていた。

なんとなく昼ドラに近いような・・・(^_^;)

今までの甘々はどこに行く~~~~~。

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拍手コメント返礼

b-moka

あきらくんより総ちゃんのほうが危ない?(笑)

葵ちゃんに知られない様に・・・

必死で隠すのはあきら君だけじゃなくF3につくしご一行♪

そこに美作ママも絡んできたりして♪

もみじ 様

葵ちゃんを悲しませたらダメですよね。

大丈夫かな?(^_^;)

ことり様

お忙しい中コメントありがとうございます♪

ヤバイ話は拡大しないといいんですけどね。

きっと一ノ瀬さんがしっかりフォローしてくれるはず。

どんな対決があるのかはお楽しみに♪

音ちゃん 様

あきら君の子供ではありませんように。

うんうん、それが一番平和に話がまとまる。

でもそれだと面白くないしなぁ・・・(^_^;)

あっ、パスワードの申請していただいて大丈夫ですよ。

お待ちしてます。