僕らはそれを我慢する 3

しばらくは楽しい新婚編かと思いきやそう出来ないのはなぜでしょう。

1、司君が拗ねるから。

2、騒がしい方が楽しいから。

3、花男はバタバタじゃなくっちゃ面白くない。

つかつくにあきらと葵を巻き込んで♪

あきらと葵がつかつくを巻き込むのか?

どっちだ~~~~~。

「葵さんと一緒にいるから」

一応司の携帯には連絡を入れた。

ケーキを食べて、居酒屋に行ってちょっぴりお酒も入って次に葵さんに連れて行かれたのは洒落た感じのカクテルのお店。

カクテルの名前なんてほとんどわからない私は御店のマスターが進めるカクテルに口をつける。

薄紫の色あいとレモンの酸味がやや甘めのリキュールと程よく調和して飲みやすいブルームーン

「おいしい」

ブルームーンって、出来ない相談て意味があるって知ってる?」

葵さんは目の前でシャンパングラスに鮮やかなピンク色の液体がシェーカーから注がれるのを見つめながらつぶやいた。

ピンク・レディーです」

バーテンダーのほっそりとした指先が目の前にグラスを差し出す。

カクテルの味も名前も知識のない私は首を左右にフルしかできない。

「カクテルっていろんな意味があるんだよね」

指先でグラスの脚を持ち上げカクテルの色を楽しむように見つめて葵さんは「あきらの受け売りだけど」とペロッと舌を見せた。

確かに美作さんなら女性が喜ぶような一言を言ってカクテルをカッコよく勧てくれそうだ。

そんな雰囲気が似合うって思う。

二人で一杯目を飲み終えたころに私たち二人の前にバーテンダーが違う種類のカクテルを差し出した。

「頼んでませんけど・・・」

「あちらからです」

バーテンダーが視線で示したカウンターの端で見知らぬ男性二人が手を振ってる。

「これ・・・飲んだらやばいよね」

「確かに・・・」

「でもいらないって返すのもスマートじゃない気がする」

葵さんとテーブルの上で顔を寄せ合って相談。

ぎこちなく笑って彼らに軽く頭を下げたけど絶対このままじゃやばい。

声を掛けられる経験って数えるほどしかなくてうまくあしらえるかどうかは葵さんも私も微妙。

弁護士がこのくらいをうまく処理できなくてどうするのよっ。

「そろそろ、帰った方がいいかもね」

結論は結局無難に方に流れていく。

俯いて話し合っているテーブルの上を影が覆う。

少し暗めの店内の天井から照らす淡いオレンジの光が遮断されてるのが分かる。

ぬっと伸びてきた腕が私の前のグラスを持って一気に飲み干した。

「・・・あっ、いらっしゃい」

何時からいた?見てた?

「なにがいらっしゃいだ」

カクテルをおごってくれた男性に射るような視線で一瞥。

そして私に向けられた表情はイラッとした感情をのせている。

カクテルおごられてるのは見られていたみたい。

ヒヤッとした感覚が背中を走る。

チラリと見えた視線の先でカウンターの端からガタガタと慌てて席を立つ音が聞こえた。

なんだかあの人たちに悪いことをしたって気分。

これなら最初からいりませんって断った方が気持ちが楽だったにちがいない。

今度からはそれでいこう!

一つ経験を積んだぞ。

今更遅いッ。

「また、GPS使ったんでしょう!」

これで司の興味が移るとは思っていない。

それに、この状況で司を強く責めきれるわけがない。

私が一番悪いって司の中じゃ決めつけられるんだから。

どうしてこうも間が悪いのか。

さっきの男の人たちとはまだ一言も話してないから!

納得しないだろうけど。

「来て正解だろうがぁ」

「少し目を離すとすぐこれだ」

吊り上った眉はこれ以上言い訳するなと無言の圧力をかけてくる。

「司が俺の分まで嫉妬してくれるから俺は何にも言えなくなる」

あっ・・・美作さんもいたんだ。

葵さんの肩に置かれた手のひら。

それの手の平に指を添える葵さん。

きっと私が司しか見えなかったみたいに葵さんの目にも美作さんしか映ってないって思える甘い笑みが浮かぶ。

見てる私の方が照れくさい。

腰を折った美作さんが葵さんの耳元に唇を寄せて何かつぶやいた。

優しげな表情とフッとほころぶ笑み。

甘い雰囲気の二人にアテラレテル。

全くそれに動じない男は横でいまだない不機嫌な感情をずけずけと打ち出してくる。

美作さんみたいにホロって甘えられる態度を見せてくれたら・・・って・・・

それは司と私の関係じゃないみたいだよね。

ギャーギャー言い合ってる方が私たちらしくて落着けるのかもしれない。

「お前、人の話聞いてるのか!」

「聞いてない」

「なっ!」

「浮気女とか、清楚さがないとか、少しは警戒しろとか、あほとかバカとか聞き飽きてるもの」

イラッとした感情はそのまま頭の先まで来たった表情の司。

スーツの裾を引っ張って無理やりに私の横の椅子に座らせた。

「なぁ司、こうやって4人で揃って飲むのって初めてじゃないか?」

葵さんの隣に座った美作さんが微笑む。

場を温かく包み込んで落着ける雰囲気が作れるのはF4随一だと思う。

「お前、今ホッとしたろう」

「えっ?」

テーブルに頬杖をついた司がプイと横に顔をそむける。

確かにこれ以上騒ぎにはならないだろうって安心はした。

今度はなにに拗ねた?

「なに、羨ましそうにあきら達を見てるんだ」

「別にうらやましいなんて・・・幸せそうだなっては思ったけど・・・」

「俺たち以上に幸せな奴らがいるわけねえだろうが」

グッと首を絞めるように回された腕。

ウッ・・・

キツイって・・・。

緩めるようにと首と司の腕の合間に差し込む指先。

「力ゆるめて・・・」

司の腕を剥がす様に指先に力を入れた。

「プッ」

美作さんが声を吹き出す。

「心配するな司たちの方が俺たちより幸せそうに見えるから」

「だろっ」

なに嬉しそうな声を出してんのよッ。

ここで司と張り合ってもしょうがないって美作さんが知ってるだけじゃないか。

息がしやすくなった私の前で美作さんが楽しげな表情を作る。

それを横で眺めて微笑みを浮かべてコクンとうなずく葵さん。

この二人・・・大人だ。

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拍手コメント返礼

おかゆ

意外と我慢してる原因はつかつくだったとかのオチがあるかも(^_^;)

つかつくの前ではどうしても大人になるでしょう(笑)

Gods&Death 様

不覚って(笑)

☆は逃げませんから~~~

そうなんです大胆になってきてるんです。

司クンとつくしちゃん♪(笑)← 違う~~~って叫ばれてるかも。

どこまで書けるのか挑戦中!!

あんまり表現を崩すとやばくなりそうな気もするのでこの辺まででしょうか?

b-moka

つかつくタイプのカップルってなかなかいませんよね。

あきら&葵のカップルは見ていると理想的に見えてくるのもしょうがないような気が・・・。

咳止まらないときついんですよね。

腹筋も痛くて(^_^;)

もうしばらくはかかりそうなんで、うまく付き合っていきます♪