If 25

*

「おい、こら、まて」

「待たない」

何度か繰り返された会話。

俺があいつを追ったりあいつが俺を追ったり。

海岸の砂浜を見渡せる範囲で無数の足跡が波の痕を乱す。

それは牧野と俺だけが付けた足跡。

この足跡の先に俺たちの未来はつながってる。

そう思えた。

無人島に置き去りにされてる割には楽観的だ。

それももうすぐ終わる気がした。

無邪気な牧野の笑い声はあいつが元気を取り戻せた証。

それは俺を安心させて無性に抱きしめたくなる。

「はーあ、疲れた」

岩の陰に追い込んで逃げ場を失った牧野。

「もう、無理だ」

背丈以上の岩はところどこで浜辺の緩やかな経度の姿を変えている。

海辺に突き出した岩の上で、牧野は水平線に向って声を上げてたものだ。

その姿はこの島に来た数日で見られなくなった。

あの頃からきっと牧野の助けが数日で来るってわずかな希望は、はぎ取られていたんだろう。

この島の暮らしもすてたもんじゃない。

牧野がいなきゃ俺もそんな風には思えなかったはずだ。

肩を並べた俺の隣で息を整えるように牧野の胸が大きく上下する。

目が合うたびに幾度と重ねた唇。

息を吐くたびにわずかに開いてつややかに光る。

まだ触れたりないって密かに思う。

「あっ夕日だ」

わざとらしく俺から視線を離した牧野が身体の向きごと沈む太陽を見るように変えた。

「きれい」

青い海をオレンジ色に染めて地平線と太陽が同化する。

「今までで見た夕日の中で一番かもな」

牧野を背中から抱きしめて肩の上から回した腕。

胸元に降りている俺の腕を牧野の手のひらがギュッと掴む。

服の上からも伝わる牧野の心音。

俺の鼓動もきっと牧野の背中に伝わってるはず。

「夕日を二人で見たの初めてだからね」

「?」

少し棘の有る声。

ここで牧野の機嫌を損ねること俺は・・・したか?

「いきなり、なに拗ねてんだ?」

「だれと・・・」

「?」

「誰と見た夕日と比べてんのよ!」

「へっ?」

膨れてるはずの顔は俯いたままで・・・。

声だけ不機嫌で・・・。

言った後で、すーげーシマッタって思ってる牧野が容易に想像できて・・・。

「夕日を眺めるって、俺はお前とが初めてだよ」

言いながら頬を寄せ合って抱きしめる。

触れた頬が熱くて・・・

触れあう肌の柔らかさが温かくて・・・。

わずかに顔をずらして頬に唇を当てる。

チュッと吸った瞬間に牧野の首が横に動いて、小さな手のひらの温もりが俺の頬に触れた。

重ねた手の平。

華奢な5本の指を自分の手の中に包み込む。

牧野の身体を引き上げるように力を込めて唇を重ねた。

問題はここから先!

☆をつけようかどうか迷いながら今回はナチョナルで♪

私の文章でどこまで皆様の想像を刺激出来るか!

無謀な挑戦に挑んでみようと思いました。

書いていて思いました。

☆をつける方が楽だと・・・。

*

溶けてなくなりそうなキス。

触れただけで高揚した思いはそのまま欲望に変化していく。

理性と欲望の狭間。

もう・・・ほとんど境界線は無くなってしまってる。

気がつけば牧野を岩壁に押し付けて執拗に繰り返すキス。

首に巻きついたままの牧野の腕。

激しく舌が絡むたびに力がこもってくるのが分かる。

「はっ・・・」

ほんのわずかに解放した牧野の唇から息が漏れる。

紙一枚分の隔たりからこぼれた牧野の吐息が俺の口の中に流れ込んでくる。

その息も愛しいって思う。

シャツの袖から滑り込ませた片腕。

なんの抵抗も見せずたどり着いた柔らかい膨らみ。

指先に力を入れるたびに押しつけた形に変わる。

「牧野・・・」

哀願じみた声。

自分でも振るえてる唇が、意外で、だらしないって思う。

「大丈夫だから・・・」

それって俺に言ってるのか・・・

自分言い聞かせてるのか・・・

凄く微妙だ。

牧野を抱く腕にもう一度力を込めその身体を引きよせた。

押し上げたシャツの中から露わになる白い肌。

胸の先に押しつけた唇を押し当てた。

一応・・・

ここまでは経験あり。

つーか。

今はそんな経験なんてなんの役にも立たないって思い知らされてる。

触れるたびに心拍と体温が瞬間的に上がっていく。

背中を駆け抜ける快感。

そのすべてが身体を支配していく。

わずかに発する牧野の声と互いの肌が発する音が否応なしに俺の手の動きを早くする。

「ん・・・っ」

牧野から漏れたか細い声。

身体がわずかに震え肌がしっとりと汗ばみ始めてる。

頭の芯が甘くなるようなしびれる高揚感。

何時しか、海に隠れた太陽の代わりに、夜空に上がった月の光が、白い肌を吸って残した痕を、赤く浮かび上がらせていた。

これからの俺たちの証みたいに・・・。

下半身に這わせる指先。

眉間に寄せられた眉も艶めかしい色を放つ。

「どう・・・みょう…じ・・・」

振るえる唇から喘ぐように紡ぎ出される声。

突き上げられる衝動に俺の喉がごくりと鳴ったのが分かった。

その衝動に流されるままに牧野の奥深く牧野の下肢の内側の肌に触れる。

そのさらに奥深くで指に絡みつく熱。

しっとりと、ねっとりとしたその感覚がそのまま指先を未知の奥に誘い込む。

指に感じる刺激はそのまま欲望を十分に刺激して俺を駆り立てていく。

このままじゃ持たねェかも・・・

そんな不安。

「うっ・・・」

熱を逃がす様な声と同時に俺の背中にしがみつく様に牧野の腕が力を込めた。

「大丈夫か?」

「大丈夫みたい・・・思ったほど痛くないし・・・」

痛くって・・・

もしかして・・・

お前・・・?

まだ・・・指だけ・・・

「・・・・えっ?」

なに?

そんな表情に牧野が変わった。

「・・・違うの・・・?」

「まだ、先というか・・・始まりと・・・いうか」

こと、事に及んで俺はここでどう説明しなきゃいけないんだ。

「まだ、続く・・・」

そのままガバッど牧野を抱きしめる。

「頑張る・・・」

聞こえた声に無性に可笑しさがこみ上げる。

どこまでも来ても俺達はこんなもん。

「こんな時まで笑わせてくれる女はお前しかいないよな」

生れた余裕でもう少し優しく牧野を抱ける気がした。

で・・・この後は?

どうなったの?

ヘビの生ころがし~♪なのは?

司か読んでる皆さんか~。

たまにはこんな展開も面白いかと思ってUPしてみました。

ここで伸ばすか!

お叱りはご容赦を(^_^;)

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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