If 8

さていよいよ物語は佳境へ!

佳境は早すぎでしょっ(笑)

司君の運命はいかに!

*

触れた唇が熱い。

ためらいながら素直に答える甘い舌。

胸元から滑り込ませた指先が素肌に触れる。

ここまでは順調。

あまり考えすぎるとろくなことはない。

携帯は電源を切った。

この部屋に近づくのも禁止した。

一番厄介なのはしっかり逃さない様に組み敷いてる。

「今日は止めるつもりないから」

唇がわずかにふれあったまま呟いてわずかに開きかけた唇を吸い上げるみたいなキスをした。

睫毛が震えてるように見える。

「牧野、目開けて」

ゆるゆると開いた牧野の瞳の中に俺しか見えてないって確認したい。

頬にそっと触れた指先。

その指先をギュと牧野の指が絡めるように握った。

潤んだ瞳がやけに色っぽい。

バスローブを脱がせるように胸元に差し入れた指先が素肌を直に滑る。

迷わずに膨らみの先端にたどり着いた掌。

「ん・・・っ」

掴んだ瞬間に唐突な刺激に耐えられなかった様に牧野の口元から声が漏れた。

声も不安も飲み込むように重ねる唇。

強引すぎるキスも二人の唇の熱は同じ温度になって飲み込まれていく。

順応過ぎる牧野に大胆になる俺。

一気に両肩を露出させる様にバスローブを脱がせた。

二つの膨らみを見るのも、触れるのも初めてじゃない。

それでも肌の白さと柔らかい感触を楽しんでる余裕なんて全くない。

きっとそれは牧野も一緒だよな。

「ヤッ・・・」

小さく上がった声は切なくて儚くかき消えていくか弱すぎる抵抗。

抗う腕の動きも不安もすべて受け止めて愛したい。

全ての感情がそのまま愛しさに代わっていくみたいに牧野を大事に思う。

「ンッ・・」

「イタっ」

まだ俺は痛がるようなことしてねぇよな?

誰も触れたことのないはずの牧野の秘境には指先もまだ到達してない。

腿の内側を触れただけだし・・・

クロバットな体勢も未経験。

俺の下で苦痛にゆがむ表情。

えっ?

「つっっっ、ヤダッ」

えっ!

牧野から上半身を放して馬乗りで牧野を見つめる俺は予測不能な状況にどうすべきか行動が見つからない。

「どいて!!!」

涙を流しながら牧野は必死の形相。

「俺まだ痛い事やってないけど」

「そうじゃ・・・ない」

息も絶え絶えの牧野がうずくまる様に膝をか帰る様に丸まった。

「ふくらはぎ・・・」

ふくらはぎ?

「攣ったみたい」

「うっ・・・イターーーーッ」

攣ったって・・・

悶絶って状況がぴったりの牧野。

べッドの上の運動って準備運動が必要か?

そんなの聞いてねェし。

ウソだろっ!

全部不穏な要因は排除したはずなのに!

牧野!わざとじゃねェよな!

「ごめん・・・」

「まだ痛い」

涙目で訴えられたらどうにもできねェ。

「大丈夫か?」

痛がるふくらはぎに触れようとしたら「触るな」って、拒絶された。

「自然に治まるまで待って・・・」

ここで、また涙目って・・・。

手が出せねェつーか、もう無理だって悟った。

「いいから、寝てろ」

たぶん・・・

なるべく・・・

不満は胸の奥に閉じ込めて声を出せたって思う。

牧野はいまのとこ俺のことを考える余裕はないって思うけど。

浴室に向った俺はドアに向かって大きなため息をつく。

彼女がベットの中にいるのに冷水を浴びて興奮を鎮めて大人しくさせなきゃいけないって・・・

なんの罪だ?

まだ先はある。

熱を発した肌を滑る落ちる冷水。

気持ちいいなんて思えるはずがなかった。

「なに?足が攣って出来なかった?」

「総二郎そんな話聞いたことあるか?」

「経験ないよな」

お前等の経験は今は関係ないだろう。

俺だってこんなことで失敗に終わるとは思ってねえし。

運が悪い!

それだけだとは言い切れない不安。

呪いとか恨みとか陰謀とか?

俺と牧野はいつになったら一つになれるのだろう。

「つーより 、司と牧野ってまだだったわけ?」

「悪いか」

「悪いつーより俺らは司に同情するよ」

「婚約してまる3年だよな?」

総二郎とあきらが互いに顔を見合わせて本気で同情してるって表情を向けられた。

つぎの日、久しぶりに顔を合わせた俺たち4人。

「牧野は来ないの?」

「こねェよ」

不機嫌な俺の声に敏感に何かあったかって嗅ぎつけられた。

昨日の結末をこいつらに喋ったって牧野が知ったら数日は無視されそうな気がする。

それでもしゃべってしまったのは不安の表れだろうか。

「牧野が自分から司を押し倒してくれたらそれが一番簡単そうだけどね」

類は興味があるのか、ないのかわからない態度に見えたがやっぱり話だけはしっかり聞いてたようだ。

「牧野じゃ無理だろう」

「どう考えても襲うのなら司だろうしな」

「別にお前らに何も聞いてねェし頼んじゃいない」

突き放す様に言った俺に昔からそんなお前の態度には慣れてるって余裕な表情が並ぶ。

「実際頼まれたら困るだろう」

「俺らが牧野の相手するわけにはいかねぇしな」

こいつらはッ!

全然慰める気はねェだろうがぁぁぁぁぁ。

慰めてもらうつもりもないがな。

「さすがに結婚したら大丈夫だろうしな」

「でもまだ1年あるんだよな?」

話すんじゃなかった。

喋った俺がバカだったよ。

わなわなとふるえる掌が拳を作る。

「まあ、ガッバレヨ」

「お前らの女遊びも邪魔してやるよ」

テーブルの上をドンと拳が音をたてる。

その衝撃でグラスの中の氷が激しく音をたてた。

本来なら総二郎とあきらの二人に一発ぶち込みたい気分。

つぎは大丈夫だ。

たぶん。

言い聞かせてる俺って自分でも情けないって思う。

牧野相手だと調子が狂うってことを、これ以上自覚させる必要ねぇだろッ!

私の隣に寝ていた子供が夜中に足をつらせて痛みで起きました。

おおおお~これだ!

と思った私。

後はなにがあるかな(^_^;)

司君ごめんねェ~~~~~

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

ゆっちゃん 様

この展開久し振りなんです。(笑)

ここまではこのお話を構成する時に決まっていたんですよね。

この後は~~~~~どうするか決めていません(^_^;)

司君しっかりつくしを大事にしてますよね。

このコンセプトはゆるぎないです。