If 27(完)

やっとここまで(/_;)

これ、何度目のセリフだろう。

やっとファイナルにつなげて無人島にまでたどり着きいよいよ結婚式♪

ここの描写は簡単に済ませていよいよってところに!!!

期待してもらいつつ・・・

それで二人はどうなる?

カギを握るのはドS倶楽部会員様ご一行♪

今回は暗躍してませんよね?

*

「これが個人所有って凄くない?」

茫然自失気味に牧野が眺めたのは年代を感じさせる書院造の邸内。

「東京ドーム何個分?の説明が聞こえそう」

危機感を感じさせない呆けた牧野の声。

この俺様を敵にしてきたやつだ。

道明寺に匹敵する財力が無ければ釣り合わねェッだろう。

だったら思い浮かぶ名前は限られる。

心してかからねぇと、どんな落とし穴があるかわからない。

日本に帰ってきた。

それだけが唯一の救い。

牧野と一緒ってことも俺にとっては有利な材料だ。

なにがなんでも牧野だけは守る。

ティアラを盗んだ男に案内されながらのその背中を睨み付けそう決心した。

何かあればいつでもこいつに飛びかかれる。

緊張は身体の筋肉すべてに張り付いてしまってる。

古い造りではあるが、さびれた雰囲気のない行き届いた手入れを感じさせる平屋造り。

板敷の長い廊下は行き止まりを感じさせないままに長く続く。

平安時代の貴族の屋敷はこんなものだったのだろうかと思わせる邸宅。

道明寺邸の西洋風の造りとは違った趣を感じさせる。

案内された部屋の奥でゆったりと腰を下ろす人物。

白く混じったあごひげ。

眼光の鋭さは何物にもひれ伏せない凄みを持つ。

負けねェけど。

「あんたが、黒幕か」

一歩も引かない強気でそいつを睨み付けた。

「どうだったかね、無人島のサバイバル生活は。さあ、腹も減ったろう。存分にたべたまえ」

黒塗りの膳を目で示しながら眉一つ動かさない低い重厚のある声。

それは人を指図したことしかない人種の一種の独特な雰囲気を持つ。

「どういうことですか?」

さすがに牧野もここでは食欲より先に警戒心をあらわにしてる。

「ラスベガス、香港、南の島。そこで君らが見たものは何かね?」

男の動ずることのない強い問いかけ。

俺らが見たもの。

それは俺と牧野の思いを・・・つながりを一層深めて強くした。

それの答えを老人が待ってるとは思えない。

何を考えるんだ?

