DNA で苦悩する 11
昨日は『FIGHT!!』でくぁいい駿君♪
今日は高校生の駿君をお届け。
このギャップが楽しいのはなぜだろう・・・。
「なにしてるの?」
きっと今の僕は呆けたような表情を浮かべてると思う。
「御代わりをどうぞ」
僕の手から空になったグラスを取って鮎川はジュースの入ったグラスを渡してくれた。
って・・・。
受け取ってる場合か?
「なんでここにいるの?」
さっきジュースを飲んだばかりなのに口の中がカラカラに乾いてくる。
「見て分かんない?」
白いシャツに赤い蝶ネクタイ。黒のベストに黒のスラックスの出で立ち。
手には飲み物の入ったグラスの乗ったトレーを持つ。
招待客じゃないのは誰でも見ればわかる。
上品な一点物のドレスを身にまとうより、変哲もない制服でも長身をすらりと見せる体形。
それは人目を引く華やかさがある。
「そっくりね」
チラリと父さんに向けられた鮎川の視線は僕に移る。
驚いてる様子もなく鮎川はクスッと小さく唇を動かす。
驚かない鮎川を僕は冷静に見てる。
ばれってもしょうがない。
やっぱりなって、予想できた鮎川の反応。
「こんなところまでバイト?」
一流ホテルで高校生のバイトを雇うって言うのはすこぶる疑問。
「急遽、頼まれただけだから」
誰に?
言いそうになった言葉を飲み込んだ。
追求されるのを拒むような雰囲気が鮎川にはある。
父さんにそっくりだと言った鮎川もそれ以上は聞かないって態度を僕に見せる。
急遽頼まれたからって、誰でも簡単にもぐりこめるような今日のパーティ―じゃないはずだ。
それでなくてもところどころに警備の人員まで配置されてる物々しさ。
何も言わずにくるりと背を向けた鮎川の腕を僕は掴んでしまってた。
「何か、ご用ですか?」
それは一線を引いた客と店員の関係。
それを無視するように人目を避けて会場の隅に移動した。
「心配、しなくても今日のことは記憶から消しておくから」
「そうじゃなくて!」
鮎川のその冷静さが僕の感情を高ぶらせる。
「君には、本当のことを知ってもらいたいって思ってる」
クールな表情はなんの感情も見せないままで口をつぐむ。
僕を見つめる瞳と視線がぶつかった。
「駿君は駿君でしょ?」
「坊ちゃんって、あの人が呼んでいた意味は理解できたけど」
そして、いたずらっぽく口元が微笑む。
千葉さん・・・やっぱりドジだよなぁ。
「仕事あるから・・・」
「後で会える?」
「10時には終るから」
それはOKってこと?
人の合間をバランスよくすり抜けていた鮎川が振り返って僕に微笑んだ。
「兄さんの好みって・・・」
突然僕の横からひょっこりと翼が現れた。
しげしげとなめまわす様な視線。
「なんだよ」
「美人だね」
何でも分かった風の言い方を翼は最近見せる。
中学になってますます憎たらしくなった。
「女の子口説いてるとこ初めて見た」
「口説いてない。高校の同級なんだよ」
あれは・・・口説いたことになるのか?
後で会う約束はしたけど・・・
熱くなりそうな体温を誤魔化す様に不機嫌な声色。
「駿君~ なんて、呼ばれてるんだ」
僕が睨んだ位じゃ翼はまったく動じない。
父さんに睨まれたらすぐ僕の後ろに隠れるのにッ。
兄弟3人の中じゃ一番要領がいいって思う。
舞の場合は笑顔さえ見せれば父さんの機嫌を損なうことはない。
父さんを黙り込ませる事が出来るのは母さんだけだけど。
「これで、僕も安心して彼女が作れる~」
そのノリは父さんをからかう総パパにそっくりだ。
女の子と軽く付きあえるところも・・・。
「俺の遺伝子が何処かで牧野に入ったのかもな」
冗談だと分かってるのに父さんがマジでキレたのを思い出してしまった。
「舞に知れたらやばいかもね」
「どうしてここで舞が出てくるんだ」
「ファザコンよりブラコン」
翼はからかう様に言って拓の傍に逃げるように戻って行った。
兄貴をからかうんじゃねェぞ!
愚痴りながらも翼の陽気さは心を軽くしてくれる。
「憎めないやつ」
苦笑して小さく声が出た。
楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
アーティーチョーク様
類と総二郎の相手は・・・。
まだ考えてないんですよね。
まだ独身かしら?(^_^;)
菜花ちゃんの正体わからなくなってきたでしょう?
私もまだ決めかねてるのです。
いろいろ想像してもらってて私も楽しんじゃってます。
西田さんの姪?ドウセナラ子供ってことも・・・
無理かなぁ。
ひつじ様
どんどん謎めいて~どこで落とすかが問題です。
おかゆ様
最初はドレスを着せようって思ってたんですよ。
1時間で考えが変わってしまいました。
私はどこに持っていきたいのでしょう・・・(^_^;)
書いてる私でもまだ謎です。
Gods&Death 様
「騙したわね」
その一言が欲しかった(笑)
ここからが腕の見せ所~~~。