If 13

ここからファイナルにつながるお話に♪

たぶんなるはず・・・(^_^;)

*

「俺は牧野と結婚する」

俺の目の前にはなんの反応も示さねェ3つの顔が並んだ。

そして途切れた会話がすぐに再開。

「急に呼び出すから何事かと思ったが・・・」

「牧野が大学を卒業したら結婚するんだろ?」

いまさら忙しい俺たちをそんなことで呼び出すな的な呆れた表情がそろう。

「牧野と別れた。なら、驚くけどな」

言葉をワンテンポづつ区切って、ワインをもつ片手を頭より上にちょいと上げて乾杯の素振りを見せる総二郎。

んなわけあるか!!

「あっ、そうか、そろそろ結婚式の準備も始めないといけないんじゃない」

「それじゃそろそろ二人の関係も行くとこまで行かなきゃな」

類の言葉に反応して、あきらが俺の肩にポンと手のひらを乗せた。

「結婚まで我慢させられたりして~」

「牧野ならあるかもな」

顔を突き合わせてしゃべるのならもっと俺に聞こえない様に気をつかえ!

全部聞こえてる。

つーか、最初から内緒でしゃべる気は全然ないだろうけど。

「その話はするな」

さっきも無理して牧野と別れたばかりの俺。

強がったという思いがないわけじゃない。

写真を取られて全く慌てないあいつに呆れたというか・・・

俺と結婚するってことがどんなことなのか理解してないあいつにムッとしたのも事実。

あの自覚のなさはどこか呑気に映る。

俺の結婚に対する噂を押さえるのも限界に来てる。

牧野と一緒に過ごすよりすすめなきゃいけないことがあるって気が付いた。

婚約を大々的に進めた方が、きっと、俺たちの関係は無難に、邪魔されずに前に進めるって思える。

「それより近いうちに来年結婚すると記者会見をするつもりだ」

「司・・・これも、大事なことだろうが、相性というのは心だけの問題じゃないんだぞ」

「俺と牧野の相性はすべて抜群に決まってる」

「おっ、言うね」

お前たちに遊ばれるために俺は呼び出したわけじゃねェ。

いまさら性のことをレクチャーされるつもりもねェし・・・。

結局こいつらが相手にして来た女と牧野はすべてが違うのだから。

牧野とは最後までいってないつーか・・・

いけないつーか・・・

タイミングがわるいつーか・・・。

それでもそれなりの肌の触れ合いがないわけじゃない。

あいつの素肌を感触も知っている。

着やせする胸の脹らみも・・・。

俺の手のひらにすっぽりと入り込む感度のいい大きさ。

「司・・・お前ほかのこと考えてないか?」

「はぁ?」

「やらしーくニヤついてるぞ」

「やらしくないぞ」

咳払いを一つして頬を引き締めた。

「婚約発表って、牧野知ってるの?」

「サプライズで発表する方が牧野も喜ぶだろ」

満足げに笑みを作る俺の前にあきらが総二郎に視線を移した。

「総二郎・・・牧野は喜ぶと思うか?」

「卒倒するか、怒るかのどっちかだと俺は思う」

総二郎とあきらが顔を見合わせて小さく一つ息を漏らす。

「俺と結婚するって事はあいつも納得してるんだから問題ねェよ」

「それよりどうやって牧野を紹介するか考えてる。いい案を出せ」

「司と一緒に並べて会見なんってことは考えるなよな」

えっ?

それ考えていた・・・。

俺の横で嬉しげに微笑んで俺にちらちらと視線を移すあいつ。

初々しくてかわいくねェか?

