Unfair 2

はぴまりの二次を書き始めたのは2012年。

連載が終わって4年も経つんですね。

それなのにはぴまり二次はこの話を入れて27話目。

鈍行列車でいまだに試運転の状態です。

今年は速度アップしていきますよ。

そして私は、いまだにテレビドラマにならないかなぁと希望を持っています。

連載当時は真央ちゃんとJでやってくれないかなと思っていましたが、

千和の年齢の設定が20代前半なんだな・・・(;^ω^)

いまだとどの女優さんでしょうか?

悩む~。

「最近帰りが遅いんだよね。

どうしてだと思う?」

新入社員で総務課での研修の時は私の担当だった八神裕。

あのころの私は北斗と結婚したばかりで・・・

結婚したといっても形だけで、まだ処女で・・・

友達の話だって矢上君に恋愛相談。

八神君にはすぐに自分のことだってばれてしまってた。

「小鳥遊さんはどうして彼に最後までさせないんですか」

ズバリ八神君に聞かれて、八神君なら何か教えてくれるかもしれないって・・・

「浮気の釈明すらしようとしないなんて終わってるよ」

八神君に詰詰め寄られた瞬間自分の不安が的中されたって思った。

北斗にキスされてあのころから少しずつ私たち二人の間で何かが変わり始めたって思ったら、週刊誌に芸能人とお忍びデートとか写真を撮られてた目元を黒塗りにされた載ってたバカ亭主。

あの頃の私は北斗に愛されてるって自信がなくって本気で悩んだから。

それからしばらくして八神君は北方へ転勤。

あれはたぶん北斗の焼きもち。

年も近いし気安いとか北斗の言えないことでも八神君には話せるって宣言した私。

北斗がそのままに八神君を私のそばに置くわけなんてなかったんだよな。

久しぶりに間宮商事本社に顔を出だした八神君に再会したのは偶然。

それでも気安さは昔と変わらなくって飲みに行こうって話になって居酒屋経由でバーのカウンタ。

そうさせたのは今日も帰りが遅くなるって北斗からの連絡。

ここ数日帰ってくるのは12時を過ぎていて帰りたくないとか私に会いたくないのかとか不安な気持ちになってる。

北斗っていつも大事なこと私に言ってくれない。

私が聞こうとするとめんどくさいって表情を見せるからそれ以上聞けなくなる。

「仕事じゃないんですか?」

「だって今日は早めに上がったって聞いたもん」

ここ数日の午前様はありえないって情報は相馬さんからの確かなもの。

「聞いたらいいじゃないですか」

「聞いてもはぐらかされるだから」

八神君は私が結婚してることも相手が間宮北斗だってこともまだ知らない。

会社で知ってるのは相馬さんだけ。

「帰りが遅いってことは、一緒に暮らしてるってことですか?

進歩したじゃないですか、エッチしてないって悩みを聞いていたころと比べると」

肩を並べて座るカウンター。

目の前のバーテンダーがクラスを拭く指先を強めて聞いてない素振りでキュッキュッと音を無理やりに大きく立てた気がした。

「そんなこと、ここで思いださないでよ」

熱くなる頬を冷やすように口の中にカクテルを流し込む。

「なんだかんだ言ったってその冷たい彼氏が好きなんですね」

八神君のその言葉以前も聞いた気がする。

北斗の浮気の相談の時。

例の週刊誌の記事。

八神君に北斗のことで付き合う以前の問題とか、好きなら放っておかないとか言われて揺さぶれらて、泣きそうになった。

私が北斗のことを好きだと気が付かせくれたのは八神君だった。

「彼氏に会いたくなったんじゃないんですか?」

北斗のことを思うだけで身体が熱くなる。

なんだか変な相談ばかり八神君にしてる気がする。

今日は北斗も昨日より早く帰ってるかもしれない。

「八神君、ごめん、帰るね」

北斗が帰ってくる前に部屋にたどり着いて出迎えて帰りが遅くなった理由を今日は絶対聞き出すんだから。

そんな思いでバーの外に駈け出した。

部屋のカギを開けた瞬間飛び込んできた玄関にある北斗の革靴。

帰ってきてる・・・。

リビングまでの廊下を飛ぶように数歩走る。

「北斗、帰ってたんだ」

ソファーの背もたれに頬杖をついた北斗の不機嫌な視線がじろりと私を刺す。

「どこに行っていた?」

「北斗も帰りが遅いって言ったから友達と食事してちょっと飲んできたの」

ここで八神君の名前を出したら今度はどこに飛ばされるかと不安になる。

「俺がいないとお前はふらふら遊びに行くのか」

「ふらふらって、遊びに出たのは今日だけだから」

こんな言い合いするつもりじゃなかったのに、北斗のひどく低い声に怯まにように虚勢を張るしかない。

「北斗だって、最近帰り遅いし、何してるか分かったもんじゃない」

うっ・・・

言葉を遮るように北斗の身体が動きて私の目の前に迫る。

何よッ!

言いかけた唇を遮るように北斗の指先が私の顎を上にグイッと持ち上げた。

「俺は、いいんだよ」

いつもなら熱く見つめる北斗の瞳が不愉快そうな色を浮かべて眉をひそめる。

「寝る」

そっぽを向くように背を向けた北斗から香る香水。

北斗とも私とも違う甘い香り。

見えないはずの香水の香りの持ち主は大人びた女性の艶。

この香水って誰の?

嗅いだ匂いに動揺してしまってた。