ドッカン !! 29
立ち食いソバの次はなにを初体験してもらおう♪
楽しんでるわけじゃないんですけど・・・(^_^;)
やっぱり楽しんでます。
このお話の番外編 SP物語 UP
*暖簾をくぐった顔がそのままキョドッとなった。
「先輩、こんなところで急に立ち止まらないでください」
聞き覚えのある声の主は、私を通り越して、品のいいスーツを着こなしながらソバの入ったどんぶりを両手で持って口元に近付ける道明寺フォールディングス代表、その一点を見つめてる。
相葉さんに千葉さん。
結婚前から親しい若手の道明寺付きSP。
「探しました」
汗ばんだ顔が確かにどれだけの時間走りまっていたかを物語る。
でも・・・よくこの場所にたどり着いたよね。
実直な私の感想。
「つくし様がこちらの裁判所に来てることは分かってましたから」
そう答えた相葉さん。
私はどれだけ感情を顔に出していたのだろう。
ある意味ハズイ。
「お前ら、昼まだだよな?」
道明寺にしては珍しい気遣い。
「何でも食え」
二人に差し出したのは財布の中から取り出した千円札。
これほど千円がおもちゃみたいで似合わない相手がどこにいるだろう。
「その間に、いなくなるとか考えてないですよね?」
道明寺から胸元に押しつかられた千円を遠慮がちに千葉さんが受け取って、どうしますみたいな視線受けて相葉さんが一歩前に出た。
「そんな、せこい事しねェよ」
どんぶりをカウンターにカタッと置いて道明寺がじろりと相葉さんを睨む。
マイナス一度は室温が下がった感じ。
相葉さんたちの緊張感が感染した様に斜め後ろのおじさんがソバをすり上げる途中で息を止めた。
口もとからずり下がったままの灰色の麺は数秒後にようやくずるりと口の中に消える。
「頂きます!!」
さっと動いた千葉さんはドレでもいいって感じで券売機のボタンを押してる。
二人が余裕のある私の隣じゃなく、窮屈気味に道明寺の隣で肩を寄せ合ってカウンターにどんぶりを置く。
割り箸を取って、割って、麺をすくって口に運ぶまで一秒もかかってなかった。
どれだけ空腹なの?
っと思わせる勢いで麺を啜る。
かまずに飲み込んでる勢い。
道明寺!
あんたが睨むから!
可愛そうだと思いつつもこの三人の横からの並び・・・
しらっとしたままの表情の道明寺。
ソバをすする姿も優雅に見える。
そのとなりに並ぶのは耳にイヤホンを当てたままで、一般的なサラリーマンとは見た目が違う。
立ち食いサバ屋には違和感たっぷり過ぎる。
正体を知ってる私一人がニンマリとなってる。
つーより・・・
問題は、この二人が道明寺を探してたって事だ。
「あっーーー」
「いきなり、なんだよ」
「道明寺を探してッてことは西田さんだよね?」
「やっぱり黙って出てきたの?」
「お前んとこに行くって、言って来たぞ」
ドヤ顔で上から見下ろすな。
だからッ!
それは社内の話でしょうがぁぁぁぁぁぁ
こんなとこまでノコノコ私についてきて、立ち食いそばを啜ってる道明寺をさすがの西田さんも思いつくわけがないない。
・・・
・・・・
・・・・・・まて・・・よ。
あの西田さんなら・・・
私の性格を分析して道明寺にランチを誘われて素直に応じないとこまで予測してたら・・・
じゃなきゃ千葉さんと相葉さんがソバ屋に探し来る自体がおかしい。
道明寺より私を探してるならそれもわかる。
西田さんはやっぱりただものじゃないよ~~~~~~。
「すぐ帰りますから、二人はゆっくりと、おそば食べててください」
私が動けば道明寺が動くはず。
「チッ」
道明寺の舌打が聞こえた。
応援のプチもよろしくお願いします。
拍手コメント返礼
asahi 様
五感から刺激を受けて食べたくなるものって有りますよね。
ソバならすぐにでも食べれる身近さ。
司が普段利用するレストランは無理ですけどね。
で・・・お昼はソバでした?
ゆげ様
電子マネーもあるんですね。
司なら電子マネーも限度額はなさそうですよね。
「その間に、いなくなるとか考えてないですよね?」
相葉君の切実な叫び~
これは千葉君より相葉君だろうと思いながら絶対言わせたいセリフだと思っちゃいました。
ここでの西田さんの活躍は♪
きっと司がいなくなっても動じてないんだろうな。
じつは西田さんも慣らされてたりして。