それが俺の本音。

「あんた、何者だ・・・」

唸る様に喉から声を絞り出す。

この俺が押され気味になってしまってる。

俺たちの目の前に見覚えのある木の箱が運ばれてきた。

その中身はティアラだと見なくても分かる。

その箱に吸い寄せられるように牧野が飛びつく。

これで結婚できるねって牧野の瞳が俺に嬉しそうに訴える。

そう簡単には楽観できねェ。

この俺が言いように遊ばれてたんだぞ。

ティアラを鷲掴みにすると足早に廊下にでて庭に向ってティアラを投げ捨てた。

「なにしてんのよ!道明寺!」

牧野の悲鳴じみた声。

「もう俺たちにこんなものは必要ねえ。てめえらの遊びに付きあうのは、もう終わりってことだよ」

俺の横で慌てまくる牧野は無視して、全力で挑むつもりで男を睨み付けた。

「気が付いたのか?アレがイミテーションだと」

初めて男の表情が動いた。

感心したような呟き。

「はっ?」

思わぬ男の告白に驚いてしまってる。

それでもすぐに頬を引き締めた。

男の告白はそのまま意外な方向へと進む。

俺たちの結婚を祝福しないものはいない。

だがきみたちの結婚に不安を抱いてるものがいると・・・。

それが牧野の両親で・・・

おふくろのたくらみで・・・。

おふくろの古い友人のこの男が手を貸しただけだと・・・。

「俺たちが別れたらどうするつもりだったんだ」

「運命の二人ではなかった。ただそれだけのことだ」

落ちついた口調でお茶でも啜る穏やかさで男は小さく笑った。

廊下を小走りに来る人の気配。

それは牧野の両親で・・・

「ごめんなさい、道明寺さん」

「申し訳なかった!」

土下座して深々と俺に頭を下げる牧野の両親。

そうさせたのは俺の浅はかさで、傲慢さで・・・

牧野だけじゃなく、牧野の両親まで不安にさせていたって思った。

浮かれてる場合じゃなかった。

俺にとっては当たりまえのことでも牧野にとったらすごい重圧。

180度の生活の変貌がこの先あるはず。

思いやれなかった俺の責任。

二人を責める気はさらさらなくて、責められるのは俺のはずで・・・。

牧野の両親から言い出したことだとは言え、きっと俺たちの何倍も何十倍も心配したはずの牧野の両親。

心配しすぎて一回りは小さくなったんじゃないかとさえ思えた。

「・・・俺の目にくるいはねえ」

「牧野は、こんなすてきな、父ちゃんと母ちゃんの娘なんだよな」

座り込んでる二人の肩を取って俺は立ち上がらせる。

「自分は今回のことで、あらためて、つくしさんと生涯を共にして生きていく決心が強くなりました」

「俺はかならず、つくしさんをしあわせにします。二人で力を合わせて人生を歩んでいきます」

「牧野を産んでくれて、牧野を育ててくれて、心から感謝します」

背筋を伸ばして、姿勢を正しながら床に膝を折って、「ありがとうございました」

両手をついて頭を下げた。

このくらいじゃ足らない熱い思い。

感謝しても、感謝してもしきれないって思う。

牧野が俺の傍にいるって奇跡はこの両親からの贈り物って思える。

「道明寺・・・」

牧野が泣いてる。

溢れてくる涙を拭おうともせずに、歓喜わまった表情。

泣くなッ。

嬉しそうに泣く牧野の頭を自分御の肩に抱き寄せた。

牧野の両親と別れてそよ風の拭き抜ける廊下に寝そべる。

寝そべりながら今回の旅について思い返していた。

ケンカして泣かせて、無人島で二人でいる本当の意味を知った気がした。

静かな足取りで近づく影。

はじめにおふくろに気が付いた牧野が俺の横で慌てて身体を起こす。

「おかえりなさい」

両手を広げて俺たちを抱きしめるおふくろ。

おふくろが泣きそうな表情を初めて俺に見せた。

「ただいま・・・」

柄にもなく声が振るえて泣きそうになる。

いまさら、普通の母親の様な優しさを見せるな。

それがうれしいって素直に思うには大人になってしまってる。

「おかえり」

屋敷の門のまえで待ち伏せたいたのは総二郎とあきら。

結局こいつらも一枚かんでいたわけだ。

いまさら責める気はない。

「なんだもう!怪しい行動してるから、それで道明寺とケンカになっちゃったんだよ」

文句を言いながら途中から牧野の表情は笑みに変わってる。

車に押し込められて二人に連れて行かれたのはクリスマスでもないのに無数のイルミネーションが輝く恵比須ガーデンプレイス

「なんだこりゃ」

いまさらパーティーするより俺たちは少しでも早く体を休めたい。

ゆっくり風呂に浸かって垢を落として、寝心地のいいスプリングの上で手足を伸ばしてゆっくりと現代の生活に戻る。

そして側に牧野がいれば最高。

それでと眠れねえか・・・。

「これから、F4プロデュースの結婚式!」

自信満々の満面の笑みの総二郎とあきら。

誇らしげな声は俺たちより浮かれてるように聞こえる。

タキシードにウエディングドレスに着換えた俺たちの祭壇の前には類がいて、それも神父の恰好。

類の前で結婚を誓い合う。

「ありがとう、花沢類」

類の前で涙に振るえる牧野の声。

類に嫉妬したこともあった。

類が牧野を好きだって気持ちも知ってる。

俺たちを結びつけるのに類以上にふさわしいやつはいない。

洒落た演出しやがって。

指輪の交換。

誓いのキス。

見つめあって浮かぶ微笑み。

これ以上に嬉しさを感じたことがないって幸せ。

牧野の腰に回した腕に力を入れて引きよせる。

一瞬驚きを見せた牧野がすぐに恥ずかしげに微笑む。

頬に触れた手のひら。

牧野の熱を感じながらキスしやすい角度に変えて口づけをした。

そして強く抱きしめる。

みんなの祝福と歓喜の中で俺たち夫婦になった。

一応この区切りでおしまいです。

『100万回のキス』では結婚式はつくし目線で書いてます。

その後のことはそんれなりで~。

今回の『If』とは設定が違いますから、司君張り切るだろうな~

目に浮かぶ。(^_^)/

この後のお話は番外編としてUPする予定としてます。

PW付きになるかどうかは・・・どうだろう?(^_^;)

御付き合いありがとうございました。

楽しみいただけたら応援のプチもよろしくお願いします。

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拍手コメント返礼

おかゆ

御付き合いありがとうございました。

これ読んでファイナル見てた粗が出たらどうしましょう~。

やや緊張気味(笑)

それはさておきくファイナルも楽しんでいただけたら嬉しいです。