「いきなり、フラッシュを浴びたら慣れてない牧野は椅子ごと後ろにひっくりかえるかもな」

「その前に牧野が嫌がるのは目に見えている」

「まずは大々的に写真でお披露目が無難じゃねェの?」

インパクトのあるやつがいいと俺は思う」

大々的に発表したらさすがに牧野もどうしようもないとあきらめるしかない。

確かに本人を無理やりカメラの前に連れてくるより写真の方が楽だって思える。

ヘンなところであいつは頑固だ。

結婚に四の五の言わせないうちに外側の堀を埋めて本丸を落とす作戦。

世間の騒ぎから牧野を守るって名目で家の中に牧野を連れ込んでも誰にも文句はいわせねェ。

「どうやって牧野の写真を用意するかだな?」

「一流の写真家って誰だ?」

「司、モデル並みの写真を用意させる気?牧野のベストショット公開して全世界の人が牧野の惚れちゃったら、司、いやでしょ」

類の言葉に総二郎とあきらがプッと声を吹き出した。

そこ笑うなッ!

あいつは俺の中じゃピカイチかわゎゎいーッ。

類が言うことも一理ある。

「それじゃ隠し撮りしてその中で牧野らしいベストショットを決めるってどうよ」

この話し合いの結果俺は一枚の企画書を西田に渡した。

『牧野つくしの ベストショットを撮れ

  採用者には賞金1000万円』

牧野がこれを知ったら『何を考えてる!』って目ん玉むき出して食って掛かるに決まってる。

「西田、秘密裏に事は進めろ」

婚約発表を行える手配を指示したのは言うまでもない。

婚約会見のすぐ後。

「なんで、よりによってあの写真なのよ!」

道明寺ホールデングス本社ビル最上階 執務室に怒り沸騰で牧野が乗り込んで俺のデスクに雑誌をバシッっと殴りつけた。

雑誌の中には大口を開けて今まさにラーメンに食いつこうとしてる写真。

牧野らしさ満開だろ?

「おまえのありのままの写真だろうが」

そこまで牧野が不機嫌になる理由がわかず憮然とつぶやいた。

俺の態度が気にくわないって感情がすっかり表に出てる。

「もっと、いい写真にしてくれてもいいでしょう。あれじゃ、世間の笑いものつーか、世界の笑いものだよ」

半べそ気味に表情が変わった。

それがスゲーかわいく思えるって言える状況じゃない。

「それでいいんだよ」

偏然と答える俺。

「これは作戦なんだよ」

「作戦?」

キョトンとなった表情が首をかしげる

類たちとのやり取りを俺は牧野に話す。

くらっと一瞬めまいを起こしたように牧野の身体が小さく揺れた。

牧野の不満は消えることなく俺の運転する車の中でも続いた。

普通の写真でいいとか・・・。

あんな写真とか恥ずかしいとか・・・。

牧野の不満は写真一点集中。

婚約会見がうれしいとかねェのかよ。

それがどうした的などうでもいい気分が俺を支配する。

Sp付だが久し振りのデートってことこいつ忘れてねェか?

「先が思いやられる・・・」

そうつぶやいて牧野が大きくため息を漏らした。

それは俺のセリフだ!

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ここからすぐに無人島に飛びたい!

拍手コメント

b-moka

ファイナルではバラバラの場面の4人ですが実際に司が呼び集めた設定の方が楽しくないですか?

そう思った私は招集をかけてしまいました。(笑)

はぴまり、ケンカして仲良くなるのは本当にどこかのカップルと一緒で♪

北斗の俺様ぶりは我が家の司クンより尊大ですけどね。

ひつじ様

たいへんなのは司よりつくしですよね。(笑)

俺のほうが大変だろう!!! ← 司の不満な声が~

かーちゃん 様

「なんのとりがらもない」言ってましたね。

その御話は別館で番外編としてUPを考えてます。

確かにもし無人島に行ってなかったら司はどんな結婚式をするつもりだったんでしょう?

司の発想は私には無理かも(笑)

ちゃむ様

ありがとうございます。

始まりからここまで長かった(^_^;)

司の半端ない愛情っていいですよね。

何時までも枯れることがなくて。

本当にうらやましすぎるといつも物語を書いていて思います。