はぴまり JOYFUL 3
おはようございます。
最近肌寒くなってきたと感じる日々。
体調の変化にはご注意を~~~~~。
そう書いてる私がただいま咳発作で苦しんでおります。
吸入薬が手放せなくて~~~~~[emoji:v-406]
*「うっぷ」
妊娠が分かった途端始まった吐き気。
そこまでなかったはずのつわりがいきなり始まるってわりかし現金。
つわりのきつさも妊娠してるって確認できるみたいでうれしい。
いるんだよなぁ。
北斗の赤ちゃん。
「きつそうだな」
心配そうに私を覗き込む北斗。
「ご飯の匂いとか、コーヒーとかダメなんだよね」
そう言った私の横で北斗の右手に持ったコーヒーカップから立ち上るコーヒーの香り。
背中に隠されてももう無理。
敏感に反応する吐き気。
そのまま口を押えて洗面所に走り込んだ。
「俺が料理する」
「出来るの?」
「結構独身生活長かったからな」
整理能力に欠ける北斗が料理の出来るのかは疑問。
散らかった北斗の部屋を思い出して料理の後の台所の状況が料理より気になる。
「簡単なのならまかしとけ」
意外と綺麗に出来上がった卵焼き。
おいしそうだけどやっぱり無理。
「ごめん、食べれそうもない」
箸を置いて、口にしたのはプチトマト一つ。
プチって北斗の眉が上がったのが見えた。
「身体こわすぞ」
「食べれたいものがあったら言ってくれ」
折角俺が作ってやったのにって不機嫌になるのかと思いきや意外と優しい声。
「桃!メロン!ブドウもいいかな」
「果物ばっかだな」
ポンと頭に置かれた手のひらがクシャッと髪の毛をかき回す。
「高級なのを買ってきてやるから」
「えーっ!普通ので十分」
「お前に食わせるんじゃねェよ。俺の子に食わせるんだ」
私を見下ろしたバカにしたような視線がわずかに優しく笑ってる。
意地悪なのか・・・
優しいのか・・・
それが北斗なんだけどね。
「なに笑ってるんだ」
「結構気にしてくれてるよね」
「何を?」
知ってるんだから。
私に内緒で妊娠、出産の勉強をしてる事。
PCのネットの履歴に、机の引き出しの中にこっそりとしまってある本が数冊。
どんな顔して北斗が買ったのか考えただけでもうれしくなる。
「その、やらしい笑いはやめろ」
椅子から立ち上がって部屋に戻る私を憮然と北斗が眺めてる。
戻って来た私を見て「あっ」と声を挙げそうな北斗がいた。
テーブルに置いたのは北斗がムスッとして買ってきたって想像できる妊娠出産の本数冊。
「知ってたのか?」
「内緒はなしでしょ」
「お前に任せてたらどんな失敗をしでかすかわからないからな」
からかうような口調。
それって北斗なりに心配してくれているんだって思う。
相変らずの天邪鬼的な愛情表現。
「早く生まれてこないとお前より俺の方が落ち着かない」
口もとに薄く浮かべる笑み。
「まだ半年以上も先だからね」
早く会いたいのは私も一緒の気持ち。
「生れた子供にやきもちやかないでよね」
「お前の方がかわいがり過ぎとかいってやきもちやくんじゃねぇの」
「それはない」
そうなのかなって一瞬浮かんだ考えを打ち消す様に上げた声はしっかりと上ずってしまってる。
勝ち誇ったような北斗の表情がまた私をドギマギとさせる。
北斗が喉を鳴らして低い声で笑を漏らした。
楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。