ドッカン !! 24
*えっ・・・
おっ!!!
目の前に立ちはだかる黒い壁。
前後左右・・・
取り囲まれた。
「送ってやるよ」
キョドッとなってる私の横で涼しい表情を浮かべて道明寺がにっこりとほほ笑んだ。
今そんな子供みたいな素直なほほえみ浮かべられても・・・
送ってもらうほどの距離じゃないってッ!
どこを歩いてるかわからない状況で異質な集団は動いていく。
私以外の目線は20~30㎝は高いから問題ないんだろうけど、ダークスーツって威圧的なんだから。
歩くたびに揺れる腕の動きの合間から差し込む光。
ライトの光と混じる数秒の視線。
目ざとく私を見てるのが分る。
どう見られてるのか・・・
道明寺司の奥さんってことは、ばれてるって思うけど・・・
私のことで道明寺の評判を落とすことになったらヤダって思ってる気持なんてきっとこいつは分ってない。
絶対失敗は許されない!
ヨシッ!
グッと拳を作って自分に気合を入れた。
あっ!
凹凸のない拭き上げられた輝く床に足先がつまずいて身体がバランスを崩す。
「何やってんだ?」
グッと力強い腕の力に引き上げられて、床とキスするのは回避できた。
「ありがと・・・」
ホッと息を吐いた身体はわずかに道明寺の身体にもたれ掛かったまま。
指先が身体の線を伝って・・・
肩に回された腕が・・・
当たり前みたいに私を抱き寄せる。
「手のかかるお前も好きなんだ」
首を斜めに傾けた道明寺の唇から零れる息が私の鼻先に触れる。
ち・・・近いッ!
「きゃーーーッ」
何処からか悲鳴が上がったのが聞こえた。
今日はつくしと一緒に一緒に出社する!!
それが今日の目標。
西田には言えねッ。
いつもより1時間は早い起床。
なのに俺はベッドの中に一人取り残された。
つくしよりは熟知してる邸内。
玄関先であいつが来るのを待つ。
「出し抜くつもりか?」
目ん玉を落としそうに驚いた表情がツボ。
「目が、覚めたらもう一度お前を抱きしめようと思っていたのに」
ビクッとわずかに震える身体。
耳朶まで赤く染まった。
ここまで予想通りの反応を見せるやつを俺は知らない。
二人で乗り込んだ車。
やたらケラケラと楽しそうにつくしは声を上げる。
その横でシェーバーを頬に当てる俺。
顔を洗ってスーツに着替えるだけの時間しかなかったんだからしょうがない。
「なんだよ」
つくしの人差し指がツンツンと頬を付く。
「無人島・・・思い出すね」
そう言ってまた無邪気に笑った。
本当はこんなしょうもねェやり取りが欲しかッたんだって思う。
バカみたいな単純なやりとり。
笑みを浮かべた頬がクッと少し引き締まる。
そのまま真顔でゆっくりとつくしの顔が胸元に近付く。
伸びてきた腕。
朝っぱらから抱き着くなよな。
期待に反して指先は俺のタイを握った。
「ちゃんと締ってないよ」
ドウセナラ・・・・・緩めろよ。
「あっ、今やらしいこと考えてなかった?」
キュッと思い切り絞められたタイ。
「お前、俺を殺すきか!」
照れくさくなると強気な態度に変わる。
そこが素直じゃねェッ。
すーっとビルの前に音もなく寄せられた車。
先に車から降りた俺の後につくしが続く。
オドッとしたまま車から降りたつくしが大きく息を吐いたのが分かった。
こんなにすがすがしく朝の空気を吸ったことはない。
見上げた空には澄み渡る秋色の空。
今日はやけに身体も軽い。
つくしの表情からは緊張しか読み取れない。
初出社ってそんなに緊張するものだろうか。
エントランスを抜けてエレベーターの前に立つ。
「ここまででいいから」
隣の重役専用エレベーターに俺を押しやろうとするつくし。
「送るって言ってるだろう」
「こんな、大人数で乗ったらほかの人に迷惑でしょ!」
迷惑な表情浮かべてるのお前じゃねェかッ!
チラリと視線でSPに外れるように指示を出す。
「こいつらがいなきゃいいんだよな」
グッとつくしをにらむように視線を近づけた。
エレベーターのドアに張り付く様につくしは一歩身体を後退させる。
ドアに張り付いたつくしの背中。
体重はすっかり床に付いた足から背中に比重を重く置いている。
今エレベーターが到着してドアが開いたらどうなるんだ?
それを待つのも面白い気がした。
こいつを見てるとやっぱ、飽きねぇ。
このお話を執筆しながら仲のいい常連さんとスマホでLINEでトークしてます。
二刀流♪
松潤の写真を一杯貼り付けてもらって、ソコから司のいろんな容姿の想像をかきたててもらってます。
LINE楽しさをただいま満喫中。
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ただいま、まだ3人しかお友達いません(^_^;)
私の周りはまだスマフォ少ないんですよね
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