If 26

おはようございます。

だんだんと冬の足音が近づいて、我が家はストーブを出すべきかどうか悩む今日この頃。

いまだにこの二人は熱い♪

☆マークじゃない!!!

思ってるそこのお方♪

こうなれば行くとこまで行こうと思ってます。

「なんでだよ!!!」膨れてる司君はほっといて~

『ONE HAPPY O’CLOCK』S倶楽部隊は今日も行く♪

*

何も聞こえなくて・・・

ただ・・・ただ・・・

耳元に触れる牧野の息遣いを感じてた。

ワンテンポずれたみたいに出来た少し冷めた熱。

波の音が聞こえてくるたびに動揺してる。

このまま行けるか?

シッカリと閉じられた瞳。

ほんのりと高揚した頬。

力の入るとこ、すべての筋肉が緊張してる。

牧野に・・・

強要してるような・・・

無理させてるような・・・

こいつにだけ頑張らさせて・・・。

勝手に盛り上がって抱きしめて・・・。

腕の中で牧野が震えてるような気がした。

なんだか自分だけが悪者になってるような不安。

無理やりに奪いたい自分と、大事に守ってやりたいと思う矛盾した心。

今までも十分に待ってたつもり。

このまま突き進んで大丈夫か?

思っていたシュチュとの違い。

いきなり夜空の下って大丈夫なのだろうか?

牧野を壊しそうで怖い。

冷静さを取り戻してる自分との葛藤。

ここまで来たら徹底的に我慢してやるよ。

こいつから俺に身を投げ出したくなるまで。

はぁーと大きく息を吐き出して、抱きしめて触れていた身体を離す。

その隙間に潮風が入り込んで肌の熱をさらう。

「俺のはこんなものじゃない」

牧野の身体の奥に触れた指先。

それを牧野の鼻先に示す。

「えっ・・・」

ゆるゆると開けた瞼。

うつろなままの瞳。

「この数倍はある」

俺の言った意味を悟ったように牧野の視線が指先から俺の下半身に移る。

「あっ・・・えっ?」

実際にみせてるわけじゃないが正常よりも成長してるのはズボンの上からも目視できる。

言った俺が牧野よりスゲー恥ずかしい。

俺の方が全部見られて素っ裸になってるみたいだ。

なんかしゃべれ。

この沈黙は意外と拷問。

自制するのも限度がある。

これ以上牧野にふれたら・・・ふれられたら・・・

我慢できなくなる。

クソッ!

逃れるように砂浜にうつぶせで寝転んだ。

太陽の熱で温まった砂は肌の熱と同調する。

海に行った方がましだって気が付いたが、身体が動かせない。

どのくらいそうしていたのか・・・。

太陽が隠れた水面を銀色の月が照らす。

自然の光と波の音しか聞こえない静かな海辺。

いつの間にか牧野も俺の隣でうつぶせになって海を眺めてる。

二人しかいない世界がここにある。

俺の側で・・・身体の細胞中で牧野を感じてる。

その事が幸せだって思える。

言葉を交わさなくても、あふれる思い。

指先が牧野の髪の毛をもてあそぶ。

その俺をクッスとした笑顔で牧野が見つめてる。

何も言わなくても二人はつながってるって思えた。

「俺はお前が望むことなんでも叶えてやるから」

「ホントかな・・・」

「誓ってもいいぞ」

「おまえの夢ってんだ」

俺の夢はお前。

もう叶った。

牧野の夢を聞いてないのはずるいだろ。

なんでも俺がかなえてやるって本気で思う。

「私の夢はね・・・」

吸い込まれそうな瞳が決心したように俺を見つめる。

照れくさそうに・・・。

潤んだ真直ぐな瞳で・・・。

牧野の次の言葉がこんなに待ち遠しいと思ったのはいつ以来だ?

「ウソつけ、お前俺に惚れてんだろう」

「惚れてるよ。バカで、我儘で、自己中の道明寺に惚れてるよ」

初めてこいつに告白されたのはNYに旅立つ空港だった。

牧野が涙を一杯浮かべた瞳でありがとうと最初につぶやいて・・・。

あの時からこいつに惚れってるって思いは増大するばかりで衰えることがない。

「えっ?」

「あれ見ろよ」

聞こえてきたプロペラの音が夜空に響く。

その音にはじかれるように体を起こして夜空の彼方に目を凝らす。

久し振りに見る電気の光。

「お迎えにあがりました」

姿を現したのはティアラを盗んだ黒づくめの男。

「ラストステージを用意しました」

殺気のなくなって穏やかに笑みを浮かべる男に不愉快さは有るが抗うのは無意味だってわかってる。

そのままヘリに乗り込んで無人島を後にした。

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