☆ If   もしも?その後の話

*

右肩にもたれ掛る重み。

それはくすぐったくて・・・。

愛しくて・・・。

嬉しくて・・・。

起こしたいのか、起こしたくないのか・・・。

肩から落っこちそうになる頭をそっと腕で守る様に支えてしまってる。

離れるのは許さないって感情。

指先にまとわりつく毛先まで全部俺のものだ。

「起きろ、着いたぞ」

久し振りに帰ってきた我が家。

今日からは俺んちが牧野の家で、ヤダって言っても生涯一緒にここで暮らす。

俺たち二人が刻んでいく未来。

その第一歩の始まりだ。

「えっ・・・寝てた?」

目を擦りながら意識はまだ半分夢の中に置いているような表情。

「夢じゃないよね・・・」

牧野の見つめる瞳の中のすべてが俺で占められてる。

「夢じゃねェよ。奥さん」

「えっ・・・?きゃッ」

車を降りて俺の腕に抱き上げられた牧野が短めに悲鳴を発した。

「今日からここで俺と暮らすんだ覚悟しとけ」

「それは分ってるけど・・・歩けるから下ろして」

「ダメだ」

「里井さんが見てるってば」

牧野の腕は必死に俺の首に巻きついて唇を尖らせる。

運転手の里井も嬉しそうに俺たちを祝福してるだけだ。

「花嫁は抱き上げて新居に入るもんだろう」

「新居たって、今まで何度もここには来てるし、今さらでしょ」

「グダグダ言うな」

そのまま階段を上がって玄関の中に進む。

「おめでとうございます」

扉を開けられた先に左右に整列する使用人達。

祝福の嵐は結婚式が終っても収まってなかった。

「おろしてッ」

耳元で遠慮がちに小さく囁く牧野を無視して、使用人たちに見送られて屋敷の奥に進む。

牧野の使用人の手前、俺をじゃけに扱えないって気遣いが分かる。

「すぐおろしてやるよ」

きっと・・・

今の俺は・・・

満面の笑みで牧野を見つめてるって思う。

部屋の奥のキングサイズのベッド。

そこに牧野の身体を優しく横たえる。

首だけでもたげた顔。

ギクッとなった表情は相変らずで・・・

少し困った表情が決心したように唇を噛む。

そっと額に触れた唇が熱い。

ピクンとわずかに牧野が身体を引いた。

続きの部分からはR18禁です。

年齢に満たない方はお控えください。

成年でも、そのような表現がお嫌いな方はお戻りくださますようお願いいたします。

「帰って来たばかりで、まだやることあるし、疲れてるし、今日はいろんな展開が早すぎ」

上半身をベッドからわずかに持ち上げてる牧野は動揺気味。

「お前、焦ると良くしゃべるな。黙れ」

「あっ・・・」

口もとから零れる母音。

その音を飲み込むように唇を重ねた。

ベッドに押しつけた牧野の背中。

それを抑え込むように身体の体重を半分預けてる。

誓いのキスのまま押し倒したいって本能。

随分と我慢したんだ。

今までもずっとな。

もう・・・

押さえるなんてできない。

絡めあう10本の指。

重なり合った手のひらから伝いあう熱。

解けた指先はそっと牧野の頬に触れた。

震える睫毛がユラユラと動いて目を開く。

「どう・・・みょうじ・・・」

切なそうに俺を呼ぶ声。

牧野の腕が動いてその指先が俺の頬に触れる。

その手を包み込んでそっと指先キスを落とす。

ドクンと高鳴る心臓が口から飛び出そうな勢い。

抱きしめた牧野の唇が胸元をかすめる柔らかな感触。

それだけで淫らに俺を煽る。

欲望のままにシャツの裾から滑り込ませた指先。

外したブラのホック。

頼りなく浮いたブラの代わりに柔らかなふくらみを捉えた手のひら。

すっぽりと手の中に納まったふくらみは俺の指先の動きのままに形を変える。

熱を逃がす様にかすかに息の漏れる唇。

重ねた先で口内に侵入した舌先。

舌が絡まって秘めやかな音を奏でて、熱い息が鼻に抜ける。

唇から頬に・・・首筋に・・・

首筋から胸へと肌に触れるキス

触れるたびに牧野から漏れるか細い声。

身体がわずかに震えしっとりとした汗ばむ肌。

変化に気が付くたびに頭の芯が甘くしびれるような高揚が俺を襲う。

身体を余すとこなく撫でて落とすキス。

緩やかな曲線をキャンパスに描く熱のラインが淫らな痕を赤く残す。

牧野の乳房の変化を確かめながら、その膨らみに唇を押し当てた。

舌先でくすぐるとピクンと身じろぐ反応を牧野が見せる。

白い肌を吸って残した後がカーテンの隙間から差し込んだ月光に浮かび上がって艶めかしさを増長する。

「私ばかりで・・ずるい・・・」

潤んだ瞳に絶え絶えの息使い。

「なにが?」

「脱がされて、乱されて、自分じゃないみたいで・・・恥ずかしい・・・し・・」

「俺も・・・バクバクだけど」

確かめさせるように左胸に牧野の手のひらを導く。

「ホントだ」

浮かべた笑みは頼りなくて、ぎこちなくて・・・

これから牧野に与えるであろう痛みを思うと胸に宿る罪悪感。

それでも一つになりたいって想いは強くて切ない。

誤魔化す様に牧野の下半身に進めた指先が、牧野の潤んだ奥を見つけてその内側に触れる。

侵入を拒むものなくて指に絡みつく熱。

「んっ・・・」

進めるたびに小さく牧野が息を漏らす。

眉をを眉間に寄せて刺激から逃れようと作る表情がいっそうに俺の熱を煽る。

「牧野・・・」

「牧野じゃおかしくない?」

切ない表情を浮かべた牧野が小さく笑った。

「つくし・・・」

何度も名前を呼びながら膝を割って腰を押しつける。

「あっ・・・」

息が止まるような高い声とともにつくしの腕がギュッと俺を抱いた。

「んっ・・・」

身体が沈むごとにのけぞっていく身体。

「大丈夫・・・だから・・・」

爪先が痛いほどに俺の背中を掴む。

牧野の苦痛を思いながらも感じる刺激は熱くて、蕩けそうで、抜け出せそうもなくて・・・

ベッドの軋みも牧野を壊してしまうんじゃないかと思えるほど乱れて押さえられない。

身体の奥深くにどこまでも深く受け入れらてる感覚に酔ってる。

その奥でピクンと俺自身が弾けた。

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拍手コメント返礼

883r様

PWつきのお話の初読破はこのお話なのかな?

やっとここまで我慢した!

生ころがしの設定が比較的多いです。(^_^;)