If 21

この物語の出だしは・・・

『フラッシュの中を進む道明寺をテレビ画面が映し出す。

晴れがましい登場。』

ここからでした。

書き始めたのは8月です!

胸を張って言えることじゃないんですけどね。(^_^;)

ファイナルを想定して思いついたストーリー。

つなげるまでに意外と時間がかかってしまいました。

居酒屋でバイトさせたり、司の会社の社員がつくしちゃんを気に入ってたり、飲み会に司を参加させたり・・・。

覚えてらっしゃるでしょうか?

良くここまでつながった!

本当にそう思います。

今は本当にホッとしてます。

まだ終わってないって・・・(^_^;)

*

寝息を感じながら眠りについた夜。

無我夢中で歩き回って、牧野を探し回って・・・。

見つけて安心して・・・。

思い切り抱きしめたいはずなのに・・・。

牧野のうつろな瞳がまだ、俺を拒絶してるって思う。

「ごめん」

背中でそうつぶやいて静かに牧野は寝息を立て始めた。

ごめんと謝ったのはネックレスを無くしたことに対してなのか、俺に心配かけたことなのか・・・

「謝んなよ」

「おまえが、いればそれだけでいい」

聞こえてないはずの牧野に話しかけながら洞窟まで歩いた。

「今日は休んでろ」

「・・・でも」

起き上がったまま昨日と変わらないうつろな表情。

「だいぶ疲れがたまってるからな」

「あたし・・・」

「いいか、勝手に出歩いたりするなよ」

今は休め。

じゃなきゃ、俺が気が気じゃない。

俺が何とかするから。

「喰いモン調達してくるから」

牧野を残して洞窟を出る。

たぶん、あいつは何をする気力もないはずだ。

島に来て魚を取る方法も食べられる果実も身をもって知った。

意外に生きていける。

人間腹が減ればなんでも食べれるものだ。

さすがに俊敏に動き回る動物を掴まえるのは無理。

それでも鳥の巣の中の卵を捕ることは覚えた。

まだ寝てる・・・。

やっぱ疲れるよな。

結納から突然のティアラを探す旅。

緊張の連続で牧野は気が抜けなかったはずだ。

今ごろ気がついても遅いよな。

調達してきた食料を料理する。

とはいっても魚は焼くだけだし、卵は熱した石のフライパンの上に乗せるだけ。

俺が料理するのだから特別うまいぞ。

覗きこんだ牧野は頼りなげに映る。

頬に付いた泥。

薄汚れた衣類。

それでも愛しくてしょうがない。

寝返りを打ちながら牧野の手のひらがその泥を頬に広げてる。

泥のように眠るってこういうことだっけ?

どんな牧野でも楽しめる自分がおかしくてしょうがない。

泥をぬぐう様に指先が牧野の頬に触れた。

確かに、俺と付きあわなければこんな苦労させることはなかったんだよな。

それでも、俺はお前と一緒にいたいって思う。

牧野・・・。

俺の我儘、好きだろうが・・・。

俺に触れられたかとに気が付いた牧野がゆっくりと目を開く。

「どうだすげーだろう」

ここ数日で一番の大量の魚。

それを別に自慢したいわけじゃない。

ただ、ただ、少しでも牧野の元気を取り戻したいために道化てる。

「これ食ったら、ちょっとは元気になんだろう」

焼けた魚を牧野に差し出す。

「ありがとう」

わずかに牧野の口元が笑った。

力ない笑もありがとうの声も今は無性に俺を安心させる。

少しは元気になったか?

もう一つに元気の素。

「それからな」

ポケットに手を入れて思わせぶりに拳を牧野の目の前に突き出した。

「あ・・・」

弱弱しい瞳に喜びの光が浮かぶ。

「どこにあったの?」

うっすらと涙の浮かぶ瞳が俺を見つめる。

「森の中で、鳥の巣を発見してな、卵にでもあり付けないかと思ったら、これ」

牧野の手のひらに返す土星のペンダント。

見つけた時はきっと今の牧野より俺の方がうれしかった。

これで牧野の心を重くするものが一つは無くなったって確信できたから。

「よかった・・・・。ありがとう、道明寺」

愛しむように牧野が手の平の中でギュッとペンダント握り締めて、もう無くさないって言うみたいに胸元に抱きしめた。

そんな牧野を抱きしめたって思う。

ままならない感情は押し殺したまま牧野の横に腰を下ろす。

久々に牧野の肩が俺に触れた。

「最近、ちょっと忘れてたかもしんねェな、俺様としたことが」

「え?なにを?」

「俺たちってよ・・・・。運命共同体なんだよな」

「・・・うん」

やっと牧野が微笑みを俺に向けた。

久し振りに向かい合って笑みが浮かぶ。

照れくさそうに笑ったあいつは俺の肩にそっと頭を寄せた。

今の俺たちに価値観なんて何も違わなくて・・・

二人で今一緒にいるってことが大切だって思う。

一緒の土星人で・・・

出会うことが運命で・・・

俺たちは運命共同体だ。

そう言って牧野に贈った俺からの初めてのプレゼント。

「無くしたらぶっ殺す」

それなのに何度無くしてるのか。

無くしても、捨てても牧野の手の中に戻って来た土星のネックレスが俺たちの苦難の象徴。

楽しいことも、苦しいことも一緒に乗り越えてきた。

そのたびにつながりはきっと前より強くなってるはず。

ティアラなんてもうどうでもいい。

牧野意外に失って困るものなんて俺にはないのだから。

俺に寄り添う牧野の温もりを体中で感じていた。

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

みゆう 様

初コメありがとうございます。

私はドラマで嵐に興味を持ちました。

ジャーニーズ自体にほとんど興味がなくて・・・(^_^;)

あの頃の私は何処へ~。

つかつく最高と言ってもらえてうれしいです。♪

高校3年生ということは受験ですね。

勉強の合間の気分転換のお供にしていただけたら嬉しいです。