DNA で苦悩する 15

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今回のお話は駿君が牧野家に戻るまえに少し時間を追加してのお話になります。

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上の絵をヒントにしたお話~。

やっぱり舞ちゃんのイラストも欲しいなぁ。(無理なのはわかってます)(/_;)

絵の才能はないもので・・・

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わっ!

思わず声を上げそうになった。

「なにしてたの?」

ガバッとベッドの中から飛びだしてきたのは舞。

「人のベッドで何してるんだ」

かなり動揺中。

鮎川との別れの余韻は確実にぶっ飛んだ。

このドキドキはなんだ?

別に悪いことをしてきたわけじゃない。

舞にはしゃべれない。

本能がそう思った。

「久し振りに一緒に寝ようと思ったのに・・・」

あのなっ・・・。

心の奥で小さくため息を漏らす。

寝てったて、もう何年も一緒には寝てないだろう!

お気に入りのクマのぬいぐるみを抱えて僕のベッドにもぐりこんできたのは小学三年生までだった。

今はあどけなさを少し残したままの顔がベッドの上で腕組みをして睨み付けてる。

それが可愛いって思えるのはやっぱり妹だからだとおもう。

「ワー――――ッ」

「オッ!!!」

カーテンの内側から飛び出したのは翼。

佑までいた。

驚きの声を上げてもう少しでしりもちをつきそうになるのを何とか踏ん張る。

「・・・で、どうだった?舞には内緒にしておくから」

兄貴ーーーッって、抱き着いてきた翼が耳元で小さくささやく。

抱き着かれるならまだ舞の方がいい。

「あのな、友達を送ってきただけだから」

「なんもねェの?」

何もって、なんの期待を俺にしてるんだ?

残念!みたいな顔はやめろ!!

「色気のある話は家元だよな」

家元=西門総二郎。

僕たちの茶道の師匠でもある総パパを最近僕らは陰でそう呼ぶ。

「佑の父さんも話が分かるんじゃないのか?」

「母さんの前じゃ禁忌だよ」

二人で見合わせてニカッとなった目元。

『兄さんじゃ無理か~』的な・・・

たぶんそんな・・・

あきらめの表情に、こいつら・・・変わった。

「わーーー、睨まないでよ」

「おまえがしょうもないこと言うからだろう」

片腕に翼の首を巻き込んで締め上げる。

「高校生の恋愛事情って、興味あるじゃん」

「ほかに興味持てるものないのか!」

翼を締めてる腕にわずかに力を込める。

「僕は兄貴が好きなんだ」

まだ息継ぎに余裕のある締め具合に翼は余裕の表情を浮かべてる。

「二人で楽しまないでよね」

「舞と僕じゃプロレスできないだろう」

ベッドから飛び起きた舞が僕らの前にぬっと顔を出す。

翼と別にプロレスがしたいわけじゃないし・・・。

それが通じるわけもなく舞がジャンプしてノッカッタ。

そして佑まで・・・。

3対1じゃ、分が悪い。

支えられる訳がない。

何とか床に顔を押し付けられるのは避けるように顔をそむける。

僕の横で一番上にいるはずの拓が崩れてる。

どうも佑は貧乏くじを引くタイプだ。

「だらしないなぁ~」

少し軽くなった重み。

起き上がって腕組みをして舞が見下ろしてる。

男3人の中で育つと女の子も乱暴になるのだろか?

外面だけは上品なんだよな。

『流石は道明寺家のお嬢様』と、言われてにっこり上品に微笑むのは限られた時だけだって僕らは気が付いてる。

「愛想よくしてるのも疲れるんだよね」

だからその反動を帰った後に僕に向けるなッ。

「舞はつくしに似てくる」

舞に甘い父さんの何とも言えないうれしげな表情を浮かべる。

「牧野にそっくりだ」とうなずく3パパ達。

それで喜んでるのは父さんとパパ達だけだって思う。

母さんよりぜったい舞の方が凶暴だって思う。

母さんが強気で立ち向かうのは父さんにだけだから。

舞の場合はいつも僕らの中心でついでに父さんたち天下のF4も言いなりだから。

「お兄ちゃんが居なくて淋しかったから、舞のテンションあがっちゃった」

起き上がって服の埃を払ってる僕を覗き込んできた舞。

クスッと湧き上がる嬉しさ。

少し照れたように微笑む舞。

ヤッパリ妹は可愛いものだ。

それはまた鮎川に思う感情とは別の特別なもの。

「明日は一日お兄ちゃんは舞に付きあうぞ」

思わず、言ってしまった。

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