秘書西田の坊ちゃん観察日記 46 (ドッカン 26 番外編)

今回はドッカン番外編で~す。

一か月ぶりの登場。

更新頻度少な過ぎのような気もします。(^_^;)

*

「・・・」

「・・・・・・?」

「・・・・・はぁ」

心の中でもらす溜息。

人を魅了するカリスマ性。

有無を言わせぬ即決力。

若き経営者しての自覚。

全てを備えてると評価も高い。

が・・・。

つくし様が関わると、優柔不断。

足が浮いてる。

坊ちゃんの足音が楽しそうに聞こえるのは久しぶりだ。

原因は分かってますが・・・。

「楽しそうですね」

椅子に軽く腰かけて足を組む代表に視線を移す。

「おう」

そう、軽い口調で開きかけた唇にギュッと力が入った。

いまさら・・・

遅いですよ。

「まあ・・・大目に見ますけど」

つくし様の修習場所を道明寺フォールディングスビル内の事務所を選んだことを後悔するような結果にはならないと思いたい。

結婚後直ぐの別居生活。

そしてようやく実現した同居生活。

楽しみはこれからだと私も理解してるつもりです。

先週まで遠慮せずに仕事を組んでいた私も少しは配慮するつもりでおります。

今日までの3か月はみっちり今週からの仕事の分を回していましたから。

何のトラブルも起きなければの注約が付きますが。

少し俯き加減の頭。

額を片腕で支える。

視線を隠しても隠しようがない綻ぶ口元。

見えてます!

なにを思い出しているのか・・・

朝の騒ぎは耳に入ってます。

道明寺フォールディングス本社の品位を落としてはいないと思いたい。

「そろそろ、仕事モードに切り替えてください」

甘い感情は押し込んで!

「今日の予定は?」

ピクリと動く眉。

チラリと私を見るように視線だけが上を向く。

口もとを隠す様に鼻から下で組まれた手のひら。

照れくささを隠す様にいつもより低めの声。

私以外の者が聞いたら一瞬にて身を引き締めたであろう不機嫌さが漂う。

わざと不機嫌な表情を作ろうと、もがいてる坊ちゃんは嫌いではない。

「10時から、会議で・・・・・・・・・」

坊っちゃんの感情に気が付いてる心を隠して無造作にスケジュールを読みあげる。

朝一番で交わされる代表と私のいつものやり取り。

「何時に終わる?」

早く終わるか?的な哀願の漂う瞳。

早く帰りたいという本音が見えてます。

っとにこれほど分かりやすいことはない。

「何時に終わりたいのですか?」

私も意地悪だ。

愉しさはゆがめない。

気が付いてない振りで、スケジュールを確かめるふり。

つくし様の終業時刻に合わせて、代表のスケジュールにしては珍しく記載事項がない。

私なりの考慮。

キモソゾロでしょうし。

「つくし様の終業予定は17時ですが・・・・・」

目の前の表情がキョトンとなった。

「後で、膨大な仕事が待ってるとかねェよな?」

焦ったように椅子から立ち上がるぼっちゃん。

焦りを表す様にバンとデスクが音をたてる。

「ありません」

そこまで私も無神経じゃありませんよ。

新婚のカップルをいたずらにいじめる趣味はない。

「来週から長期出張とか?」

今まで仕事をさせ過ぎたか・・・。

なんのために仕事の量を増やしていたのか理解してない表情がせまる。

「先週までで海外出張は終わらせてます」

代表の吐く息が私の顔に迫る。

そこまで顔が近づいて喜ぶ趣味は私にはございません。

殴られるとか・・・

首を絞められるとか・・・

微妙な不安は昔のトラウマ。

「つくしと一緒に帰っていいってことだよな?」

「ご希望のままに」

気持ちはにっこりと微笑んでる。

表情筋は動かないだけのこと。

「会議までに目を通していただきたい書類です」

デスクの上に乗せらる書類の束、約10㎝。

この量を仕上げるエネルギには変えられるはずのアメは目の前に垂らしてる。

今日の一日はこれで本社も、つくし様の周辺も静かなはず。

しばらくは楽しめる日々が続きそうだ。

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拍手コメント返礼

Gods&Death 様

西田さんにとって司君は代表というよりいつまでも坊ちゃんと呼んでほしいって気がします。

西田さんにうまくのせらてる司君が好きなんです。

ダメだろうそれじゃ・・・(^_^;)

かーちゃん 様

秘書じゃなく執事!

私もそう思います♪

書いてるときもその感覚大ですよ(笑)