DNA で苦悩する 17

今回の『道明寺家の週末』は!

いきなり題名付けてるのに16でいったん打ち切り。

この時のお話は舞ちゃん日記でも立ち上げようかと・・・(^_^;)

あっ・・・いらないですか?

お話は駿君の高校生日記に移行させていただきます。

日記はさておき・・・DNAで苦悩するのお話だってば~。

*

「今日はまたすごくないか?」

僕の前の席の椅子に蒼が跨ってニヤつく。

「そこ、お前の席じゃないだろう」

今朝から何時もより見られてる気がした。

僕を見てひそひそと言葉を交わして顔を赤らめる。

「おはよう」

あいさつされて「おはよう」と返す前に「キャー」と声を上げて走り去る女子。

先週より熱を上げられてる気がした。

そして今休み時間に窓ガラスに張り付く知らない顔が隙間がないほど密集中。

たぶん一番下は膝を床について、その上は膝を軽く曲げて中腰。その上に顔が乗っかって最後は背伸びに椅子まで持参の5階段が出来上がってる。

「別にどうでもいいけど」

「駿、意外と冷たいよな。こんな時はにこっと笑って笑顔を振りまいてやれよ」

それがどれだけ危険か僕は知ってる。

「私を見た!」「私に笑ってくれたのよ」

それくらいで済めばいい。

気に入ってくれたとか、好意を持ってるとか勘違いされて付け回されたこと蒼には有るか!

ついでに親が絡んで来たら・・・いきなり婚約まで話が出てくんだぞ。

父さんが鼻であしらうから僕んとこまで話が来ることはまだないだけだ。

「顔が良くて、頭も良くて、家柄も良くてって、恵まれ過ぎじゃねぇの」

ひがむぞ俺って言いながら全然嫉妬を感じさせない蒼。

こいつの屈託ない笑顔を僕は素直に受け入れてる。

「あのな、顔も知らない子に、突然好きだって言われても僕の何を知ってんだって言いたくならないか?」

「所詮うわべだけだろ?」

「これだから、何でも持ってるやつは贅沢だって言うんだ」

「見た目がいいほうが絶対得なんだからな」

「俺とお前がならんでたら、絶対お前の方が強烈に印象が残る」

「そこから好意が生まれて恋に変わるんだ」

「蒼・・・君って・・・哲学的だな」

「どれだけ俺が努力してるんだって思ってる」

上腕に両目に伏せて蒼が泣く。

泣いてる真似すんな。

『ペチッ』

手のひらで叩いた頭頂部が意外にいい音をたてた。

顔を上げた蒼は、ニッと白い歯を見せて笑った。

「付きあえば俺は蒼を好きになるけどな」

「駿、俺もお前が好きだ」

立ち上がった蒼がガバッと僕の背中に両腕をまわして抱きしめた。

「また、ホモってるの?」

「俺たちの邪魔をしないでくれ」

蒼ーーーーッ

鮎川の前で遊ぶな!

必死で蒼の腕を潜り抜けて脇の下から頭を抜け出す。

包容からプロレスの技を掛けられてる僕に変わっただけのことだった。

焦ってる僕を見て蒼がやたら嬉しそうな顔をつくって僕から離れた。

「なんだよ」

「なんでも・・・」

睨む僕にクスッっと鼻を鳴らす蒼。

僕が鮎川を気にしてるって蒼には気づかれてる。

「駿君、この前はありがとう」

なぜか同じ教室にいるはずの鮎川を目で追うだけでなかなか今日まで喋れずにいた。

つーより、授業中以外は僕の周りには人垣が出来てトイレに行くにもままならない状況が続いてた。

この状況で落ち着いて鮎川に声をかけることもできないのは当たり前だ。

「へぇ、何時の間に道明寺じゃなくなったの?」

興味津々の表情の蒼。

「僕は親しくなると名前で呼んでもらうんだ」

「だからどこからそうなったの?」

「蒼、よせッ」

さっき、頭をたたいた逆襲にしては数倍強い。

頭を腕で固定した蒼が頭頂部を拳でぐりぐりと押しつける。

「痛いって」

首に巻きついた蒼の腕をなんとか解いた。

「今日は、少しは落ち着いてるね」

「落ち着いたって言うか遠巻きの女子は増えてるけどね」

蒼は廊下に向けた背中の先を親指で示す。

「体育祭も文化祭もまだ先だっていうのに目立つ行事もない無いうちにこれだけの人気って伝説になるぞ」

「そんな、伝説いらないから」

それでも、英徳でいまだに語り継がれる『英徳のジャンヌダルク』の異名を持つ母さんよりは地味。

英徳を牛耳っていた父さん。

やりたい放題で教師も手が出せずにいた父さんに立ち向かった母さん。

だから僕らがいるって事が、伝説を神がかりにしてるもの。

道明寺司の息子にこの伝説がいくばくかの輝きを付け足してる。

「原因はこれだと思うけど」

鮎川が机の上に広げた雑誌。

見開き1ページの片面。

1枚だけじゃなく数枚の写真に映りこむ舞と僕。

正面、横から、角度を変えて・・・

モデル並みにポーズを作ってる写真。

それはまるで自ら写真を撮らせた見たいな構図。

街で偶然見かけたってコンセプトじゃない。

「素人じゃないじゃん。駿、いつプロダクションにスカウトされたんだ?それにこの子かわいいな」

「それは舞だ!」

雑誌を食い入る様に見つめる蒼から雑誌を奪って叫んでた。

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拍手コメント返礼

アーティーチョーク 様

雑誌の舞ちゃんの横にいるの駿君だと気が付かずに激怒する司君。

この設定は面白いですね。

もう少し早く気がつけば・・・(^_^;)

もう一人の牧野家の重鎮。

どうしてるんでしょうね。

確かに!

駿君小学生の時は彼女もいなかったんだよなぁ~。

せめて結婚はさせてあげましょうか(笑)

おかゆ

苦労気味に性格は確かにあきら君かも~

二人とも長男ですもんね。

ついでに双子のお兄ちゃんだしね。

これって偶然?