DNA で苦悩する 4

ある程度の登場人物が出そろった気がします。

あっ・・・まだ蒼君の妹が出てこなかった。

どう絡んでくるかは乞うご期待!!

if 番外編別館で更新しました。

*

プラットホームに入る電車をなんとなく眺めてた。

長く連なる電車を珍しいものでも見るような気分。

朝日の光を受けて銀色に輝いていたレーンにぽつりと水滴が落ちるのが見えた。

「雨」

小さくつぶやく彼女はそれを確かめるように掌を空に向けた。

言葉数が少なくなったのは、これ以上何か喋って僕のことがバレたら困るって思う警戒心。

バレたからって彼女がそれを誰かれと喋るタイプには思えない。

今はありのままの自分を知ってもらいたいそんな気持ちがあるんだと思う。

生れた時から僕は道明寺司の息子で跡取りでそれなりの帝王学みたいな教育を受けていた。

アメリカなら飛び級でしっかり大学まで行けてるはずだ。

普通の感覚と普通の生活を当たり前の様に今、受け止められるのは母さんの影響が大きい。

コンビニもファーストフードも量産店での買い物も当たり前の様に知っている。

SPが影からついているって点を除けばだけど。

ここでも千葉さんが僕につけるという父さんの行動は予測できたんだよな。

子ども扱いするなよな。

さっきから何度も不満を呟いてしまってる。

「来たわよ」

一緒に乗り込んだ電車の中は相変わらずギュウギュウずめで、これなら痴漢がいてもわからないって思う密着度。

意識とは無関係に体が押されて身動きが出来なくなる。

電車が揺れるたびに彼女の息遣いを感じる胸元。

ゴトン、ゴトン。

ドクン、ドクン。

電車の走る音に僕の心音が飲み込まれていく。

彼女をかばう様に両足を踏ん張って両手に力を入れた。

「ありがと」

沈黙を破って聞こえたのは彼女の柔らかい声。

「なに?」

お礼を言われることってなんだ。

「さっきから守られてるみたいな感じがするから」

「偶然だよ」

否定しながらも僕の行動をわかっていてくれたことがなんとなく照れくさくてこそばゆい思い。

彼女の表情を横目でうかがう様にしか見れない。

気後れする感じはいったいなんだ。

大人とも対等な会話が出来る訓練は積み上げているはずの僕が彼女にかけるべき次の言葉が見つけられずに焦っている。

掌の中はびっしょり汗をかいてる気がした。

「でも、アリガト」

僕を見上げる大きな瞳。

クッキリとした二重に長い睫毛。

スーッと細めた目元が笑って僕を見つめてる。

今度は僕も彼女をしっかりと見つめ返す事が出来た。

駅を出ると小雨の中を二人で駆け出して学校に向った。

「遅い」

「待っててくれたんだ」

「当たり前だろ」

校門の前には蒼と痴漢されていた方の彼女。

「あゆ心配で、大丈夫でした?」

甘ったるい声で目の前の彼女は両手の掌を合わせて胸のあたりで組んで僕を見つめてる。

キリスト像になった気分。

舞の読んでる雑誌に出てくる大きな瞳の中に星が輝くキャラクターに彼女は似てるって思った。

「この子隣のクラスの橘 愛結ちゃんだって」

楽しげな蒼の声。

蒼の好みって・・・

こんなタイプだったんだ。

「道明寺君て、人気ありますよね」

「そうかな・・・」

人気あるよって本人が答えるってよほどの自信過剰に思える。

父さんなら「当たり前だ」くらいは言いそうだけど。

「知り合えて、あゆ、うれしいです」

この手のタイプは苦手なんだ。

蒼!どうにかしろ!

「これからもよろしく」

横から伸びてきた蒼の手が彼女の手を握ってぶんぶんと握手した。

お前ら、似合ってるかも。

「授業が始まるぞ」

二人を追い越す様に校門を通る。

僕の横を歩く鮎川さんがクスッと小さく笑うのが見えた。

「待ってください~」

聞こえた声はそのまま僕の腕にまとわりつく。

えっ?

片腕にぶら下がる重み。

ちょっ!

突き放したいのに動揺してしまってる。

一瞬立ち止まった影は一呼吸おいてスッーと僕の横を通り過ぎた。

凛とした横顔で視線をあるく方向に真直ぐと向ける。

それはツンと僕を無視した冷たさ。

アッ!

追い掛けたいのに腕にまとわりついたままの重みが邪魔をする。

数メートル先でキョドットなってる蒼。

「俺を置いていくなよ~」

俺に叫んでるのか彼女に言ってるのか、今にも泣きそうな、すげ~情けない表情を浮かべる蒼。

砂煙を上げる勢いで走ってきた蒼が僕の首に腕を巻きつけた。

その勢いで腕は軽くなったが今度は息をするのがキツイ。

「彼女に手を出すなよ」

「出さないから」

「そうか」

僕の首に絡みつく腕の力を抜いた蒼が満天の笑顔を僕に見せた。

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拍手コメント返礼

captain様

司の容姿で俺様じゃない駿君。

できれば女の子の間であたふたするところが見たいんです(笑)

司のぶっ飛んだ魅力に匹敵できるか!

問題はそこなんですよね。

b- moka

スマホで観覧ありがとうございます♪

F4とは違った魅力が駿君から引き出せるといい考えてはいるのですが・・・(^_^;)

主要人物もそろってきて『面白い』と思ってもらえる物語が出来上がる様に頑張っていこうと思ってます。

asahi様

近所のおばちゃんになった気持ちわかります。

ここは椿叔母様の気分でいきましょう(笑)

小学、中学時代が抜けてますけどね。

それはそのうちに。

>24時間TVの嵐スペシャルライブでありましたね。

メンバーがそれぞれ男の子とONE LOVEを歌っているところ。

親子だとあんな感じになるんでしょうね。

3D → 3DS

確かにそれは言い間違いの域を超えている。

いや~楽しそう♪

うちの子は『○○ケン』という人の話をしていたら名前を聞いて「どんな犬?」って聞いたことがあります。